2026年10月13日火曜日

世界遺産ノート 2 作業指針

鎌倉 鶴岡八幡宮

1972年にUNESCO総会で採択された「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」に基づいて、世界遺産が登録されることになりましたが、その具体的な流れについてまとめました。

これらの指針は1977年の第1回世界遺産委員会で「世界遺産条約履行のための作業指針」として決められ、時代の変化によって少しずつ変更が加えられてきています。

(1) 世界遺産登録を目指すことになったら、最初に任意でアップストリーム・プロセス (Upstream Process)と呼ばれる作業がある。暫定リストへの記載準備から登録までの全過程で、世界遺産センター及び諮問機関からの助言、能力強化の協力を得るもので、作業に不慣れな地域でも登録をしやすくする効果が期待できる。

(2) 各国の担当政府機関がUNESCO世界遺産センターへ、文化・自然遺産の候補の暫定リストを提出する。暫定リストには10年以内に登録をめざす遺産が収載され、10年を経過したものは、記載内容の妥当性や見直しが求められる。日本の場合の担当部署は、文化庁、環境省、林野庁で、関連省庁が協力し「世界遺産条約関係省庁連絡会議」を経て閣議了承されて決定される。

(3) 世界遺産条約締結国は暫定リストの中から準備が整ったもの(プレリミナリー・アセスメントを実施した遺産)を、各国の担当政府機関によって推薦する。推薦書には、資産の登録範囲と内容、それが顕著な普遍的価値 (OUV)を持つことの証明、脅威を与える要素などについてのモニタリングを含む保全関連の情報などが記載される。

(4) UNESCO世界遺産センターが推薦を受けた遺産について、諮問機関に事前調査を依頼する。原則として、自然遺産はIUCN、文化遺産はICOMOSが審査を担当する。

(5) これらの諮問機関は現地調査を行い、審査の結果を「登録」、「情報照会」、「登録延期」、「不登録」の中から勧告する。2016年以降は、審査の途中で中間報告が出されるようになり、登録を目指す遺跡の問題点の修正がしやすくなった。

(6) 世界遺産委員会で最終審議を行う登録の可否を決定する。委員は条約締結国の中から、地域のバランスを考慮して21名が選出され、任期は6年間(4年での自主的な辞任が慣例)。原則として年に1回の委員会で、新規の推薦の登録の可否、既登録遺産の保全状況の確認、危機遺産や世界遺産基金運用の検討などを行う。なお保全状態が維持に関する研修・能力開発・助言は、主としてUNESCO諮問機関のICCROMが担当している。

(7) OUVについては問題ないものの、保全計画など問題がある場合は「情報照会」となり、追加の書類提出により翌年に再審査を受けられる。OUVについて疑義がある場合は「登録延期」となり、整備した上であらためて推薦を行う。「不登録」に決定した場合は、原則としてまったく同じ内容で再び推薦することはできない。

(8) 登録された遺産は、世界遺産としての価値が維持され適切な保全が行われていることを6年ごとに報告する義務がある。登録後に、名称の変更や登録範囲の拡大・縮小が行われる場合があるが、OUVが明確に失われた場合は「登録抹消」になる。

(9) 世界遺産に登録された遺産の特性そのものを脅かす状況が発生した場合には、世界遺産委員会は、これを危機遺産リスト入りとし、国際社会に周知し、是正措置を促す。原因としては、武力紛争や戦争、地震などの自然災害、汚染、密猟、無秩序な都市化、そして無計画な観光開発などがあげられる。


実務的には、世界遺産に登録したい場合は、9月15日までに事前評価申請書を世界遺産センター事務局に提出することから始まります。申請書に問題が無ければ、センターは1か月後に諮問機関に評価依頼を行います。

諮問機関は締結国と協議しながら事前評価を行いますが、その期間は1年間で翌年の10月1日に報告書がセンターに提出されます。これは締結国にも届き、これをもとに推薦書を提出することになりますが、それは1年3か月後の2月1日までとなっています。

推薦書が提出されると、1か月後の3月1日までに再び諮問機関に現地調査を含む専門調査が依頼され、翌年1月末までに中間報告が行われます。ここで補足情報や修正が求められた場合は、締結国は2月末までに対応しないといけません。

世界遺産委員会は通常6月~7月に行われていますが、その6週間前までに諮問機関は審査結果と「登録」かそれ以外かの提言を委員会に提出します。委員会での審議を経て晴れて世界遺産登録となるのですが、事前評価申請から登録までは何と最短で4年弱の期間を要することになります。登録決定の報を知らされると、待ちに待った関係者が大喜びするのも仕方がないのかもしれません。


