2025年10月20日月曜日

オズランド 笑顔の魔法おしえます。 (2018)

小森陽一の「オズの世界」という小説が原作で、主人公には女優の波瑠をイメージして当て書きしたようです。「SP 警視庁警備部警護課第四係」の監督・波多野貴文と脚本・金城一紀のコンビが、再びタッグを組みました。

波平久瑠美(波瑠)は、せっかく東京の一流企業に就職したものの、突然の人事異動で田舎の遊園地「グリーンランド」の企画部に異動になりました。指導係となった小塚慶彦(西島秀俊)は、グリーンランドを営業利益を倍増させたカリスマとして本社でも有名でした。

赴任してみると小塚はみんなから「オズさん」と呼ばれて、笑い顔を絶やさない人物でしたが、「なみひら」を「なみへい」と読み間違え、園内のごみ収集の仕事ばかりをさせて、せっかく久瑠美が考えた企画もほったらかしなのです。

ある日、園内で客から道を聞かれた久瑠美が答えられずにいると、一緒に入職しごみ収集ばかりしていた吉村(岡山天音)がさっと答えられたことにショックをうけます。何で園内中を歩き回ってごみを集めていたのかやっと久瑠美は理解し、愚痴ばかり言うのをやめます。自分もスタッフの一人として、遊園地に来た客を笑顔にするために努力するようになります。

たまたまオズさんが書いた退職願を見てしまった久瑠美は、オズさんがこの遊園地で世界一と言えるようなことをしたいと願っていたことを知ります。久瑠美は開園記念日に気球からたくさんの風船を落として客を喜ばせる企画を考え、オズには内緒のサプライズも用意して驚かせることにしました。

まぁ、安心してみれるハートフル・コメディです。それほど新鮮味があるストーリーではありませんが、楽しく働くことの大事さを描いているわけです。そういう意味では、あまり書くべき感想はないんですが、波瑠はまさにそのままのナチュラルな役なんで無理せず役をこなしている感じ。西島秀俊が、こういうユーモアのあるホコホコとした役もできるというところが新鮮かもしれません。

熊本県荒尾市に実際にあるグリーンランドで、ほぼ全編ロケが行われていて、地方にも立派な遊園地があることが何か嬉しい感じです。

2025年10月19日日曜日

グランメゾン★パリ (2024)


2025年正月映画として公開された映画ですが、もともとは2019年放送のTBS日曜劇場で放送された「グランメゾン★東京」の完結編にあたります。ドラマ版から通じて、脚本は黒岩勉、監督は塚原あゆ子が担当しました。2024年の塚原は、映画では「ラストマイル」、テレビで「海に眠るダイヤモンド」があり快進撃の1年になりました。

パリでミシュラン三ツ星レストランを目指していた尾花夏樹(木村拓哉)は、トラブルから夢破れた生活をしていましたが、絶対的な味覚の持ち主である早見倫子(鈴木京香)と出会ったことで、倫子をオーナーシェフとした「グランメゾン★東京」をオープンし、倫子に三ツ星を取らせるため奮闘するというのが、ドラマ版の骨格でした。

グランメゾン★東京が三ツ星を獲得したことで、ドラマにおける目的を達成した夏樹は表舞台を去っていくわけですが、夏樹自身の夢はまだ達成できていません。

映画公開前の2024年クリスマスイブに、単発のスペシャル・ドラマが同じスタッフ・キャストで放送され、コロナ禍で経営が苦しくなったグランメゾン★東京に対して、夏樹が「グランメゾン★東京を終わらせるため」に京都に店を開き挑んできました。これは倫子を奮い立たせるためのものだったわけで、そのことに成功した夏樹は再び自分の夢を叶えるためにパリに旅立つという内容となっています。

さて映画は、尾花夏樹がパリの料理界の重鎮から見込まれて開店した「グランメゾン★パリ」が獲得した二つ星を維持できたところから始まります。つまり、開店してから最低2年は経過していることになりますが、当然三ツ星を目指している夏樹は満足できません。

