2025年10月30日木曜日

おいしい給食 (2019~)


自分が給食を経験したのは、小学校の6年間。中学からは学校に食堂設備はありましたが、業者がまったく決まらず、ひたすら近くのパン屋で調達していました。まぁ、おかけでカップヌードル登場にも立ち会えたわけですが。

給食はと言うと・・・記憶にあるのは、不動のレギュラーだった脱脂粉乳と固い耳の厚切り食パン2枚。お世辞にも美味しいとはとても言えない。あとは平皿におかずが一品という組み合わせで、特に記憶に残るような美味は感じたことがなかったと思います。

牛乳や、米飯が登場するのはもっと後のことで、ニュースなどで聞いた時はとても羨ましい気持ちになったことを覚えています。クラスの皆と食べるとという時間的・空間的な共有が楽しかったとは思いますが、今となっては特別な思い入れはありません。

そう思うと、甘利田先生の給食愛のすさまじさは、とても理解しきれないところはあるんですが、甘利田先生が過ごした1980年代の給食メニューの献立は、自分が経験した給食とは異次元の物のような内容で、これなら楽しいだけでなく美味しいと思うのも当然かもしれません。

・・・甘利田先生? それ誰? と思った方、今ならまだ間に合います。すぐさまTVerをチェックしてください。今ならテレビで放送された「おいしい給食」の3 seasonのすべてを楽しむことができます。

2012年に始まった「孤独のグルメ」以後、テレビでドラマ仕立てで美味しい料理を紹介する番組がたくさん作られています。しかし、そのほとんどは料理の紹介に注力するあまりドラマとしての面白さは低いと言わざるをえません。唯一評価できたのは、高畑充希主演の「忘却のサチコ」で、主人公の成長をしっかり組み込んだことで見応えがありました。

さて、「おいしい給食」は、そのものズバリ、給食に特化した学園グルメ・ドラマです。母親の作る料理がまず過ぎて、こどもの時から給食がうれしくてしょうがなかった極度の給食愛好者である甘利田先生が、おなじく給食をさらに美味しく食べるためにあの手この手を繰り出してくる生徒の一人と毎回バトルを繰り広げるというもの。

学園物としての先生と生徒のつながりも描かれ、マドンナとなる女性教師とのドラマもあり、そして甘利田に敵対する人物も登場して、ドラマとしての面白さが十二分に盛り込まれています。給食という、誰もが経験して情報を共有できる素材に着目したというのが素晴らしい。

そして、何よりも主演の甘利田を演じる市原隼人の吹っ切れた演技が凄すぎる。市原と言えば、通常寡黙で強面という役が多いので、コメディとは対極にいる俳優というイメージですが、ここでは手足をキレキレに振り上げて踊りながら校歌を熱唱し、給食を褒めたたえて食べ切り、そして生徒の挑戦に目を丸くして敗北感を感じると床に倒れ込んでしまうのです。

しかし、それ以外の場面ではいつもの市原に戻るので、そのギャップに拍手を送るしかありません。役作りについては、かなり本人のオリジナルによるところが大きいらしく、甘利田という役に対する本気度が伝わって来るようです。

Season 1 (2019)では、常節市立常節中学校が舞台。産休の代替教員として赴任した御園ひとみ(武田玲奈)が副担任となり、甘利田と給食マニアの神野ゴウ(佐藤大志)とのさらに美味しく食べるための戦いが描かれます。

劇場版 おいしい給食 Final Battle (2020)
神野がより美味しい給食のたに生徒会長選挙に立候補します。給食を廃止したい教育委員会の鏑木(直江喜一)と対立した甘利田は、給食が続く学校への配置換えされることになります。

Season 2 (2021)では、転勤先の黍名子市立黍名子中学校に神野ゴウが転校してきて、再び給食を巡るバトルが再開します。学年主任の宗方早苗(土村芳)は、給食を愛しすぎる甘利田を不審に思い、鏑木の依頼で甘利田の様子を伝えるのでした。

劇場版 おいしい給食 卒業 (2022)
鏑木の作戦で、健康のためという理由で、給食の味が落ちてしまい、甘利田と神野は教育委員会に乗り込みます。神野は給食を守る教師になると宣言して卒業し、甘利田は函館に飛ばされてしまいました。

Season 3 (2023)では、函館市立忍川中学校に転勤しています。1年生の担任になった甘利田は、クラスの中にかつての神野を彷彿とさせる給食マニアである粒来ケン(田澤泰粋)がいることに驚きます。甘利田は新米の英語教師、比留川愛(大原優乃)の指導係となり、比留川の厳格な父親と対決することになります。

劇場版 おいしい給食 Road to イカメシ (2024)

甘利田は、自分が脚本を作ったクラス対抗の演劇をおこなうことになります。そして函館転勤を容認した影の目的である、イカメシの給食登場を待ち続けていたのです。

そして、現在公開中なのが、「劇場版 おいしい給食 炎の修学旅行」で、すでにたいへん好評らしい。どこまで続くのかわかりませんが、一度見だすとはまることうけあいです。あなたも、甘利田の"狂気"を微笑ましく思えることでしょう。