参考

日本の暫定遺産リスト
 古都鎌倉の寺院・寺社など(平成4年~)
 彦根城(平成4年~)
 平泉 - 仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群(拡張) (平成24年~)

過去に登録抹消になった遺産
 オマーン アラビアオリックスの保護区 新たに地域開発による
 ドイツ ドレスデン・エルベ渓谷 景観を損ねる橋の建設による
 イギリス 海商都市リヴァプール 街の再開発による

2026年10月12日月曜日

世界遺産ノート1 歴史

エジプト アブ・シンベル神殿

世界遺産が認知・制度化された過程をまとめます(赤字:最重要、青字:重要)。

1872年 イエローストーン国立公園指定
アメリカで世界初の国立公園が指定された。開拓から資源開発と工業化に進み始めたアメリカで、自然保護の必要性が高まったため。

1899年 ハーグ陸戦条約
非軍事目的の文化遺産への攻撃の禁止

1931年 アテネ憲章
歴史的記念建造物に関する建築家・技術者国際会議において、保存・修復のための基本的な考え方をまとめたもの。過去の歴史性・芸術性を尊重し、当初の部材を出来るだけ使うが、近代的な技術・材料の併用は認めるとしている。

1935年 ワシントン条約 (レーリッヒ条約)
戦時下においても重要な文化財を保護すべきとし、文化財を擁する都市は非武装化した「無防備都市」宣言を行った。

1946年 UNESCO設立
国際連合教育科学文化機関。教育・科学・文化などを通じて諸国民の連帯を促進し、世界の平和と福祉に貢献することを目的としている。本部はパリに置かれ、当初は毎年だったが、1954年以後は2年に一度の総会を開き、予算と事業計画の承認、任期4年の事務局長の選出、執行委員会委員の選出、国際条約や韓国の審議・採択、新規加盟国の承認などを決定している。

1948年 IUCN設立
国際自然保護連合。世界最大の自然保護ネットワークで、自然保護のための提言をし、絶滅危惧のある野生生物のリスト(Red List)を策定している。世界遺産条約などへの科学的な助言も行っている。

1954年 ハーグ条約
UNESCOが採択した武力紛争の際の文化財の保護に関する条約。自国のみならず他国の文化財を保護し、軍事的に標的としないと定めた。

1956年 ICCROM設立
UNESCOの採択によって設立された「第2次世界大戦後の動産・不動産を含む文化財の保存や修復に関する調査研究」のための国際政府間組織。

1959年 UNESCO ヌビアの遺跡群救済キャンペーン
ナイル川流域のアスワン・ハイ・ダ開発から、アブ・シンベル神殿などの水没を防ぐために、分解・移築したもので、工事は1964年から1968年にかけて行われた。その他のすべての遺跡の移築は1980年に終了した。

1964年 ヴェネツィア憲章
第2回歴史的記念建造物に関する建築家・技術者国際会議において、記念建造物は人類共通の価値を持った財産であるとした。できるだけオリジナルを再現すべきであるが、伝統的な技法が不適切と判断された場合は近代的な技術・材料を用いても良い。

1965年 ICOMOS設立
国際記念物遺跡会議。UNESCOの公式諮問機関であるNGO(非政府機関)で、世界文化遺産の候補地を現地調査し、価値評価や登録の可否を世界遺産委員会に勧告している。

1965年 世界遺産トラスト構想
ワシントンで行われた「自然遺産の保全と開発に関する委員会」で、文化遺産と自然遺産の両方を保護する提言がなされた。

1966年 UNESCO ヴェネツィア救済キャンペーン (水没危機)

1968年 UNESCO ボロブドゥールの仏教寺院群救済キャンペーン

1968年 公的または私的の工事によって危機にさらされる文化財の保存に関する勧告
UNESCOが採択した、歴史的・芸術的な重要性に応じて、文化的・経済的な変化と調和を図りながら文化財を保護・公開することを定めた。

1970年 文化財の不法な輸入、輸出及び所有権譲渡の禁止、並びに防止の手段に関する条約
UNESCOが採択した文化財の密貿易を禁止するもの。

1971年 国連人間環境会議
アメリカから自然保護を中心とした世界遺産トラスト案、UNESCOから文化遺産を中心とした国際的保護条約案が出され、両者を合わせて検討することになった。

