アントニオ・ロッリの作曲による、今度はヴァイオリン協奏曲集です。
番号付き9曲と番号無し1曲の全10曲の「Complete」と銘打ったCD枚組のアルバムで、独奏者はソナタ集と同じルカ・ファンフォーニ。演奏はレアル・コンセルトで、ブックレットの記載を見るとほぼ全員楽器はモダンで、ファンフォーにだけ18世紀初頭の古楽器を曲によって使い分けているようです。
すべての曲が長調の3楽章構成で、急-緩-急のパターンですから、イタリア・バロックのフォーマットとしては普通というところ。とは言え、ヴァイオリンのソロ・パートが多めで、ヴィヴァルディりも曲想も色とりどりという感じがします。
聞きやすい安心感はヴィヴァルディが勝りそうですが、ヴァイオリンの名手と言われたロッリですから、いかにヴァイオリンで聴衆を唸らせるかを実作に生かしたというところなのか、実際にヴァイオリンを弾く方だったら凄い演奏と思ってくれるかもしれません。
こうやっていろいろ聞いてみると、どれも似ていると言われればその通りなんですが、やはり作曲者ごとの個性は感じられます。ただ、ヴィヴァルディが一番現代でも有名なのは、やはり耳に残るメロディをうまく配置するのが一番うまいということなのかなと思います。