2026年5月10日日曜日

山王社 @ 麻生区王禅寺


神社のランク付けというのは「社格」と呼ばれ、古来、様々な分類が作られてきていて、今では昔ながらの呼び方も混在していてたいへんわかりにくい。

まぁ、「鰯の頭も信心」というくらいですから、信仰の対象としては箱の大小は関係ないと言ってしまえばそれまで。ただ、大きい方がご利益がありそうな感じがしてしまうものです。

明治時代になって定められた社格では、一番頂点にあるのが神宮(いわゆる伊勢神宮の正規の呼び名)で、その下に官弊・国弊の大社・中社・小社が続き、これらは「神様」を祀るもの。さらにその下に武将などを祀った別格官弊社というのがあります。

戦後にGHQの意向により社格は廃止されたため、いろいろと混乱することになるのですが、今では宗教法人である神社本庁が包括する神社の中で、(伊勢)神宮とそれ以外の別表神社に大きく分けられています。しかし、もともとある程度の規模の大きな神社しか含まれていない上に、神社本庁に属さない、あるいは離脱する神社も少なくないので、さらに事を複雑化しています。

だいたい共通の認識としては、伊勢神宮だけが別格扱いなのは間違いなく、その下に天上の神々や天皇を祀る「××神宮」、地上の神々を祀る「××大社」、皇族や功績をあげた人を祀る「××宮」があり、後はその他大勢の「××神社」となります。そして、さらのその下に「××社」という氏神様としてごく限られた地域信仰の対象になっているごく小さな神社が位置します。


ここから本題。横浜市青葉区からほんの少しだけ外れた、川崎市麻生区に山王社という常駐する宮司などがいない小さな社があります。すぐ近くの王禅寺の鬼門(邪気が出入りする方角で、北東をさします)からの災いを封じるために建立されたと言われています。王禅寺は10世紀頃のものなので、山王社が出来たのはそれ以降、少なくとも1830年の「新編武蔵風土記稿」には記載があります。日枝神社と呼ばれていたこともあるらしい。

現在の姿では、細いわりには交通量の多い道路から急な勾配の階段があって、注意していないと気がつかずに通り過ぎてしまいます。階段はちゃんと数えなかったのですが、百段近くありそうで、けっこうきつい。前のめりに上らないとかなり危険な階段です(よく探すと緩やかな坂道が併設されています)。

境内は10m四方ほどしかなく、社も3m四方のちいさなものが立っているだけ。祭神は大山咋神(比叡山の地主神)です。小さいですが地域の氏神として、人々が集まって無病息災・五穀豊穣を祈る場所としては十分に信仰を集めていたのかもしれないと思うと感慨深いです。