2026年2月11日水曜日

SEKAI NO OWARI / 炎と森のカーニバル in 2013 (2013)


SEKAI NO OWARIは、2013年2月13日にENTERTAIMENTツアー千秋楽で、秋にあらたな企画のライブを行うことを発表しました。当然、その時点では、新しいアルバムは発表されていないので、当時まだ新人と呼べるバンドの活動としてはかなり早いペースだと思います。

それが「炎と森のカーニバル」とタイトルがついた公演で、彼らにとっては初めての屋外イベントでした。10月12~14日の3日間、場所は富士急ハイランド。

富士急ハイランドは、山梨県富士吉田に50年以上前からある大型遊園地ですが、ライブが行われたのは遊園地に隣接するコニファーフォレストと呼ばれるスケート場などを含むイベント用の会場です。3日間で6万人を動員しています。

はっきり言うと、演奏されたセットリストはこれまでのライブと大きな違いはないので、音楽を聴くだけのライブとしては新鮮味に欠けることは否定できません。しかし、SEKAI NO OWARIとしては、重要な意味を持つライブだと思います。

その理由は、音楽の演奏だけでなく、これに伴う多くの企画が会場周囲で開催され、まるで臨時開催された「テーマ・パーク」のようなトータルなエンターテイメントとしてのイベントになっていたからです。主としてFukaseの想像の夢の中を実体化させることが目標になっていて、まさにファンタジー・ワールドになっていました。

コスプレをした来場者にはプレゼントがあり、その中でコスプレ・コンテストが行われました。周囲にはキャンプ・ファイヤーの場所が設けられ、たくさんの屋台がメンバーにまつわる食事を提供し、アルコール飲料には彼らの曲名が付いていました。演奏会場の内外のスタッフも全員動物の被り物で仮装して、ファンタジー色を強めていたのです。

注目のステージには、高さ30メートルの巨大な樹木のオブジェが設置され、周囲には多くの電飾が設置されました。そしてステージと観客席の間にウォーター・スクリーンが用意され、そこにライティングで歌詞を投影したりしています。前回のライブから始まったDJ LOVEコーナーでは、一見そんなことできそうもないキレキレダンスを披露して観客を楽しませました。また、メンバー全員が普段着的な服装ではなく、統一されたコスチュームを着用したこともイベントとしての統一感を出しています。

セカオワ・ワールドを、SEKAI NO OWARIのセルフ・プロデュースによってはじめて具現化したライブとして重要です。ただし、残念ながらDVDでの発売のみでBluray化されていないのが残念です。

年が明けて2014年には、4月から6月にかけて全国をまわるツアーが開催されていて、「炎と森のカーニバル-スターランド編-」と呼ばれました。こちらはアリーナツアーで、全15公演のうち半分は屋内ホールで行われています。

富士急ハイランドのような大規模な仕掛けはできませんが、それでも多くの企画をここでも実現させていて、彼らの企画力が継続していることがわかります。また。富士急ハイランドでの公演と差別化させている大きなポイントは、アニメーションを利用した公演自体のドラマ設定です。

入場ゲートには、武装コスプレした警備兵が立ち物々しい雰囲気を醸し出しました。オープニングでは、謎の怪獣が襲ってくる様子をアニメで見せてくれます。また突然会場が真っ暗になり、怪獣によって停電になったのを復旧するのはDJ LOVEの役割りでした。明るいファンタジーだった富士急ハイランド公演と違い、セカオワのダークな面が中心となった公演になりました。

この様子はWOWWOWで放送された他、2015年1月に発売されたセカンド・アルバム「Tree」の初回限定盤にフルコンサートで収録されたDVDが付属しています。

さらに、このツアーのリハーサルを含む、メンバーのプライベートを織り込んだセミ・ドキュメンタリー映画が製作され「TOKYO FANTASY」として2014年夏に公開されました。監督はフランス人のラファエル・フリードマンで、メンバーの思考を脚色・映像化したり、ファンたちへのインタヴューを含めて、バンドの内外からSEKAI NO OWARIというバンドを表現しています。

これを見れば、彼らの独特な世界観が理解できるとまでは言えませんが、それを理解するための入口にはなっていると思います。そして、彼らのファンが「セカオワ最高!!」と言うのは、単なるヴィジュアル、メロディだけではなく、現代の人々、特に若者たちが持つ悩みと共振する歌詞への共感があるように感じました。

2014年10月には、再び富士急ハイランドで「TOKYO FANTASY」とタイトルされた単独野外フェスを行いました。3日間の予定でしたが、台風のため最終日が中止となりましたが、初めて雨の中でのライブを行っています。また、初めてストリングスとホーンを加えたことも大きなポイントでした(一部のみ各種限定盤で映像を見れます)。

2013年10月から2014年10月にかけての1年間の彼らの活動は、真の意味で「セカオワ・ワールド」を現実化してスタートさせた期間であり、彼らの現在につながる最も大きなターニング・ポイントとなったことは間違いありません。