それだけ、差し迫った緊急度、深刻度が高いということですが、グローバル社会になって人の移動が地球規模で容易になった現代では、世界中への拡散が人類の手に入れている疾病対策の手段の限界を超えているということ。
幸い、COVID-19の対人毒性は、必ずしも既知のウイルスと比べて高いわけではありません。大多数の感染者は発症しないか、発症しても風邪症状で沈静化しています。ただし、通常のコロナウイルスや季節性インフルエンザに比べて、重症化し肺炎により亡くなる方が多くなっていることは事実です。
ウイルス陽性が確認されている人数は、全世界で19万人。亡くなった方は、3月18日までに7807人で、およそ陽性者の4%です。日本のように、限定的な検査を行っている国もあるので、実際の感染者数は確実に何倍もいるはずですが、その場合は死亡する方の割合は少なくなります。
ウイルス検査は、結果が陽性に出れば確定できますが、陰性の場合はウイルスをうまく採取できなかっただけというケースは珍しくありません。普段、病院で一般的に行われているインフルエンザの簡易キットでは数10%の偽陰性があると言われています。
つまり感染初期でウイルス量が十分でない場合、あるいはうまくウイルスを採取できていない場合は、当然陽性にはならないことは当たり前の話で、COVID-19に対するPCR検査も基本的には同じこと。
肉眼で視認できないミクロの世界の話ですから、検査結果に対して絶対的な安心を寄せるわけにはいきません。また、現時点では有効性が証明されている抗ウイルス治療薬がありません。
とにかく徹底的な予防対策が最も重要であり、これ以上増やさないためには最低2週間の徹底的な人の移動を制限することが最も確実と言わざるをえない。3月になって深刻度が急上昇しているヨーロッパでは、すでに多くの国が一般の外出を厳しく制限しています。
日本でも、急激な感染拡大が懸念された北海道が、独自の緊急事態を宣言することで、何とか増加に歯止めをかけることに成功しています。とは言え、全世界で完全に人の動きを停止させることはほぼ不可能ですから、一人一人が「いつでも感染者になりうる」という意識を持って行動するしかありません。
世界保健機構(WHO)が公開している予防対策は、現実的な効果が期待できる方法論として実践する必要があります。残念ながら、WHOのHPには中国語表記はあっても日本語はありませんので、つたない英語力で紹介しておきます。
頻繁に手を洗いましょう
定期的に徹底的に消毒用アルコールで手でこするか、石鹸と水で手を洗ってください。何故なら、手に付着しているかもしれないウイルスを除去できるからです。
社会的距離を保つ
自分と咳やくしゃみをしている人との間隔を、少なくとも1メートル(3フィート)を離れて距離を保ちます。ウイルスを含んでいる可能性のある鼻や口からの飛沫を吸い込まないためです。
目、鼻、口に触れない
ウイルスは手に付着する可能性が高く、目、鼻、口から体内に侵入するからです。
咳エチケットの実践
咳やくしゃみをするときに、肘やハンカチなどで口と鼻を覆いましょう。その後、ハンカチなどは廃棄してください。
発熱、咳、呼吸困難がある場合は、病院を受診してください
気分が悪いときは家で待機します。発熱、咳、呼吸困難がある場合は、医師の診察を受けるか、地元の保健当局の指示に従ってください。
最新情報を入手し、専門家のアドバイスに従う
COVID-19の最新の開発情報を入手してください。 それぞれの国および地方自治体は、あなたの地域の状況を把握していて、自分自身を守るために何をすべきかについて最適な助言ができます。
マスクの使用について
あなたが健康ならば感染が疑われる人の世話をしている場合にのみ、マスクを着用する必要があります。咳やくしゃみをする場合はマスクを着用してください。マスクは、手洗いと組み合わせて使用した場合にのみ有効です。
基本的には、もう何度も言われている感染症対策の基本中の基本ばかりですが、その気になれば誰でもできるこれらをしっかり実践するかどうかが最も重要ということ。つまり、その気になるかどうか、自分が感染し広げる可能性を本気で意識できるかどうかが大切です。