2021年12月23日木曜日

オブリビオン (2013)

トム・クルーズ主演のSF映画で、なかなか設定が複雑で理解しにくいところもあり、評価は割れた感じ。「トロン・レガシー(2010)」で監督デヴューしたジョセフ・コシンスキーの2作目の監督作品。

最初にトム・クルーズ演じるジャック・ハーパーのナレーションで、現在の状況を説明してくれます。 半世紀ほど前にエイリアンの襲来と戦いにより、地球は人が住めない惑星になってしまい、生き残った人類の大半は土星の惑星タイタンに移住しました。地球の上空には、テトと呼ばれる巨大な四角錐の前哨基地が浮かんでいました。

2077年3月14日、5年前に強制的に記憶を消去されたジャックは、パートナーのビクトリア(アンドレア・ライズボロー)と共に、エイリアンの残党を監視する任務についていました。任期終了まであと2週間、海岸で海水を汲み上げエネルギーに変換し、タイタンに送るためのハイドロリグを守る必要がありました。

ある日ハイドロリグが爆発し、出動したジャックは謎の宇宙船の墜落に遭遇し、睡眠カプセルに入っていたジュリア・ルサコーヴァ(オルガ・キュリレンコ)を救出します。記録から、戦争の直前からカプセルに入っていたらしい。ジュリアは宇宙船の航行記録装置が必要だと言いジャックは墜落現場に戻りますが、そこでエイリアンに拉致されました。

エイリアンと思っていたのはスーツを脱ぐと人間であり、リーダーのマルコム・ビーチ(モーガン・フリーマン)は、自分たちは人類の生き残りであり、タイタンに移民者がいないこと、テトこそが人類の敵だと語り、自分の目で確かめろと釈放されました。半信半疑のジャックは、実はジュリアは妻であることを思い出します。

自分たちの基地に戻りますが、ビクトリアはジャックの様子からテトにジャックは任務を遂行できなくなったと報告すると、ドローンが出現しビクトリアを抹殺しますが、ジュリアの助けでジャックは脱出できました。二人はマルコム・ビーチのもとに戻り、テトの破壊に協力します。自動でテトに爆弾を運ぶ手段がないジャックは、自らの手で運ぶ決意をするのでした。

映画を見ないでこのあらすじだけ読むと、なんのこっちゃという感想になると思いますが、タイトルの「oblibion (忘却)」がヒントになっている・・・というより、そこから見ている者を混乱に陥らせるスタートになっています。この辺りは若干フェアじゃない感じもしますが・・・

主人公ジャックは、以前から謎の女性と一緒に過ごす「エイリアンとの戦争前の夢」をしばしば見ていて、「強制記憶消去から5年」というナレーションによって、記憶消去以前の「忘却」していた時代の謎を提示しています。

また。ジュリアが50年以上前のジャックの妻であるところで、いったいどういうこと? となるんですが、そこから出てくる答えはおのずとあれしかない。その直後に、実際ジャックの正体が直接的に描かれるのですが、この映画の面白いのは、それより敵味方の逆転設定のところ。

スタートはスタイリッシュな未来的なヴィジュアルをゆったりと眺める感じですが、ジュリアの登場あたりからテンポが速くなり、次々に謎が解明されエンディングに持っていくていくところはうまい構成です。

最後の最後、すべてが終わった後のオチがあるんですが、本当にこれでいいの? という感じは否定できない。ちょっと釈然としないところなんですが、愛があれば許せちゃうというところなのかなぁ・・・

女性陣は、現在の事実上の夫婦であるビクトリアは、金髪でちょっと下ぶくれ顔。元々の妻でありジュリアは、黒髪でややエキゾチックな雰囲気。演じたオルガ・キュリレンコはウクライナ出身の女優さんで、「007/慰めの報酬」のボンド・ガールでした。