夏樹を支えるスタッフは、倫子をはじめ、昔からの理解者、京野陸太郎(沢村一樹)、相沢瓶人(及川光博)らに加え、バリで三ツ星のバティシエを夢見る韓国人のユアン(オク・テギョン)、移民で集まったいろいろな国の人々でした。

いまだに外国人という理由で食材の調達にも苦労している状況で、ついにオーナーから立ち退きを迫られることになります。三ツ星を取ることを条件に、立ち退きを引き延ばした夏樹は、自分のルーツを封印して徹底的にフランス人が好むフランス料理を並べようとしますが、ユアンの借金の取り立てによる暴力事件が発生し窮地に立たせられるのでした。

それでも、スタッフ全員が夏樹に三ツ星を取ってもらいたくて頑張っていることをあらためて知った夏樹は、スタッフそれぞれの国のアイデアを生かして、さらなる革新を加えていくのがフランス料理の神髄であることに気がつくのです。

当然流れから結末は容易に想像がつくわけですが、ドラマ版で濃厚な駆け引きを見ているので、2時間の映画に落とし込むには時間が少なすぎるような感じがします。もっとも、東京と同じことをパリでやっても二番煎じになってしまうだけですから、製作陣としてはその辺りが一番苦労したところなのかもしれません。

そして、舞台がパリで、ほぼ全編に渡ってフランス・ロケとなっているのは、見応えがある一方で、セリフの大半がフランス語、時に韓国語というのがやや観客のハードルを上げているように思います。これらは当然強制字幕になるので、始まってしばらくはセリフを読むのが精一杯で、登場人物の心情を感じ取るのを難しくしているのではないでしょうか。

ドラマを知っている者からすると、その辺りがややモヤモヤすることになるのですが、初めて映画から入る者にとっても、人間関係の説明は全く無いので「いつものキムタク・ストーリー」以上にはならないという、なんとも悩み深い作品になっているという感想を持ちました。

ドラマ終了直後に、小林圭氏が実際にフランスで三ツ星を獲得したことがニュースになり、しかも5年間それを維持しているという偉業を続けています。映画では彼が料理監修を行い、登場する料理は画面からも素晴らしい味や匂いが伝わるような撮影・編集がされているところは拍手喝采もので、これだけでも見る価値はあります。

2025年10月18日土曜日

半径5メートル (2021)


雑誌の生活情報記事のための編集部を舞台に、新人の女性記者が成長していくドラマで、NHKで全9回で放送されました。

週刊誌「女性ライフ」のゴシップ記事を追いかける花形部署の新人記者である前田風未香(芳根京子)は、スクープを取り損ね生活情報班に異動させられてしまいます。スクープを追いかけてギラギラしていた部署と比べて、すべてにおいてのんびりムードが漂い、メンバーも個性的でした。

デスクの丸山(尾身としのり)は、コーヒーをみんなに配るのが趣味でやりたい企画は何でも通してくれます。藤川ますみ(山田真歩)は、夫が単身赴任中で堅実な仕事ぶり。海老原香織(北村有起哉)は妻と離婚して、今は女性として生きるトランスジェンダー。そして、フリーランスですが、最も人気のある記事を連発する亀山宝子(永作博美)が、風未香の教育係になりました。

宝子は自分の周囲半径5mまでに見えてくる身近なものが大事と教え、風未香は宝子の何気ないアドバイスで、物事を一方向からだけ見ないで、その本質は何かを考えること、そしてそれを記事として文章に起こす力を少しずつつけていくのでした。

そんな中で、誤報をしたら記事にした人に一生消えない迷惑をかけることも知り、宝子がフリーランスになった秘密も次第に明かされていくのでした。

主たる演出を担当した三島有紀子と脚本の橋部敦子の企画から生まれたオリジナル作品で、相手との距離によって、どのように人と付き合っていくのかということをメインテーマにしています。

