2024年10月29日火曜日

劇場版 MOZU (2015)

TBSとWOWWOWが共同製作した「MOZU」シリーズの完結編は、映画として劇場公開されました。監督はシリーズを通して羽住英一郎、脚本は仁志光佑。シリーズの印象的な音楽を担当したのは、多くのドラマなどで活躍している菅野祐悟です。

Season1、Season2を通して、家族の事となるとまったく見境なく突き進む倉木警部(西島秀俊)は、妻の千尋が関わったグラークα作戦の中身と妻の死の真相にたどり着き、抜け殻のような酒浸りの生活を送っていました。大杉警部補(香川照之)は、すべてが隠蔽されてしまう警察組織に嫌気がさして退職し、今では個人探偵事務所を構えています。明星巡査部長(真木よう子)も、外事の仕事をしつつもどこかに割り切れない思いを残していました。

ここまでで、大きな事件の影に必ず登場するといわれ、多くの人の悪夢の根源となっている「だるま」の正体、そして倉木の娘の死の真相については判明していませんでした。そんな中、高層ビルのオフィースにテロリスト集団が侵入し、多くの人質を盾に立てこもります。彼らは周辺地域にも爆弾を仕掛けたと通告し、街は非難する人々で大混乱になります。

ペナム大使館も大統領夫人が娘のエレナを連れて大使館から避難するのですが、その車列が襲われます。たまたま通りかかった倉木により、夫人とエレナの拉致は失敗し、大杉がエレナを自分の事務所に匿うのでした。テロリストたちの目的はエレナの誘拐であり、作戦が失敗するとビルから見事に行方をくらますのでした。

犯行グループのリーダーは殺人鬼の権藤(松坂桃李)で、彼は新谷浩美を崇拝しアイスピックを持ち歩くような男でした。権藤を手先として利用しているのは高柳(伊勢谷友介)で、彼は「だるま」を崇拝する忠実な部下でした。権藤は大杉の事務所を襲いますが、たまたま居合わせた大杉の娘、めぐみ(杉咲花)を誘拐し、さらに高柳は明星も拉致し、明星たちを助けたかったら、エレナを連れてペナムに来て我々の駒の一つになるように倉木を脅迫してきます。

大杉はエレナを連れ権藤らの元へ、そして倉木は「だるま」と接触することになるのですが、浩美を真似た殺人を犯す権藤を許せない新谷和彦(池松壮亮)、倉木に興味を持ち絡んでくる東(長谷川博己)らも登場し、事態はさらに混迷を深めていくのでした。

すでに衆知のことなので、「だるま」の正体を明かすと、彼は戦後の日本の陰で暗躍し続ける最大のフィクサーであり、本名は吉田駒夫です。しかし、さすがに高齢でしたが、次々に体の弱った場所を取り変えるための部品をキープするために人身売買を行っていました。実はエレナも部品の一つであり、生存のために絶対必要なパーツだったのです。演じたのはビートたけしでした。

倉木の妻や娘の夢にだるまが出ていたことや、娘の死の真相も明かされますが、正直、ちょっと納得しきれない部分はあります。また、結末もなんかもやもやした終わり方。吉田駒夫もラスボスとしては出番が弱いし、続編を作りたいのかもしれませんが、肝腎な部分を明示的にも暗示的にも隠し過ぎで、やや見る側には不親切な感じは否めない。

ただ、ここまで壮大なテーマの映像化されたストーリーはこれまで比類する物はなく、タイトルの「モズ」も、最初は新谷兄弟のことだと思っていましたが、衝動により突き進む倉木も「モズ」の一人だったことがやっと理解できました。名作とまで持ち上げませんが、順にすべてを見ていくと、日本のエンターテインメント作品としてはよく出来た作品と言えそうです。

2024年10月28日月曜日

選挙結果


昨日は衆議院議員選挙の投票日でした。

夜中に大勢が判明してきました。結果は与党、自由民主党は議席を減らし、公明党との連立内閣で過半数を獲得できないことは確実となっています。

政治と金の問題にまったく理解していただけていない・・・と石破総理は口にしているようですが、そもそもそこが違う。国民が理解して「歩み寄る」のではなく、政治から国民の方へ降りることが求められているのだと思います。

