その昔イタトマという言葉・・・ずいぶんと人気で、「今日はイタトマでデート」みたいな使い方で、80年代若者文化の象徴の一つでした。
自分はどうも最先端にうとくて、その意味を知ったときはすでに流行は収束し始めた頃。同じくイタメシというのも、あまりよく知らずに定着してからだいぶたってから意味が分かったりしたものです。
80年代は、日本の高度経済成長期が終わって、表面的には円熟期。実はバブルで、はじけるまでのカウントダウンが開始された頃。
食の文化もずいぶんと派手になり、まさに飽食の時代に突入したわけです。それまでのイタリア料理というと、スパゲッティくらい。しかも、ミートソース、ナポリタン、イタリアンと呼ばれる三種類くらいでした。
イタリア料理がいろいろと紹介され、どんどん身近なものになってくると、イタリア料理用のスパイスというのが注目されるようになり、その中心となるのがバシリコという植物の葉っぱ。通常はバジルという呼び名で多用されています。
しそ科の植物で、日本では冬は栽培が困難なハーブのひとつ。どんな料理でも、バジルを入れてしまえば何となくイタリアンと称しても通るような感じがするくらい、もうイタメシには必須の素材。
たいてい葉っぱしか使わないので、あまり気にしていなかったのですが、庭に植えて必要に応じて使っていたバジリコの花が咲きました。小さくて、質素な目立たない花です。