もっとも、舞台となる生活情報班の部屋はかなりモダンな作りで、現実の雑誌編集部としてはおそらくありえないくらいかっこいい。生活の中でいかにもありそうな話題を扱いつつも、あえてファンタジー感もそこそこ入れ込むことでギスギスし過ぎないような配慮なのかもしれません。

芳根にとっては、ちょっとコメディ調が混ざるお仕事ドラマは、たぶん最も得意なジャンルなのではないでしょうか。悩み苦しみながら、そして時にはぶれながらも、だんだん自信をつけていくのは、見ていてとても安定感があります。

2025年10月17日金曜日

どくせんじょう


驚きました。いやいや、何十年生きていても、こんなことも知らんかったというものがあるものです。

「どくせんじょう」というのは、一人欲しいままにできる場(状況、場面)という意味で、「一人」=「独」、「欲しいまま」=「擅」ということで漢字で書くと「独擅場」となります。

ところが、今、普通に同じ意味で使う言葉は「独壇場」で、読み方は「どくだんじょう」です。

独擅場 独壇場

パッと見ると同じじゃないかと思いやすいのですが、よく見ると・・・違います。

手へんと擅と土へんの壇という違いがあった。

独擅場(どくせんじょう)が、一人舞台を連想しやすかったため、舞台を意味する「壇」が誤って使われるようになって、独壇場(どくだんじょう)が普通に使われるようになったとのこと。

また、「擅」が当用漢字に含まれていないため、「壇」が代用されたことが間違いの始まりということもあったらしい。

ちなみに最終局面の事を「どたんば」と言いますが、こちらは漢字だと「土壇場」となり、本来は首を斬る刑場のこと。

2025年10月16日木曜日

OD調査2025


OD調査は、「全国道路・街路交通情勢調査、自動車起終点調査」というもので、国土交通省が5年に一度行っている調査です。これも統計法によって行われるようです。

日本全国の道路交通の実態を把握し、道路の計画、建設、管理などについての基礎資料を得ることを目的とした調査です・・・というもの。

そして、全国の緊急車両を除く三輪以上の全ての自動車のうち、国土交通省が令和7年(2025年) 5月末時点の自動車登録情報から無作為に抽出した車両の所有者を対象としています・・・なんだそうです。

・・・で、うちにこれがある、ということは当たりということ。以前にやった覚えが無いので、初めて選ばれてしまったようです。国勢調査は簡単だったので、ほとんどストレス・フリーでしたが、こちらは・・・

正直言っていっきにやる気が下がります。なんか面倒だなぁ・・・という気持ちが先に立ってしまい、調査票の内容をみると「やたらと細かいことを聞くなぁ」と思ってしまいます。

平日と休日のそれぞれ特定の一日を対象として、どのように車を使用したかを事細かに書くのですが、最初にその日に自動車を「使った or 使わなかった」を答えるので、「使わなかった」に〇をつけて終わりにしたい気持ちがでてきます。

とは言え、これもインターネットを利用した回答ができるので、ゆっくりやりたいと思います。


2025年10月15日水曜日

記憶屋 あなたを忘れない (2020)

織守きょうやの小説が原作で、カテゴリー的にはホラーと呼ばれますが、実写映画化に当たって、だいぶ設定が変えられているようで、映画はファンタジー系ロマンスみたいなテイストです。

監督は「約束のネバーランド」の平川雄一朗、脚本は平川と鹿目けい子です。エンディングテーマには、中島みゆきの「時代」が使われています。

もうじき大学卒業を控えている吉森遼一(山田涼介)は、母と幼馴染で故郷の広島から出てきて間もない河合真希(芳根京子)と暮らしています。遼一は沢田杏子(蓮仏美沙子)と卒業したら結婚することになっていましたが、ある日、急に杏子が自分の事を知らないと言い出します。

巷には都市伝説として記憶屋というのがあって、忘れたい記憶を消してくれると噂されています。遼一は杏子が記憶屋に自分の記憶を消されたのではないかと疑い、大学の先輩である弁護士の高原(佐々木蔵之介)に相談します。