1971年 ラムサール条約
特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約。湿地の生態系・生物多様性を保護・調査・保全することが定められた。

1972年 世界遺産条約
UNESCO総会においてUNESCO案とアメリカ案を一つにまとめた「世界の文化遺産及び自然遺産に関する条約 (通称、世界遺産条約)」が採択された。

1973年 ワシントン条約
絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約。

1994年 奈良文書
真正性に関する奈良会議で、オリジナル重視の真正性の考え方に柔軟性・多様性を加えたもの。伊勢神宮の遷宮の例のように、建て替えが頻繁に行われる日本では、欧米が主体的に作った真正性の枠組みが適用しにくい。文化遺産は、それぞれの国・地域において有形・無形の文化的背景・気候風土を考慮した真正性が求められるとした。

2001年 水中文化遺産の保護に関する条約
UNESCOで採択された、唯一の水中の文化財を対象としたもの。一部または全部が100年以上水中にあった文化遺産を対象として、発見された場所での保存を原則とした。

2003年 ニジニー・タギル憲章
国際産業遺産保存委員会で採択された、産業遺産を定義するもの。その産業に関わる全ての建造物などの他に、支えたインフラや、関わる人々の生活環境のすべてを含むとした。

2005年 ウィーン・メモランダム
「世界遺産と現代建築 - 歴史的都市景観の管理」国際会議でまとめられたもの。2003年のウィーンの再開発計画浮上により、歴史的都市景観を尊重し、できるだけその価値を維持することが重要とされた。再開発では現代建築が歴史的景観に溶け込み、全体の価値を高めることが求められた。

世界遺産は1972年の世界遺産条約の採択により成立し、1975年に発効、1978年に最初の12カ所の遺産が登録されました。日本は1992年に締結し、現在までに世界遺産保有数は27となっています。近年では、2020年にソマリア、2023年にツバル、2024年に196番目の加入国としてナウル共和国(現地語名:ナオエロ共和国)が新たに加わっています。

2026年の時点で、世界中に遺産の総数は1273(うち国境を超えるものは51)、遺産を保有する国は173となっています。文化遺産は991、自然遺産は240、複合遺産は42で、危機遺産リストには58件が選定されています。


参考

1978年の第2回世界遺産委員会で、初めて登録が決定した12の遺産は次の通り

エクアドル
  ガラパゴス諸島(自然遺産)
  キトの市街(文化遺産)
アメリカ合衆国
  イエローストーン国立公園(自然遺産)
  メサ・ヴェルデ国立公園(文化遺産)
カナダ
  ランス・オ・メドー国定史跡(文化遺産)
  ナハニ国立公園(自然遺産)
ポーランド
  クラクフ歴史地区(文化遺産)
  ヴィエリチカ・ボフニャ王立岩塩坑(文化遺産)
エチオピア
  シミエン国立公園(自然遺産)
  ラリベラの岩窟教会群(文化遺産)
ドイツ(当時は西ドイツ)
  アーヘン大聖堂(文化遺産)
セネガル
  ゴレ島(文化遺産)

2026年10月11日日曜日

自宅居酒屋 #98 小松菜ともやしの中華風


例によって簡単なレシピです。

中華系の味付けは大変好まれるのですが、どうしてもカロリーが高めになりやすく、背徳感も強まってしまいます。

そこで、いかにカロリーを少な目にして中華風の味わいにするか・・・って、そんなにたいそうなことをしているわけじゃない。

普通に野菜を茹でます。

小松菜ともやしは茹で過ぎるとへなへなで食感が悪くなるので、沸騰して数分くらいでざるに上げて水を切ります。流水で冷やしたら、軽く絞っておきます。

さて、味付けはというと、中華では間違いない組み合わせ。

豆板醤、オイスター・ソース、そしてニンニクです。分量はお好みですが、オイスター・ソースは少な目の方が野菜の味ほ感じやすい。

ここで、ごま油を混ぜると中華感が強まるのですが、グッとこらえて煎りゴマをパラパラと入れて代用しましょう。

あとは全部を混ぜ合わせるだけ。中華風でカロリーオフという大満足な一品になります。

2026年10月10日土曜日

自宅居酒屋 #97 長芋の梅和え


長芋はそのまましゃきしゃきした食感を残して食べるのが嬉しい。

たいしてやることは多くないのですけど、今回はちょっと時間がかかります。

ビニール袋を用意して、この中に麺つゆを適量、味の濃さは水を入れて調節。そしてこれに梅干しをこまかく潰して投入します。梅干しのかわりにチューブの梅肉でもOK。

あらかた皮をむいて、5mm程度の厚みで輪切りにした長芋を、この袋に入れるだけです。

簡単!! ですが、この後、味が浸み込むのに数時間待たないといけません。すぐ食べれないわけではありませんが、絶対に時間をおいた方が美味しいです。

いつもの彩オプションで大葉を散らせばOKです。

美味しいですよ~

2026年10月9日金曜日

土方歳三まんじゅう


知り合いから旅のお土産でいただきました。

その人はどこに行ったのか? というと・・・台湾です。

えっ、台湾??

