年末年始臨時休診のお知らせ

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2020年3月16日月曜日

新型コロナウイルスの死亡率

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Coronavirus_COVID-19_virus.jpg

新型コロナウイルス(COVID-19)問題は、いろいろと取り沙汰されていますが、特に日本は検査が少ないために患者数が低くカウントされているという批判があります。しかも、それはデータを集約したい一部の組織のエゴということまで言い出す「専門家」まで登場する始末です。

確かに、現状でも検査は希望すれば簡単にできる状態ではなく、あくまでも疑う理由がある人に絞って行われているわけで、たくさんのウイルス陽性者が野放しになっていることは間違いありません。

ただし、その多くは本人は無症状で健康的には問題はない。それらを含めて検査を行うようなことがあったら、おそらく病院、クリニック、検査会社などは回らなくなり、医療崩壊につながる事態が容易に想像できます。

某お金持ちが大量の検査キットを寄付しましょうか、とか言い出しましたが、その方は大量のマスクも提供したいとのこと。逆にそういう人が、「善意」のもとに必要なものを「買い占める」状態の方が問題だし、そもそも検査キットをばらまかれても医療機関は対応しきれません。

実際、感染拡大が最も深刻なイタリアでは検査をやりすぎて、通常の医療がまわらなくなり、物的・人的な医療崩壊に陥っているようです。

検査が十分に行われていないといわれる日本でも、発症者、特に重症化した方の検査は100%行っていると思われますので、死亡者数でウイルスの怖さを考えた方が理解しやすいのではないでしょうか。

3月14日の時点でWHOが集計したCOVID-19に関するデータと2016年の世界人口集計に基づくと、日本の場合、死亡者数は21人。つまり、死亡者数は人口100万人当たり0.164人になります。ダイヤモンド・プリンセス関連の死亡者7名を加えると、0.220人です。

一方、大元の中国では100万人当たり2.26人が亡くなっています。以下、死亡者数の多い国順で人口100万人当たりの死亡数を見ていくと、

イラン 6.42人
イタリア 4.27人
韓国 1.41人
スペイン 2.61人
フランス 1.16人
アメリカ 0.127人

となっています。

全世界レベルでは総人口74億人で、COVID-19による死亡が確定している人数は5393人で、人口100万人当たり0.726人です。

全ての死亡者の原因が把握されているわけではないでしょうけど、この数字を信用しなかったら何も信頼できるものは無くなってしまいます。ただし、この数字は累積ですから、今後増えることがあっても減りはしません。今後は、適切な期間を区切って比較することが必要です。

全てが後手に回っていると批判されている日本の対応ですが、これらの数字からは決定的な過ちは犯していないと判断できそうです。そもそもほとんど未経験の問題に立ち向かう状況を考えればうまくやっている方ですし、日本の医療体制もまんざらではないと思います。

とは言え、死亡率が2~4%と考えられていて、ダイヤモンドプリンセス号の事例からウイルス陽性者の半分は無症状ですので、日本でも発症した患者数は1000人以上になっており(3月14日現在では確定しているのは716人)、ウイルス保有者はその倍以上いるだろうことが想像できます。

季節性のインフルエンザの死亡率は1%以下と言われており、ワクチンなど予防法も確立し、抗インフルエンザウイルス薬も登場しています。COVID-19は、当然ワクチンはありませんし、適切な治療薬はありません。死亡率だけでいえば、インフルエンザの10倍程度は想定されますので、安心していられない状況は間違いありません。

実際、日本を含めて世界規模で増加傾向に歯止めはかかっていない状況ですから、引き続き厳重な注意が必要です。当然、経済面での損失は長引くほど深刻度を増すことは容易に想像できますから、いろいろに影響はかなり長期に渡って続きますね。