2007年7月22日日曜日

医師会の仕事

医師会というと、普通の方は何を想像するのでしょうか。自分くらいの年より上だと、昭和の大人物武見太郎日本医師会長を思い出すのではないでしょうか。いい意味でも、悪い意味でも医師会という組織を作り上げた人物です。政治色を濃く出し、圧力団体としての価値を高めたことは組織の中では高く評価されます。しかし、一般には医師の傲慢さの象徴となってしまったのは否めません。
自分が開業するときには、医師会に入るかどうかについてはあまり悩みませんでした。これはに父が内科開業医として医師会の仕事を随分とやっていたので、普通のことのように思えていたからでしょう。むしろ、入れてもらえるかの方が心配でした。実際は、さほど心配なことはなく入会しましたが、新規開業医に対する排他的な雰囲気は実体験させてもらえました。確かに個人事業所である開業医は、直接のライバルが増えることに対して警戒感を持つことは当たり前のことです。しかし、一度入会すれば、今度は組合ですから、個人でできないことを協力してやっていくことも当たり前。
現在のように内容はほとんど吟味されずに、現場の声を聞かず、医療費を減らすことだけにやっきになっている政治がまかり通っている時代ですから、弱小開業医は一致団結することが重要です。正直云って勤務医と開業医の両方を経験して、勤務医は本当に楽だったと思います。最近は、勤務医の「激務」という話題がよく出ますが、一部の科に実際存在することは認めますが、大多数の科にとっては、医師の「サラリーマン」化が進んだ現われではないかと思います。数年前の研修医制度改革により、今後更に進むことは間違いなく、日本の医療の根底が崩れる危険を感じます。ここまで医療費が抑制され診療報酬がどんどん下がれば医療のモチベーションは下がり、サラリーマン化に拍車をかけてしまうでしょう。程度の問題はあるにしても、医療の成果が出ないとすぐ医療ミスとして訴えられ罪人となるなら、若い医者はどうやって育てはいいのでしょうか。とにかく医療をめぐる問題はあまりに多く、出口の見えない迷路のなかにあることは間違いのないところです。
話が重い方へそれてしまいましたが、自分のクリニックのあるセンター南医療ヴィレッジには5人の医師がいるわけですが、このたび自分も医師会の仕事にたずさわることになり、5人中3人が理事会に出席という状況になりました。一番古い開業の先生でも2年ちょっとですから、これはけっこう異例のことではないでしょうか。自分は偶然ですから大きなことはいえませんが、都筑区の医療の中心になっていけるように努力しないといけないと思います。