2024年2月16日金曜日

PHEVへの道 36 スバル ソルテラの通信簿


ソルテラは、トヨタのbZ4Xと兄弟車で、基本的には共同開発した100%電気自動車です。トヨタの全方位戦略が必ずしも間違いでなかったことは、昨今の情勢が示していますが、それにしても電気自動車については出遅れた感が強いトヨタにとっては、初めてのBEVとして登場したのは2022年5月。

しかし、bZ4Xは当初一般向けとしてはサブスクリプションのKINTOからのみで、注目していた人々の落胆を招きました。一方、スバルはソルテラを2022年4月の販売開始当初から通常の販売方法とし、トヨタも2023年11月から、一般販売を開始しました。両者は当然、ほとんど同じですが、グレードや装備の違いによって多少の性能の差が生じています。

bZ4XはグレードはGとより装備が充実したZがあり、それぞれに前輪駆動(FWD)と常時四輪駆動の全輪駆動(AWD)が用意されています。一方、ソルテラはFWDとAWDの両方があるグレードET-SS、そしてAWDのみの上級のET-HSがあります。

bZ4XはGグレードのFWDが550万円、AWDが600万円、ZグレードのFWDが600万円、AWDが650万円です。ソルテラはET-SS FWDが627万円、ET-SS AWDが671万円、そしてET-HSが715万円です。br4Zはすべてシートは合皮で、ET-SSはファブリック、ET-HSは本革という具合で、全般的にインテリアの質感ならET-HSが第一選択でしょう。

外観は微妙な違いはあるもののほぼ同じで、選べる車体のカラーリングはどちらを選択するかの大きな要因になるかもしれません。諸元はソルテラを中心に確認してみます。大きさは同じで、全長・全幅・全高は4690・1860・1650mm。車体重量はFWDは1910kg、AWDは2030kgです。

パワートレイはFWDはフロントモーターのみで、最大出力150kW、最大トルク266Nmという強力なものが搭載されます。AWDは、前後に別々に同じモーターがあり、それぞれが最大出力80kW、最大トルク169Nmです。電費はFWDが126Wh/km、AWDが148Wh/kmで、一充電走行距離はFWDは567km、AWDは487km。積載電池はいずれもリチウムイオン電池で71.4kWhです。

自宅充電は、200V/30Aの6kWであれば満充電にかかる時間は12時間。200V/16Aの3kWだと21時間です。毎日の街乗り中心の使用については、あまり困ることはないでしょう。遠出する場合は、だいたい300kmを超えるくらい走ったら急速充電気を探したくなりそう。急速充電は50kWなら60分、90kWなら40分ですから、食事や買い物のタイミングに合わせるプランをあらかじめ考えておきたくなります。

テスラやBYDのベストセラーBEVに比べると、ミッドサイズSUVですからこれらの性能が見劣りするのは当たり前ですが、スバルにとってもトヨタにとっても初めてのBEVと考えれば満を持して登場させただけのことはあるというところ。

ここでbZ4XよりもソルテラのET-HSに気持ちが傾くのは、予算を考えなければインテリアの質感の良さがスバルが勝っているから。そして、トヨタにはつかないパドル・シフトがステアリングについている点も気になる。パドル・シフトは、オートマチック車でも、まるでギア・チェンジをするかのような運転の楽しさを味わえるので、楽しいこと請け合いです。