2026年1月3日土曜日

ALWAYS 三丁目の夕日 (2005)

シリーズ化され全3作品ありますが、これはその第1作。実は過去にまとめてレヴューしたことがある。それ以来見ていなかったのですが、正月に見るのにふさわしい映画を探していて、もう一度見てみようと思いました。

原作は西岸良平のマンガ「三丁目の夕日」で、これを「ゴジラ -1.0」で世界的に高い評価を得た山崎貴が監督し、山崎にとっても出世作となりました。脚本は山崎と古沢良太が共同に担当しています。

昭和33年、敗戦の混乱から回復しつつあった高度経済成長に入った日本、その中で下町の人情が色濃く残る夕日町三丁目が舞台。すぐ近くには半分くらいまで建設途中の東京タワーがあり、復興のシンボルとして人々は大きな期待をしていました。

東北から集団就職で上京してきた星野六子(堀北真希)は、鈴木オート社長の鈴木則文(堤真一)に迎えられます。しかし、大企業だとばかり思いこんでいた鈴木オートは、町のしがない自動車修理工場でした。それでも、則文の妻であるトモエ(薬師丸ひろ子)、一人息子の一平(小清水一揮)らの温かさに、少しずつ仕事を覚えていくのでした。

鈴木オートの向かいは、茶川駄菓子店という駄菓子屋で、店主は小説家の茶川竜之介(吉岡秀隆)。彼は、少年誌への冒険物を書いて何とか生活できているものの、いつか芥川賞を取ることを夢見ていました。石崎ヒロミ(小雪)は、劇場の踊り子から足を洗ってこの町にやってきます。ヒロミが始めた小料理屋「やまふじ」は、町の男たちが通うようになります。

ある日、劇場の支配人が男の子を連れてヒロミを訪ねてきて、踊り子がこどもを残していなくなってしまったのでしばらく預かってくれと置いて行ってしまいます。ヒロミも困り、茶川に古行淳之介(須賀健太)という名の男の子を押し付けるのでした。しだいに茶川は様子を見に来るヒロミに恋するようになり、淳之介も二人になついていくのです。

ところが、慇懃無礼な会社社長の川渕康成(小日向文世)が現れ、淳之介は妾が産んだ私の子だから引き取ると言い出します。淳之介は川渕の申し出を拒否し、茶川と暮らすことを選ぶのでした。茶川はヒロミにプロポーズし、ヒロミも了承してくれましたが、ヒロミは父親の借金のせいで店をたたんで踊り子に戻るため、黙って消えてしまうのでした。

まさに昭和33年の日本を再現するために、監督得意のVFXが大活躍しています。そこに、精密に再現されたミニチュアがシームレスに組み込まれ、そしてまさに当時を彷彿とさせるセットが織りなす光景は、自分たち昭和おやじの記憶の片隅をむんずと掴んで放しません。

夕日町三丁目というのは、東京タワーの位置などからして今の東京都港区の芝地区、いわゆる愛宕町のあたりが想定されているようです。寺社が多い地域で、山手線の内側では最も下町の雰囲気を残していた場所です。

原作からは雰囲気を取り出して、実質的にはこの年代を少年として実体験したプロデューサーの阿部秀司の思いが色濃く反映されたストーリーです。綺麗ごとばかりが描かれているとの批判も一部にありましたが、再現しているのはこども目線の世界であり、当時の人々の「明日はもっと良くなる」と願う心が描かれているのです。

おせっかいなタバコ屋にもたいまさこ、空襲で家族を失った医師に三浦友和、商店街の仲間にマギー、温水洋一、木村祐一、ピエール瀧、お巡りさんに飯田基祐、他にも奥貫恵、石丸謙二郎など、たくさんの実力派俳優が脇を固めています。