昭和の日本の繁栄を支えたのは自由民主党であったことは間違いありませんが、それは「政治には金がかかる」という既成概念を作った名の残る大物たちの世界。自分の勝手な印象かもしれませんが、それに反旗を翻したのが小泉純一郎氏であり、その流れの最後の炎が安倍晋三氏だった・・・

安倍氏は平成、令和という時代の流れの中で「金がかかる政治」は当然の物としていたのではないでしょうか。そのほころびが、「森友問題」、「加計問題」、「桜を見る会」、そして最終的に死後も「裏金問題」という時限爆弾を破裂させたと言えます。

国民から金権政治に対して嫌悪感があるのは今も昔も同じですが、昭和にはそれを声にする機会がありませんでした。しかし、今はネット社会となり、良くも悪くも個人の意見が簡単に発信されるようになりました。

何事にもオープンな対応が求められる時代にそくした政治に変わらなければ、自由民主党はじり貧になるかもしれません。彼らがトップに君臨できているのは、しっかりとした野党がいないということが最も大きな要因ではないかと思います。

小者の野党同士が対決してばかりで、仲良しグループを守るのに四苦八苦しているようでは、意味のある政治の活性化は望めません。彼らが再び天下を取るつもりがあるのなら、どこかで殻を破る動きがあってしかるべきだと思います。

自由民主党が当選した「裏金議員」を追加公認・・・するしかないとは思いますが、それは再び国民との乖離を深める可能性が高くなるものでしょうね。

2024年10月27日日曜日

ヒガンバナ〜女たちの犯罪ファイル (2014)

もともとは、日本テレビの2時間スペシャルで放送された単発ドラマですが、明らかに終わりに思わせぶりな謎を残していました。その解決となったのは、2016年の連続ドラマ化まで待たされ、主演の堀北真希にとっては、結婚引退となる最後の仕事になりました。

警視庁に女性にしかできない事件の捜査をすることを目的に、出世欲が強い瀬川すみれ(太地真央)が創設した捜査第七課には、個性的過ぎて扱いにくいメンバーが各部署から追い出されるように集まりました。周囲からは、美しいが球根に毒を持つヒガンバナに例えられて煙たがれていました。

リーダーは峰岸雪乃(檀れい)で、捜査第一課では正義感が強すぎて上司に反抗ばかりでした。元科捜研の長見薫子(知英)は、帰国子女で日本語が下手で敬語が使えない。柳幸子(YOU)は、シングルマザーの優れたプロファイラーですが、マイペースで協調性に難点がある。伊藤凛(高梨臨)はゆとり世代で、何事もネット頼り。

そして、本作の主役は来宮渚(堀北真希)で、彼女は「シンクロ」と呼ばれる特殊能力をもっていて、他人が持つ悪意に敏感に反応し考えていることが頭に流れ込んでくるのです。犯罪現場では、そこに残された悪意とシンクロができ、悪意が強いほど直後にしばらく意識を失ってしまいます。それが苦しいため、普段はほぼヘッドホンで大音量で様々音楽を聴いています。

多くの結婚式場やマスコミに「2週間後に結婚式が行われると人が死ぬ」という脅迫状が送りつけられ、当日結婚式を予定していた有名な美容外科医の江藤環(国生さゆり)が注目されます。そして、結婚式の数日後、江藤は毒殺死体として発見されました。来宮は現場でシンクロしたにも関わらず、何も感じ取ることができませんでした。

江藤の昔の病院で看護師をしていた井上麻弓(いしのようこ)が、たびたび江藤のクリニックを訪れていましたが、彼女には確固たるアリバイがありました。次に容疑者として浮上した製薬会社勤務の伊田(東幹久)は、江藤に非合法の整形を希望する患者を斡旋していたことが判明します。

井上と雑誌の「美魔女」読者モデル仲間のカフェ店員、鈴木遥子(高岡早紀)は伊田と面識があり、何かのトラブルを抱えていました。そして伊田もまた毒殺され、現場で来宮はまたも悪意を感じることができなかったのです。