台湾といえば、定番はパイナップルケーキやろ。そう思ったあなた、正解です。

ただ、そのお決まりパターンを打破すべく、違うものをリクエストしてみました。

台湾へのルートは、羽田から直通ではなく、一度函館にいって一泊するという。その方が、台湾で遊べる時間が多いからとかいう理由だそうで・・・

それならばと、函館みやげがいいかなということに。

函館と言えば五稜郭。五稜郭といえば土方歳三です。そういう呼び方のまんじゅうが必ずあるはず、ということで、探して買ってきてくれました。

わざわざご面倒をおかけし申し訳ありませんでした。これはこれで。有難く頂かせていただきます。

2026年10月8日木曜日

柿の木


10月になって、あちこちで柿がなっているのが目立つようになりました。

一般には、単に「柿 (かき)」と呼んでいますが、植物学的にはツツジ目カキノキ科カキノキ属の「カキノキ」で、日本・韓国・中国などの東アジアに固有のもの。

英語圏では「persimmon (パーシモン)」と呼ばれますが、甘い果実として区別する場合に「Japanese persimmon」と呼ぶ場合もあるようです。

街中でよく見かける柿は、ほとんどが「渋柿」で、タンニンがたくさん含まれて美味しくない。食用に流通する柿は「甘柿」と呼ばれ、別々に扱われます。

タンニンは水溶性なので、口に入ると溶けて渋みになるのですが、甘柿は熟するとタンニンが不溶性になって溶け出なくなります。糖度だけなら渋柿の方が高いそうです。

タンニンが不溶性になるのは、種子ができるとそこから出てくるアセトアルデヒドの影響です。甘柿でもなりたての頃は渋いということ。

科学的にも面白い、日本の秋を代表する果実の一つです。

2026年10月7日水曜日

自宅居酒屋 #96 えのき大根おろし和え


えのき茸は、ちょっと茹でるだけで簡単に使えて、いろいろな味付にも馴染みやすい。そもそも価格が安定していて、物価の優等生の食材です。

今回も、簡単です。

茹でたら、大根おろしと和えて、ポン酢とお好みで少量の七味をかけたら出来上がり。

わずかにこれだけ。

彩を考えて、大葉のみじん切りをのせましたが、オプションです。

簡単すぎて、これですべて。後は食べるだけ。

安い、早い、旨い、ヘルシー、間違いありません。

2026年10月6日火曜日

続・横浜市長選挙

 


横浜市長選挙には、さしあたって7人が立候補しました。顔があまりわからない前市長以外の人の写真を並べてみました。

一昨日のエントリーで、誤解を招きかねない表現をしてしまったので、その訂正も含めても再度候補者について書いておきたいと思います。

いわゆるIR問題についてですが、2019年に当時の林文子市長が山下ふ頭へのIR誘致を表明したことから始まり、2021年9月に新市長となった山中氏がIR誘致の撤回を宣言し、関連部署の「IR推進室」を廃止しています。今回の選挙に関連しては、横浜商工会議所は候補者にIR誘致を求めないことを表明しており、事実上この問題は決着したと考えてよいようです。

7人の候補者も、これまでにIR問題については明確に反対の立場を表明しているようですから、この件については考える必要はなさそうです。

となると、今回の選挙は・・・実は争点があまりはっきりしない。そりゃそうです。選挙をする理由が前市長がパワハラで辞職したからで、あくまでも個人の問題。ですから、普通に横浜市民として暮らしやすい市政を行ってくれるのは誰かということが判断基準になります。

政治に何を求めるのかというのは世代によっても異なりますから、一概に誰もが受け入れやすい候補者はいなくて当たり前です。ただ、国政でもそうなんですが、これからの日本、横浜市をどうするかは若い人たちの力が重要なことは間違いありません。