最初は相手にしなかった高原でしたが、遼一が自分の周りで二人目だと言うと耳を傾けるようになりました。こどもの時、連続少女誘拐殺人事件があり、唯一命が助かったのが真希で、彼女は事件の事をまったく覚えていないのです。

遼一は消せる記憶なら戻すこともできるのではないかと思い、故郷に何か記憶屋に関する手掛かりが残っていないか高原と共に向かいます。真希の祖父(田中泯)に会いますが、何も手掛かりは有りませんでした。そこへ高原の助手を務める安藤七海(泉里香)から重要な手掛かりがあったと連絡が入りますが、戻ると七海の記憶屋に関する記憶はすべて消えていました。

高原も記憶屋にどうしても頼みたいことがあったため、遼一に協力していたのです。高原は脳腫瘍のため余命宣告を受けていて、一人娘を悲しませないために娘から自分の記憶を消してもらいたいと考えていたのです。強い頭痛に襲われた高原は、記憶屋のネット掲示板に「会いたい」と書き残すと意識を失い入院してしまうのでした。

結局、割と早い段階で記憶屋の正体はほとんど明かされています。そういう意味では、ミステリー的なところは強くない。ファンタジー系としたのは、記憶を消すことは超能力として片付けられているから。本来、忘れないと生きていけない辛い記憶を消すための力らしいのですが、ややそれ以外の目的で使われているところもあって、素直に喜べません。

ラストシーンも何となくモヤモヤが残る。結局何だったんだろうと言う終わり方なので、ロマンスを匂わせているにも関わらず、本来感情移入して泣く所も泣くに泣けない感じです。最後は記憶を消すことは罪としているけど許してあげようという、そんな解決でいいのかと思いました。

山田涼介の演技力は定評があるところなので、ここでもいい雰囲気をだしています。辛い過去を微妙に引きづる芳根京子も、間違いないところ。ただし、せっかく田中泯を起用していながら、これはちょっと役柄としては誰でも良い感じでもったいない。ベテランの佐々木蔵之介は、シーンを引き締めているのはさすがですが、ちょっと高原の描き方に物足りなさを感じました。

悪い作品とまでは言いませんけど、積極的に人にお勧めするのはちょっとしんどいかもしれません。

2025年10月14日火曜日

ライトフライト ~ 帰りたい奴ら (2009)

TEAM NACS SOLO PROJECTの一環として行われた舞台で、戸次重幸が脚本を書いています。演出は「GHOOOOOST!!」に続いて福島三郎が担当しています。

戸次重幸のDVDなどで見ることができる単独公演は、「アルプス」「GHOOOOOST!!」に次いで3作目ですが、ここでもどちらかというとドタバタ的なコメディに仕上がっていて、「アルプス」と同じ時空を移動する設定になっています。

新規参入したニューアサヒ・スカイラインという航空会社の、初めて東京発札幌行きの便が離陸しようとしています。オカマのCAの釜田(福島カツシゲ)が登場案内をしますが、乗客は誰も聞いちゃいない。

乗客は、人気漫画家の富樫よね(川原亜矢子)と夫でありマネージャーでもある富樫明夫(六角慎司)、何か怪しげな医者っぽい黒田十一(戸次重幸)、今どきギャル風の宅間典子(小松彩夏)、いかにもハイジャックでもしそうな佐田武蔵(川井"J"竜輔)です。機長は堅物感ありありの早乙女青二斎(野中イサオ)で、副操縦士は某歌劇団の男役みたいな夜月ミチル(蘭香レア)。

離陸したとたんに佐田がこの機をハイジャックすると宣言するものの、持っている武器はダーツの矢ですから、乗客らの協力で簡単に制圧されてしまいます。そうこうしていると、飛行機は宇宙船と衝突し、宇宙人のソ(加藤貴子)が乗り込んできます。

