2023年3月27日月曜日

Luca Fanfoni / Mauro D'Alay The Dresden Concertos (2022)

おそらく、かなりのクラシック音楽通の人でも、マウロ・ダレイという作曲家について知っている人はほとんどいないんじゃないかと思います。


1687年、イタリアのパルマで生まれた人。イタリア人作曲家らしく「イ」で終わる名前ですが、たいていは「i」なんですが、この人は珍しく「y」です。

1757年に70歳で亡くなっているので、バロック後期に属する作曲家ということですが、20代なかばから50代までパルマの教会に所属していましたが、その間にスペインやイギリスにも長期滞在したようですが、詳しい経歴はほとんど知られていません。

それなりに知られたヴァイオリン奏者で、いくつかの作曲も残していますが、最近まで20世紀末に録音されたCDが一枚見つかるだけでしたが、イタリアのバロック音楽の発掘・録音を精力的に行っているイタリアのDynamicレーベルが、最近になって2枚のCDを発売しています。

と言っても、それを合わせてAmazonで見つけられるのはCD3枚だけなんですが、DynamicからCDをリリースしたのは、ロカテッリやロッリの演奏で自分的にはお馴染みになったルカ・ファンフォーニです。ここでは息子のダニエルもヴァイオリン独奏者として加わり、親子で共演しています。

イタリア・バロックも煮詰まって、技巧に走る風潮が強まっていた時期ですが、比較的音楽性を重視した曲作りです。協奏曲でも急-緩-急という典型的なパターンだけではなく、楽章のなかでもテンポを変えたり、長調と単調を混ぜたりとなかなか面白いことをしています。

もちろんヴァイオリンの技巧的な聞かせ所も心得ていますし、2つのヴァイオリンを絡ませて盛り上げたりと、それなりに考えられていて飽きません。