それなりに分別がある若者が政治に興味を持って、政治に参加し、そして政治を執り行うことは、絶対に不可欠なことだと思います。ですから、できるだけ若い候補者に頑張ってもらいたいという気持ちは引き続き持っていますし、応援していきたいと考えています。

立候補した方は以下の通り (写真左上からの順)
氏名、年齢、所属党派、前職・新人の別、政党推薦、現職業・肩書、最終学歴、現住所

藤川祥子(51)
 無新、市民団体代表、人材派遣会社員(公益社団法人マネージャー、地域政党職員)
 英サセックス大院、横浜市鶴見区岸谷

山中竹春(54)
 無前、前横浜市長(横浜市立大教授、国立がん研究センター部長)
 早大院、横浜市磯子区原町

中谷一馬(43)
 無新、元衆院議員、大学院特任教授、AI企業代表(県議、首相秘書)
 デジタルハリウッド大院、横浜市港北区綱島東

原沢敦美(59)
 無新、弁護士、予備自衛官(企業社外取締役、都入札監視委員、JAL航空整備士)
 早大法科大学院、東京都江東区

福山敦士(37)
 無新、参政推薦、スポーツ関連会社代表、人材会社代表、大学准教授
 慶大、横浜市中区石川町

山本理顕(81)
 無新、建築家、横浜国大名誉教授、神奈川大客員教授
 東京芸大院、横浜市神奈川区泉町

浅賀由香(46)
 共新、党県副委員長、党准中央委員
 筑波大、横浜市鶴見区

データはカナコロからは抜粋

2026年10月5日月曜日

世界遺産ノート はじめに

奈良 石舞台古墳

2026年7月に、UNESCOの世界遺産委員会にて「飛鳥・藤原の宮都とその関連資産群」が、日本で27件目の世界遺産として登録されることが決定しました。

このニュースは、各メディアが大々的に取り上げたので、大多数の日本の人々はすでに知っていることと思います。委員会の会議が始まって、登録が決定するのを今か今かと待っている関連地域の方々や、登録決定し喜ぶ様子がニュースでも紹介されました。

世界遺産に登録されると、地元には多くの観光客が国内外からやって来て、高い経済効果が期待されるわけですから、喜ぶのは当然と言えば当然の事と言えるでしょう。実際、世界遺産に登録された白川郷や富士山でも多くの観光客で賑わっている様子はニュースになっています。

ただ、ちょっと待てよ・・・という喜んでいるところに水を差すような、申し訳ないような違和感みたいなものを強く感じました。世界遺産というものが、「観光すべき場所」としての国際的なお墨付きのような扱われ方をされてはいないでしょうか。

実際、観光客が増えたことで、白川郷では民家に勝手に入り込む人や、ゴミ問題などが発生しているわけですし、富士山では山頂への人渋滞、安易な登頂による遭難者が増えたり、閉山期間に強引に登山を行う人の問題など、多くの悩みを抱え込むことになっています。

世界的な人類の遺産として未来にも確実に残すべきものとして登録されるわけですから、そこには文化的・自然的に継続されるべき厳重な管理が求められるわけで、単純に観光客が増えて喜んでいる場合ではありません。多くの人に遺産として知ってもらう必要性はありますが、観光客に対してある程度の制限が加わるような厳格なルール作りも併せて考えないといけないことを肝に銘じることも大事なことだと思います。

あらためて「世界遺産」というものはどういうものなのか整理してみましょう。

第2次世界大戦終結後に恒久的な政治的平和を維持するために国際連合が作られ、同時に主として教育・科学・文化などを通じて世界各国の連帯を促進させる目的で下部機関として設置されたのがフランスのパリに本部があるUNESCOです。1972年にUNESCO総会にて、特別な価値を持つ文化財や自然に対して国際的な保護体制を構築するために「世界遺産条約」が採択されました。

世界遺産に登録するためには、各国からの推薦を基に、文化遺産についてはICOMOS、自然遺産についてはIUCNが主として調査・評価に協力して年に1回の世界遺産委員会で協議されます。一度登録が否決された場合は、原則として同一内容での推薦はできないことになっています。