ソは時空の歪みによって突然現れたわけで、飛行機自体もどこかわけのわからない場所に不時着していました。そこは原始時代らしく、あわてて機を離陸させます。時空の歪みに飛び込むと、そこは・・・いったい彼らは帰ることができるのでしょうか。

・・・という、もうほとんどナンセンス・コメディとしか言いようがないもの。正直な感想としては、あまり面白いものではありません。知的なイメージがある川原亜矢子が出演しているのが不思議でしょうがない。

まず舞台が題材からして広すぎる。機内の座席を正面から見ている設定なので、客席が横に広がり過ぎてかなり違和感があるし、それでも余ったスペースがもったいない。その上の2階部分みたいなところに操縦席があるのも変です。機内を横から見るような舞台の方が、まだ良いのではないかと思えてしまいます。

時空移動は二番煎じですし、特に不満を感じるのは、最後の結末シーンは紙芝居で説明して終わりというのは、かなり雑なエンディングです。うまい着地点を思いつかなかったので、取り急ぎ終わらせた感があるのが残念です。

2009年は2月から4月にかけてTEAM NACSとして「下荒井兄弟のスプリング、ハズ、カム。」の本公演をしていて、戸次は夏には連続テレビ・ドラマにも出演していました。この舞台は10月から11月にかけて行われたので、戸次にとってはかなりハード・スケジュールだったのかもしれませんが、それを言い訳にはできません。

2025年10月13日月曜日

累 (2018)

原作は松浦だるまによるマンガ「累(かさね)」で、「ストロベリーナイト」の監督・佐藤佑市と脚本・黒岩勉が再びタッグを組み、土屋太鳳と芳根京子のW主演で映画化されました。

唇から頬にかけて醜い傷がある淵累(芳根京子)は、大女優と呼ばれた故・淵透世(檀れい)の娘で、母から「独りぼっちで。本当に辛い時はこれを使うように」と口紅を託されました。その口紅を塗って誰かとキスをすると、姿や声がそっくり12時間の間入れ替わることができるのです。

透世の十三回忌で羽生田(浅野忠信)に声をかけられた累は、羽生田がマネージメントしている美しい女優り丹沢ニナ(土屋太鳳)の舞台を見学しました。何故か口紅の秘密を知っている羽生田は、透世の才能を受け継いだ累に、体調に不安を抱え演技力に問題があるニナの代役を務めるように言うのです。

容姿のためにずっと劣等感を抱き続けてきた累でしたが、毎日9~21時はニナと入れ替わり芝居のオーディションに合格、ニナが以前から憧れていた演出家・烏合(横山裕)に認められるのです。初めは累のことを自分が成功するための踏み台と考えていたニナでしたが、しだいに累に対して嫉妬を感じるようになり、ついに累を追い出そうとします。

しかし、ニナは持病の発作を起こし5か月もの間眠り続けてしまい、その間に累が演じる「ニナ」は大成功して世間に広く知られるようになってしまうのでした。ニナが目覚めた時、二人の立場は逆転していました。実は、透世も口紅によって他人の顔を使い続けていました。羽生田は過去に透世のマネージャーだったので、そのことを知っており、累を第二の透世として世に送り出そうと考えていたのです。

ニナは累の実家を訪ね、累の生い立ちや母の秘密を知ります。踏み台にされているのは自分であることに気がついたニナでしたが、「偽物が本物を超える」と宣言した累はニナの唇を自由に使うため睡眠薬で眠らせ続けるのでした。

18世紀の歌舞伎作者として有名な四代目鶴屋南北が、現・茨城県常総市の累ヶ淵を舞台とした怨念の物語をもとに狂言を作り人気を博しました。醜い容姿の累が義父に殺され祟り続ける話ですが、江戸末期の落語家・三遊亭圓朝が「真景累ヶ淵」という長大な怪談話としてまとめ上げたものが有名です。

この映画はこれらの物語からモチーフをもらっていることは明らかですが、自己中心的で演技力不足の美貌の持ち主ニナと、確かな演技力があっても醜さからくる強い劣等感を絶えず抱いている累という対照的な二人の主人公の対立軸がテーマです。

