クリニックの夏季臨時休診のお知らせ
8月11日(木) 山の日 通常の祝日で休診です。
8月12日(金)~8月17日(水) 臨時休診します。
8月18日(木)より、通常通りの診療をいたします。18日は木曜日なので、午前のみの受付になりますのでご注意ください。

2013年6月8日土曜日

夢売るふたり (2012)

監督・原案・脚本、西川美和。主演、阿部サダヲ、松たか子。松たか子は、日本アカデミー賞、ヨコハマ映画祭の主演女優賞を受賞。

居酒屋を営む夫婦が、火事で店を失う。ふとしたことから、失意の亭主(阿部)は浮気をして大金を得る。妻(松)は、浮気に対して怒りながらも、亭主を使っていろいろな寂しさを持つ女性に結婚詐欺をしかけることを思いつく。

順調に店を再開する資金を貯めていく二人だったが、夫婦の間には微妙な溝が広がっていく。そして、騙した被害者が探偵を雇い、悪事は露見。当然、ハッピーエンドにはならない。

ストーリーだけを追いかけると、シリアスで救いが無い映画になってしまうが、「悪人」になりきれない主演の二人 - 普通っぽい阿部と美人過ぎない松の明るいキャラが随所でバランスをうまく取っている映画です。

しかし、しだいに夫を女のもとへ送り出すことへの嫉妬なのか、妻の心境は変化していき、店再開のためという当初の共同の目的は質的に変化をしていくのです。後半の松の演技は、評判となった「告白」(2010) と一部ダブルようなところがあります。

全体の撮影も、あえて遠くから捉えたショットが多く、主人公たちを客観的に描く事を狙っているのでしょうか。観ている側が感情移入しすぎると、最終的な破滅が重くなりすぎる事を避けているのかもしれません。

また、結婚詐欺自体は明らかに犯罪ですから、主人公に同情しすぎないようにする効果にもつながっている。監督の西川は女性ですから、亭主の描写よりも、時間は少ないのですが合間に出てくる妻の嫉妬・寂しさに力点があり、その心境の変化の描き方はうまい。

★★★★☆