世界遺産の定義はどうなっているのでしょうか。

1. 顕著な普遍的価値を持つ
 国家・民族・宗教などの枠組みを問わず、人類全体にとって将来に渡っても共通の重要な文化的な意義や自然の価値があることを意味します。これを継続的に守るための制度設計も併せて求められます。
2. 文化遺産
 人類の歴史が生みだした記念物・建造物群・遺跡・文化的景観です。形状・意匠・素材。用途・機能などにおいて独自性や継承性がある「真正性」が求められます。
3. 自然遺産
 地球の生成や動植物の進化を示す地形・景観・生態系などです。
4. 複合遺産
 文化遺産と自然遺産の両方の価値を兼ね備えているものです。
5. 危機遺産
 登録遺産が、重大・明確な危険に晒され、人の関与により改善可能なものです。この場合は、世界遺産委員会が経済的・人的・物的な援助を行います。

登録されるためには以下の基準の1つ以上を満たす必要があります。

文化遺産の登録基準 (i)〜(vi) 
(i)  人間の創造的才能を表す傑作
(ii)  建築や科学技術などの発展に重要な影響を与えた価値観の交流
(iii)  文化的伝統や文明の存在を伝える無二の物証
(iv)  建築様式や科学技術の発展段階を示す優れた見本
(v)  人類と環境の交流を示す伝統的集落や土地利用
(vi)  出来事、宗教、芸術などと直接結びついたもの

自然遺産の登録基準 (vii)〜(x)
(vii)  優れた自然美や景観美
(viii)  地球の歴史の主要な段階を示す記録
(ix)  生態系や進化の重要な過程
(x)  生物多様性の保全にとって最も重要で絶滅危惧種の生息域

これらの基準が単独で採用されることはごくまれで、ほとんどがいくつかの基準を組み合わせて登録が決定しています。制度がスタートした初期には、ヨーロッパの宮殿や宗教施設に偏る傾向がみられたため、近年では世界中での不均衡を是正し、代表制・信用性を確保するグローバル・ストラテジーという概念が重視されています。

これらの世界遺産の「イロハ」をもう一度確認した上で、今後も日本からも世界遺産が登場するようなら大変喜ばしいことだと思います。

2026年10月4日日曜日

横浜市長選挙


え~、またやるんかい。

正直な感想ですが、これというのも前市長がパワハラで辞職したから。も~、何してくれてんの!! と、じわじわと怒りを覚えるんですが・・・

前市長は市長になる前は、横浜市立大学医学部教授です。と、言っても、医者じゃなくて、データサイエンスの専門家の理学博士で、それなりに立派な経歴の持主でした。

頭が良すぎて、能力は自分が一番で、周りの人は劣っていると考えていたんでしょうかね。最初に当選した時はIR問題が焦点になっていて、自分もIR反対の立場からこの人に一票を入れたので、実に残念な想いです。

今日、公示され、選挙運動が始まり、10月18日に投開票というスケジュールです。

今のところ6~7人が名乗りを挙げているようですが、少なくとも辞職したばかりの前市長が再び立候補するらしいのは、もう論外。黙って、四国で巡礼をして反省してなさいと言いたいところです。

今のところ、誰がどうという話はあまり伝わってきませんが、女性弁護士の方が一歩リードしているらしい。ただし、自民党が後ろ盾について、IR推進派も絡んでいそうなのが懸念材料です。

何にしても、できるだけ若い方にがんばってもらいたいと思っているので、一番若い37歳の方に注目したいとは思っています。

2026年10月3日土曜日

ほうとう


甲州名物の一つといえばこれ。

平安時代に中国から伝来した「餺飥(はくたく)」という食べ物が語源らしく、これが訛ったという説が有力です。

それはともかく、うどんと何が違うの? と初めは誰もが思うところですが、決定的な違いがある。うどんは塩が入りますが、ほうとうは小麦粉と水だけで塩を使いません。

塩を使って練るとグルテンがたくさんできてコシが出るんですが、塩を入れないともちもち感が強まり、煮込めば煮込むほど好きと言う人も少なくありません。

味はいろいろですが、一般ポピュラーなのはカボチャが入った味噌仕立てです。

だしは煮干し、いりこ、あごなどの魚が旨い。煮干しは取り出さずに、そのままに崩して残ってOKです。かぼちゃは最初からいれると全部煮崩れてしまうので、半分は残しておきます。

大根、ニンジン、ごぼう、きのこ、豚肉などに火が入ったら味噌を投入。唐辛子も入れて、ちょっとピリ辛が似合います。

ほとんとは生のまま煮ます。残りの一口大のカボチャも上に乗せて15分ほど煮ると出来上がり、長ネギを散らせば完成です。

あ~、美味しい。たくさん作って余ってしまっても大丈夫。翌日がさらに美味しいと言うのが嬉しいですね。

2026年10月2日金曜日

新顔スーパー


青葉区の荏子田、2階がクリニック・スペースになっている建物の1階にはスーパー・マーケットの丸正が入っていました。いました、と過去形なのは、2020年の2月に閉店してしまったから。

