最近のニュースで、ひときわ多くの人がとまどって反応したのがこれ。
会社で同僚女性社員に対して「ちゃん」付けで名前を呼んだことが、裁判でいわゆるセクシャル・ハラスメントと認定され、罰金か科せられたというもの。
ちゃん付けがセンセーショナルだったため、やや誤解されている傾向はありますが、この裁判の被告人はその他にも、確かに「それってセクハラだろう」と思うようなこともしていたので、それらを含めての判決のようです。
しかし、判決の中で「ちゃん」はこども大して使う言葉であり、大人が使う必要はないと断じたところは、なかなか議論を呼ぶことは避けられません。
自分のクリニックでは、患者さんがいる場面ではスタッフを「~さん」と呼んでいますが、確かに状況によって「~ちゃん」という呼び方もしている。スタッフの確認してみると、それが嫌だと思ってはいないとのことですが、今後は慎重にならざるをえない。
大人に「~ちゃん」は、一般的に親愛の気持ちを込めて使うわけですが、確かにそこには上下関係が含まれていて、相手を下に見ているところが無いとは言い切れません。こども専用の呼び方というのは言い過ぎのような思いますが、友だち同士はともかく職場では安易に使うことは控えるべきなのかもしれません。
だったら、相手にちゃん付けしてよいか確認すれば良いという意見もでるかもしれませんが、それを不快に思っている人は、嫌だとはなかなか言いにくいものです。
いずれにせよ、本来人間関係の中で決まる事柄だとは思うので、裁判で判例が出て強制的に制度化されるようなものではないはずですが、それをしないといけない社会というのが寂しい感じがします。