2013年6月20日木曜日

踊る大捜査線 THE MOVIE4 (2012)

踊るシリーズの最後を飾る劇場版第4弾。昨年公開され、興行収入は約60億円。同時期公開の「海猿 Brave Hearts」の73億円には及ばなかったものの、マニア以外には長年続いてやや飽きが来ていることを考えるとがんばりました。

最終作ということもあって、ストーリー的には一定の終結が見られる・・・かと思いきや、多少含みをもたせた感がのこりました。将来的な復活、またはサイドストーリー(最近はスピンオフというのは踊るからはじまった?)の展開は可能になっているのかも。

終結したのは、今まで青島=室井を翻弄してきた自己保身だけの警察トップが辞任に追い込まれた事くらいでしょうか。

今回のストーリー上で、一番ポイントの高い鳥飼(小栗旬)の行動は違法性が高いのにそのまま野放しで、この鳥飼の今後の行動は気になります。

青島と室井の関係はあいかわらずで、もちろん展開的には今後もどうにでもできるわけですが、お互い「正しいと思える事をやれるようにする」ことについては、さすがにマンネリ感は否めません。

青島とすみれの関係も、一応すみれが青島を選択した形をとっているものの、わかりやすい言葉はなく、このあたりも含みを残しているのかもしれません。

全体的には、最後だからという事での作り手の遊びの集大成という趣があって、マニアは喜ぶいろいろな仕掛けが、見える形でも見えない形でも満載の作品。ところが、当然このあたりがしつこすぎて、こっちが映画のメイン・テーマかのよう。

特にスリー・アミーゴスは象徴的なキャラですが、警察内部にあっての存在感。退職扱いで同じパワーは無理がありすぎで、しかもその描き方がしつこすぎ。映画直前のテレビスペシャルでの、中国からの研修生のはしゃぎすぎは少し減っていて助かった。

最大の謎は、一個人としてのすみれがテレビのニュースだけで、どうやって青島のピンチの場所がわかったか。そして、バスをどうやって持ち出したのか(強奪?)というところですが、まぁ最後ならこういうお気楽なシチュエーションもしょうがないかというところ。

とはいえ、全シリーズとしては、いろいろな新しい刑事ドラマのあり方を見せてくれ、いろいろな影響を与えたシリーズであることは間違いありません。

☆☆☆★★