特に可も無し不可も無しという店でしたが、何かと帰りに寄りやすかったので、ずいぶんと利用したものです。しかし、その後は、ずーっと、ずーっと空き家状態で、どうなるのかなと気にしていたのは最初の1年くらい。

2年、3年とたつと、もはやどうでもよくなって、普段の買い物のパターンは別の店で出来上がてしまいました。

しかし、6年半たって、突然に新しいスーパーのテナントが開店したのにはびっくりした。

店の名は「スーパー生鮮館TAIGA」という。ちょっと聞いたことがない名前です。

調べてみると、地元横浜発祥らしい。戦後、泉区でアイスキャンディーの店を始めたのが始まりで、1992年に「アイスコ」という法人を作りスーパー事業を拡大中ということのようです。今のところ県央部中心で、荏子田は9店目で、最北ということになります。

でもって、行ってみたわけです。特に特徴的なことはなく、やはり可もなく不可もなくの店でした。ただし、総菜コーナーはかなり貧弱。駅からは離れた住宅地の真ん中ですから、基本的には出来合いで済まそうという客はターゲットにしていないのかもしれません。

まぁ、何かの時には店の選択肢が増えることは悪くは無いので、レギュラー入りはしませんが、補欠としてベンチにはいてもらうというところでしょうか。

2026年10月1日木曜日

電子カルテPC入れ替え


古典的な暦だと10月から冬ですが、現代の感覚ではいよいよ秋が深まるのが10月です。

今年も気象は異常な状態で、9月は連日雨。雨が降らなかった日が無いというのは、記憶にも記録にも残る「大事件」と言えます。

10月初日も台風接近で雨予報。しかし、超「秋の長雨」はそろそろ終わって、ここからはやっと秋晴れが拝めそうです・・・よね、気象予報士の皆さん。

こんな天気が続くので、葉物野菜を中心に野菜の値段が高い。

サラダの主力になる、レタス、キャベツをふんだんに使いにくい、一時は高騰していたキュウリは、少し落ち着いてきた感じがします。こういう時、やはり価格の優等生と言われるのが、もやしときのこです。

なんて話はともかく、今日の話題は電子カルテです。

うちのクリニックは開院以来、電子カルテを使用しているのですが、最初の使用するパソコンはWindows XPだったのが歴史を感じます。数年後にいろいろ不都合が出てきたので、一式全部を入り替えたのがWindows7でした。

また数年して、入れ替えることになり次はWindows10で、これは長めに使っていたのですが、6月に一台が物理的に壊れてしまいました。急遽予備機を代替えにしてしのいでいたのですが、こうなると他のPCもいつトラブルが起きても不思議はない。

電子カルテのベンダーと相談をして、いよいよ9月なかばに入れ替えを行いました。今回はWindows11です。診察室のPCをサーバー兼用として、受付に2台、リハビリ室に1台という構成で、当然院内だけのクローズなLAN環境での使用が前提です。

ただし、昨今のハッキング事例の急増により、国からもOSは最新のものを使用し、厳格なセキュリティ・ソフトを併用するようにとのお達しがあるとのことで、それに沿った仕組みが導入されました。

最近はPCパーツが高騰していて、ベンダーが推奨するハードをそのまま用意すると目の玉が飛び出しそうな値段でした。予備機はあきらめて、サーバー以外は自分で手配することにして、何とか想定予算内に収めました。

そのかわりと言っては何ですが、とにかく電子カルテが使えなくなったらクリニックは回らないので、ベンダーが用意するバックアップ以外は、自分で管理するしかない。予備機がないので、まずはサーバー機のクローンを作成しました。

以前なら無料ソフトでも簡単だったんですが、最近は無料はほぼ皆無。有料でも、Windows11のセキュリティのハードルがかなり上がっていて、いろいろ細かい設定を理解しないと難しい。さらにセキュリティ対策で導入されたソフトがとびきり頑固者で、いろいろな操作を拒否しまくるので、シルバーウィークはほとんど、これらの試行錯誤で終わりました。

また、別の大きな問題もあって、レントゲン画像の閲覧問題です。画像サーバーはいまだにWindows7で動いていて、電子カルテのPCをクライアントにして診察室にデータを転送していました。ところが、入れ替えとなると、クライアント・ソフトをメーカーに入れなおしてもらうしかありません。