土屋太鳳と芳根京子は、数年土屋の方が先輩ですが、ほぼ同世代で容姿や体形も比較的似ていて、人の入れ替わり物としては絶妙な配役だと思います。両者とも、真逆な心理状態を表現しなければならず、しだいに狂気に飲み込まれていくかなり難しい役所だと思いますが、芝居をするシーンは本物でも偽物でもニナで、どちらも土屋太鳳が演技をするので、より土屋の方が大変だったかもしれません。

いずれにしても、二人とも見事にこなしていてなかなか見応えがあります。芳根にとっては、演技力を知らしめる絶好の機会になったのかもしれません。浅野忠信の演じる羽生田は、いかにもという演技なんですが、やや強引過ぎてもう少し透世に対する想いを丁寧に描けていれば厚みが出たかもしれません。

2025年10月12日日曜日

ガーデンシクラメン


シクラメンはサクラソウ科の多年草球根植物で、涼しくなってくると長期間楽しめる秋から春までの代表的な花です。

球根ですから、ちょっとがんばれば毎年楽しめる・・・はずですが、そのがんばりがなかなか難しく、結局毎年新たに買うことになります。

一般的にシクラメンは、鉢植えで日当たりの良い室内で育てます。

全体が小ぶりになったミニシクラメンも人気ですが、特に耐寒性に優れた系統のものが「ガーデンシクラメン」と呼ばれ、屋外でも楽しめるのでファンが多い。

ホームセンターでガーデンシクラメンが売り出され始めました。一株が327円となっていて、見栄えを良くしようとたくさん買うと、通常サイズの見栄えの良い鉢が買えそうです。

まぁ、どのように楽しみたいかの問題なので、個人の好みで選べば良いのですが、自分の場合は玄関をパッと明るくしたいので、大きくて立派なのがあると嬉しいかもしれません。

2025年10月11日土曜日

レバニラ炒め

 


もう、定食屋の定番中の定番。

レバニラ炒めです。言わずとも知っているでしょうが、レバは豚レバー(肝臓)、ニラは韮。そりゃそうだ。

作るのは簡単。

まずはレバーしっかり炒めます。火が通りやすい薄切りスライスにしたものが家庭では扱いやすい。食中毒の原因になりやすいので、ここは手を抜いてはいけません。

表面が少し焦げてきたら、タマネギのスライス、もやしを入れて炒めます。最後にニラを投入して、味付けは・・・

うちでは、実に簡単。市販の焼肉のタレをかけるだけです。あとは何に使いません。

これだけでOKなんです。全体に味が馴染んだら出来上がりです。

御飯がすすむわぁ~

2025年10月10日金曜日

119エマージェンシーコール (2025)


今年の1月~3月にフジテレビで放送されたドラマなので、ご覧になった方もいることと思います。自分も横浜市が舞台だったこともあり、興味を持って見出したのですが、あのフジテレビ関連の大スキャンダルが発生したため、放送日程や、ロケ撮影に多大な影響が出て、ある意味最も割を食ったドラマだったのではないでしょうか。

横浜市消防局が全面的に協力して制作されたのですが、スキャンダル以後、協力のクレジットを表示しなくなり、屋外のロケも大々的に縮小されて、スタジオでの撮影が中心になりました。

新人指令管制員の粕原雪(清野奈名)は、こどものときに家が火事になり、119番の電話で指令管制員の声に励まされたことが今でも強く記憶に残っています。指令管制員の仕事は、ただ通報を受けるだけでなく、想像力をフル活用して少しでも要救助者を助けたいという信念を持っていました。

雪の教育係である兼下睦夫(瀬戸康史)は、元消防隊員でしたが、現場で自分の行動のせいで後輩に重い怪我を負わせたことで、指令管制に移動になりました。雪が自分の手配の結果などを確認するため後で現場に出向くことに批判的で、指令管制員は現場に指令を出すだけでいいんだと頑なな姿勢を崩そうとしません。

