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新型コロナウイルスで、日本において一番怖いのは、危機意識の低さなのかもしれません。
確かに、新型コロナウイルスは過去に蔓延した疫病の中で、特別に致死率が高く人類に脅威となるわけではありません。基本的には1週間程度の風邪症状で終わっているケースの方が多い。
ただし、それは適切な予防対策が取られ、適切な検査が行われ、そして適切な治療が施されることを前提とした話です。
このウイルスの困ったことは、感染しても無症状でウイルスを周囲にばらまくことがあっても本人が無自覚である場合が存在すること。これは、徹底的な予防対策を行いにくいということになります。
検査についても、それなりに時間がかかることと、偽陰性(たまたまウイルスを検出しなかっただけ)もあるし、少ないですが偽陽性(ウイルスが無いのに陽性)も存在します。
そして、最大の問題は現時点では明らかに有効性を認める治療薬が無いため、回復については基本的に個々の体力次第ということ。
クルーズ船は大きな問題になりましたが、今のところ下船した乗客からの二次感染、三次感染は起こっていないようですから、ここでの対応は一定の成功だったと言えます。
その後もイタリア、アメリカのような爆発的な感染拡大に至ってはいないことから、医療の余力を確保しながら、日本はうまく対応してきたと思います。
しかし、3月後半以後は、しだいに感染源が特定できないケースも増え、発見される陽性者数が増加傾向にあり、自治体単位で行動の自粛を促す状況が増えてきました。
日本よりも感染者数、あるいは死亡者数が少ない国でも非常事態を宣言して個人の行動を厳しく制限している国もあるくらいですが、国内では若者だけでなく全年齢で個々の自由を優先する行動が後を絶たないように思います。
何しろ首相夫人からして、呑気に「自粛を求められている公園」じゃない場所だからとお花見しているようでは溜息しかでません。
問題が長期化し、しかもその期間の予想ができない状況は、問題の深刻さを薄めていきます。時にはそれが良い結果につながることもありますが、この問題に関して現時点ではさらに事態を悪化させることにしかならない。
オリンピックがあるからという歯止めがなくなったことで、より問題意識の低下が顕著になるなら、世界の日本人に対する印象はずいぶんと違ったものになると思います。
この週末は言うに及ばず、しばらくは可能な限り自制した行動が求められることを強く意識する必要がありそうです。