ところが、Windows11は対応できないの一点張りで、インストールは頑なに拒否されました。電子カルテと画像ビューアを別々のパソコンでコントロールするのはかなり面倒なことなので、いろいろ考えた挙句、新しいPCから旧PCにリモートで入って画面を出すことにしました。最初だけはいくつかのステップが増えましたが、何とか同じキーボード、マウスで操作できる状況を再現できたので、当面はこれでよしとします。

あとは、安全策として自分でも電子カルテや画像のデータのバックアップを作っておくことで、二重、三重の安心をえるようなシステム構成として、3週間ほどたってやっと日常的な作業として定着できるものになりました。

世の中、電子化が進んでいますが、それに伴いデータの漏洩の問題は、アナログな盗難よりも簡単になってしまったように思います。閉鎖的なクローズなLANだからと安心していられないので、今後も注意を払うようにしなければならないと改めて肝に銘じた次第です。

2026年9月30日水曜日

Rolling Thunder Revue, the 1976 Live Recordings (2026)


さて、6月から聴き込んできたボブ・ディランは、昨日の「Bootleg Series」のまとめで、公式に発売されているものについては、おそらくほぼすべての音源を整理できました。よくもまあ頑張ったものだと、自分でも感心して「ディラン・マラソン」を終了するつもりだったのですが、ここに来てビッグ・ニュースが舞い込んできました。

ディランを制覇した気になっていたのを諫めるつもりなのか、レコード会社は強力な爆弾を投下して来たんです。このディランを追い続けたというのも、自分が最も力を入れていた、ある意味このエピソードを紹介したいがために始めたと言っても過言でないのが「Rolling Thunder Revue」ツアーです。

1975年の11月~12月の第1期と、翌1976年4月~5月の第2期に分かれているわけですが、詳細は過去の記事を参照していただくことにして、ここでは繰り返しません。このツアーがアメリカ音楽史上、かなり重要な位置を占めていることは衆目の一致するところです。公式音源がまったくなかった第1期については、2002年に「Bootleg Series Vol.5」でいくつかの公演からベスト・トラックとされる物が公開され、さらに2019年に14枚組CDボックスでほぼ全容が発売されました。

一方、第2期については、リアルタイムに発売されたライブ盤「Hard Rain」の9曲のみしか聴くことができなかったのです。ステージでの様々な問題や人間関係のもつれもあって内部的にはかなり荒れたツアーだったと言われていますが、いくつかの海賊盤などを聴く限り、その爆発的なエネルギーはディラン史上トップクラスでした。

自分も第2期については、つい2か月ほど前には、公式音源は登場しないとあきらめていたわけですが、なんと11月6日にこの第2期のライブの集大成ボックスが発売されることが明らかになりました。それも、録音されていたすべてのステージ、全27公演分がCD39枚組に含まれると言うから驚きしかありません。

ただし、第2期のソルトレイクシティでの最終公演だけは含まれません。これはその前で、本来はツアーは終了する予定で、録音機材などは片付けられてしまったのです。興行収入的に急遽追加の公演をすることになったため、機材調達が間に合わなかったと言われています。海賊盤としてもまったく音源は見つかっていません。

内容的には、アルバム「Hard Rain」に準ずるものですから、通常の音楽ファンには目新しいことはないかもしれません。ただ、ロックしているディランの熱量は過去・未来でも一番で、その凄まじいパワーは凄いとしか言いようがない。好きなアーティストのライブなら、何度でも行きたくなるのと同じで、同じようなセットリストでも十分に楽しむことができるはずです。

1976年の音源を2026年に発売するというのは、勘の良い方は気がつくと思いますが、実は著作権の問題が大きく絡んでいます。アメリカの著作権の仕組みでは、75年間または著作者死後50年間は著作物は保護されますが、国際的な取り決めでは最低50年間とされています。つまり今年のうちに出しておかないと、これらの音源を著作権切れ扱いとする国があるかもしれないということになります。

今回のボックスの発売が意味することは、1976年以後のツアーの音源も50年経過する前に発売される可能性があるということです。さしあたって、1978年の日本を含む世界ツアーが次の候補になるかもしれません。他にもほとんど音源が登場していない注目すべきライブはたくさんあるので、ぎりぎり50年待たずともどんどん発売してもらいたいものです。

今後も、また新しい話題があれば、その都度単発のエントリーで紹介し続けたいと思います。