司令課3係には、粕原、兼下の他に係長の高千穂一葉(中村ゆり)、新島沙良(見上愛)、救命救急士の資格も持っている与呉心之介(一ノ瀬颯)、箕輪健介(前原滉)などとともに大ベテランの堂島信一(佐藤浩市)らが所属していました。

主人公たちは消防局の指令管制員であり、119番の通報を最初に受けて、適切に消防車や救急車を手配する役目を担っています。各個人の想いに関連した話とさまざまな現代の都会で遭遇する可能性のある事案を取り上げ、けっこう骨太なテーマとエンタメ性が両立したドラマとして成立していると思います。

スキャンダルの影響で屋外での撮影シーンが減っても、むしろ電話の声だけを頼りに様々な対応をする心理的な緊迫感はより強調されたと思いました。もちろんドラマですから、それぞれのキャラクターにはストーリー性が描かれていますが、かなり現実の状況を反映できているだろうと想像できます。

出演者の方々も、いろいろな制約の中で不安がいっぱいの撮影だったと思いますが、少なくとも良質な作品を世に送り出したことは称賛されてよいと思います。横浜市は消防局クレジット表記こそ取りやめましたが、最後まで実質的な協力は続けたことは良かったと思いました。

2025年10月9日木曜日

夕焼け


 昨夕は、めっちゃ綺麗な夕焼けが広がっていました。

西の空です。

こういう時は、翌日の天気は晴れになるといわれています。

でも、夕焼けの明日は雨ということも聞いたことがありますね。そのあたりのことは、勉強したことが無いのでよくわかりません。

・・・なんてことを考えながら、仕事が終わって駐車場に向かうと、何とアンラッキーな出来事が起こりました。

何と駐車券を入れたら、「このカードは無効です」ときた。カードを傷めるようなことをした覚えはまったくありません。

まじか!!

精算機の電話で事の次第を連絡すると・・・係がむかいますので30分くらいかかりますと。

OH----!! NOォ~

本当に30分も足止めされてしまいました。

どうも夕焼けはあんまりいいこと無い・・・天気は雨になるかもしれません。

2025年10月8日水曜日

防犯砂利


近くのホームセンターで売り出していましたのが「防犯砂利」というもの。

何か耳にしたことがありますが、実物は初めて見ました。

踏んでみると確かに大きめの音がしますが、普通の砂利とどのくらい違うかはよくわかりませんでした。

大きな音がするので侵入者に気がつきやすくなるということで、防犯に効果的というのが売り文句になっています。

材質は廃棄されたガラスやセラミックなどを加工したものらしく、見た目ほどは重たくないようです。

ただし良いことばかりではありません。もとがガラスですから砕けやすいので、長期間使っていると粉塵のようになるらしい。

また、普通に歩いても音がするわけですから、もしかしたら隣近所に騒音として迷惑をかけることがあるかもしれません。

でかい袋(40L)が1780円になっていましたが、ある程度厚めに撒かないと意味が無いので、その量でたぶん1m四方くらいまでいけるかいけないかという雰囲気です。いろいろとよく考えてから購入しましょう。

2025年10月7日火曜日

中秋の名月 2025

中秋の名月は、ほぼ毎年のレギュラー的なネタなんですが・・・

何と、前日は見えていたのに昨夜は全天曇り。まったく月が見えません。

こればかりはどうしようもない。

中秋の・・・というと10月6日だったんですが、これはあくまでも旧暦の8月15日にこだわった決めです。

月の満ち欠けを基準にしたものですが、この周期は29.5日です。半分は14.8なので、真ん中を15日とすると、ちょっとずつずれるので、必ずしも中秋=名月とはならない。

今年の満月は10月7日、今夜です。

なので、「名月」にこだわるなら、ワンチャンありますので、今夜の天気に期待したいと思います。でも、台風来ている・・・・

とりあえず、ここでは過去の写真を楽しんでいてください。