テレビ東京製作のドラマですが、まず2018年1月に1時間の単発ドラマが放送され、10月から1話30分の全12回の連続ドラマが放送されました。もともとは阿部潤によるグルメ・マンガが原作で、人気の「孤独のグルメ」系のドラマです。脚本は大島里美、狗飼恭子、山岸聖太が共同で担当し、主として山岸聖太が監督を務めています。
出版社の中学館で文芸誌「さらら」編集部に勤めている佐々木幸子(高畑充希)は、几帳面で冗談とは無縁、一切仕事で手を抜いたりせず、食事も栄養ドリンクで済ましてしまう生活。しかし、担当した小説家には全力で協力を惜しまないので、厚い信頼を得ていました。
そんな幸子にも彼氏がいて、恋人の俊吾(早乙女太一)とのいよいよ結婚式の日になりました。しかし、お色直しの間に俊吾は「すまない」というメモを残していなくなってしまうのです。鋼の心を持っているはずだった幸子も、さすがにショックが大きく仕事でミスをするようになってしまうのです。
幸子は「精神的につらくてもお腹は減るのだわ」と、通りかかった食堂に入ると鯖の味噌煮定食を頼みます。そして、これまで食に興味が無かった幸子は、あまりの美味しさに「美味しい物を食べれば一時辛いことを忘れることができる」ことに気がつきます。
それ以来、幸子は一癖も二癖もある小説家とのやり取りでストレスがたまった時、街中で俊吾っぽい人を見かけて心が乱れる時などには美味しい物を求めるようになるのでした。そして、本当に幸せそうに障子をする幸子を見て、誰もが幸子のファンになっていくのです。
編集長は吹越満、同僚は逢沢りな、重岡獏、上地春奈、生意気な後輩に葉山奨之、幸子の母親にふせえりなどがレギュラーで出演しています。小説家には、鹿賀丈史、長谷川朝晴、池田鉄平、大和田伸也らが登場します。
「孤独のグルメ」よりはドラマ寄りの進行ですが、登場する店は実在のもので、どれもが食べて見たくなるものばかりです。近江牛のすき焼き、刀削麺、温玉カレー、マグロ丼、ナポリタンなどの他、宮崎県に出かけてのご当地グルメなどなどが紹介され、よだれダラダラ請け合いです。
行方不明になった俊吾と再会し、恋の結末はいかに?! というストーリーも十分に楽しめます。それにしても、こういう際立ったキャラクターの女子を演じさせると、高畑充希の右に出る者はなかなか見つけられないくらい、突き抜けた演技はなかなか見事です。