第1位はダントツでエルビス・プレスリー、第2位はマライア・キャリー。ランキング上位にはケニー・G、セリーヌ・ディオン、ナット・キング・コール、ビング・クロスビー、カーペンターズなどなど、そうそうたる面子が並びます。
そう、これはホリデー・アルバムの売り上げ枚数ランキングの話。トップのプレスリーはいろいろな形で発売されたものを全部合わせると2000万枚以上になるらしい。キャリーは2枚のアルバム、特に最初の1枚だけで1500万枚以上というのは実質的にはトップかもしれません。
ホリデーというのは、イコール「クリスマス」のことで、キリスト教の国にとっては新年より、12月25日のキリストの誕生日の方が重要。この時期、ホリデー・シーズンを当て込んだレコードやCDは、昔からたくさん作られてきました。
さて、ここで、久々の困ったディランのアルバムの登場となります。一般には「Empire Burlesque」とこの「Christmas in the Heart」が、二大珍品アルバムとして扱われることが多い。最初に種明かししておくと、ディランのホリデー・アルバムは売れた枚数は世界中でもたぶん数十万枚です。
先によかった点を整理しておきます。2009年は「Together Through Life」が4月に発売され、同じ年にさらにアルバムが発売されたことは評価できるポイントです。また、このアルバムで発生する印税収入は、食料支援のための慈善団体への100%永久寄付としているところも嬉しい。
そもそも、何でアルバムを作ったのか? ということなんですが、2006年からディランがパーソナリティを務めるラジオ番組で、クリスマス・ソングの話題をしているうちに思いついたらしい。またユダヤ教の家庭に育ちながらも、こどもの頃に慣れ親しんだ音楽に対する愛着もありました。
5月にスタジオ入りすると、一気にアルバムを仕上げてしまいました。レギュラー・バンド・メンバーが中心ですが、彼らもスタジオで初めてホリデー・アルバム制作と知って驚いたようです。しかも、手本になりそうな古いレコードを聴かせただけで、さぁやってみよう、という感じの一発録りです。
いきなり鈴の音が響いてコーラス隊の美声が聞こえてくると、確かにクリスマスだなと思わせます。そこにディランのだみ声が出てきて「サンタがやってくる」となるので、最初はおいおいと突っ込みたくなる・・・んですが、不思議なことに何かこれはこれでありかもしれないと思ってしまいます。
「The Christmas Blues」は、ジャジーなブルースで、この時期のディランとしては最も普通に聴けるのですが、むしろこのアルバムの中では異質な感じがするという逆転現象が起きています。その次がまさに教会で聴けそうな讃美歌なので落差がすごい。時には、ルイ・アームストロングが歌っているのかと勘違いしそうなところもあります。
とにかく、本人は大真面目に作ったものですから、ディランのファンなら肩肘張らずに数年に一度はクリスマスに聴くようにしましょう。
Here Comes Santa Claus
Do You Hear What I Hear?
Winter Wonderland
Hark the Herald Angels Sing
I'll Be Home for Christmas
Little Drummer Boy
The Christmas Blues
O' Come All Ye Faithful (Adeste Fideles)
Have Yourself a Merry Little Christmas
Must Be Santa
Silver Bells
The First Noel
Christmas Island
The Christmas Song
O Little Town of Bethlehem
Bob Dylan (vo, g, pf, harmonica)
Tony Garnier (b), George Receli (ds)
Donnie Herron (steel guitar, mandolin, tp, vn), Phil Upchurch (g)
David Hidalgo (accordion, g, mandolin, vn), Patrick Warren (key)
Choir : Amanda Barrett, Bill Cantos, Randy Crenshaw, Abby DeWald,
Nicole Eva Emery, Walt Harrah, Robert Joyce
May 2009, Groove Masters, Santa Monica
May 2009, Groove Masters, Santa Monica
☆☆☆☆☆・・・・・