伊田の過去を調べると、二人の女性が行方不明になっていることが判明し、来宮もシンクロしても悪意を感じられなかった理由がわかり、事件は大きく動き出すのでした。

来宮が何故特殊な能力を持ったかというのは連続ドラマで判明します。ただ、簡単に言えば「人の心を読める」というのは、悪意だけに限定するとしても刑事としては証拠にはなりませんが最強クラスの力。やはり、こういう力を持ち出してしまうとサスペンスとしての魅力は半減します。

ここではシンクロしても悪意が無いという逆手に取ったストーリーを作って、何とかチート感を減らそうと努力していることはわかるのですが、なかなか苦しい展開であることにはかわりありません。

また、女性だけの捜査グループというのもピンとこない。女性でしかできないことがある、と言うのなら男性にしかできないこともあるということになり、自らを差別化している感じがします。それぞれのいろいろな立場が混在して協力していく方が、大きな力となりうるはずだと思います。

そんなところを許容できる、あるいは堀北ファン、さらに言うと宝塚大好きという方々には、それなりに楽しめる内容になっているのかもしれません。

2024年10月26日土曜日

貢茶 2


何故か、人気の「貢茶」ですが、セブンイレブン限定でペットボトルが発売されたものの、入荷と同時に品切れという"超"品薄状態。

この前、偶然売っていて手に入れることができたのは「ピーチティーエード」というものでしたが、本命はこちら。

「黒糖烏龍ミルクティー」です。

またもや、たまたま、偶然にゲットしました。

2日後に寄った時は、もう無くなっていましたので、入荷量も限定的ですぐに売り切れになるのかもしれません。

・・・で、飲んでみた。

とにかく甘過ぎる。甘過ぎて、それ以上の感想が思い浮かばない。

これが受けるのがよくわからない・・・という、やはり、自分が時代に遅れを取るただのおっさんということを自覚するだけでした。

2024年10月25日金曜日

MOZU〜幻の翼~ (2014)

TBSとWOWOWが共同制作した「MOZU」のSeason2という位置づけですが、実際はほぼ続けてSeason1の「百舌の叫ぶ夜」の後に放送されています。当然スタッフ、キャストは共通。Season1で積み残した謎の解明編ですが、最終的な答えは劇場版へと続きます。

以下、Season1のネタバレを含みます。

新谷和彦(池松壮亮)には、双子の弟、裕美がいました。正気を失った父親によって、裕美は女の子として育てられ、次第に殺人衝動を表に出すようになります。和彦は殺人を請け負い、裕美の殺人癖をコントロールしていたのでした。

崖から突き落とされたのは和彦で、爆弾テロを企てていた筧を尾行していたのは女装した裕美。そして、爆弾テロを最終的に実行しようとしていたのは、グラークα作戦を指揮していた室井公安部長(生瀬勝彦)だったのです。室井は森原官房長官のもと公安省を設置し、警察から独立した秘密警察を設置しようとしていたのでした。

しかし、倉木警部(西島秀俊)、大杉警部補(香川照之)、明星巡査部長(真木よう子)らの行動によって、室井の要人テロは失敗し逃亡します。記憶喪失が回復した新谷裕美は、黒幕である室井を殺しますが、倉木に抱きかかえられて和彦への感謝を口にして息絶えたのでした。

ここまでがSeason1ですが、グラークα作戦に参加した公安部員が皆殺された中で、倉木の妻、千尋だけが何故帰還できたのか、そして何故何も語らずに精神を病んでいったのか。公安捜査官だった明星の父親が、何故行方不明になったのか。大きな謎が遺されたままでした。

Season2は、室井の悪事については監察官である津城警視正(小日向文世)によって、完全に隠蔽され、すべては新谷裕美の犯行として処理されたところから始まります。北海道で領海侵犯した外国船と海上保安庁との間で銃撃戦が発生する事件が起こります。その直後、数名の外国人によるエネルギー施設の爆破事件が発生します。

外事に移動していた明星らは捜査を開始しますが、防犯ビデオの映像に残された犯人グループの中に、何と新谷裕美の姿があったのです。そして、近くの駅で目撃された日本人らしき男性の似顔絵は、明星の父、明星洋人(篠田三郎)にそっくりだったのです。

一方、倉木は千尋が拘束されていた件にイワン・タイラーと呼ばれる人物が関与していたことがわかり、タイラーの行方を探し始めます。と、同時に、新谷裕美の殺害方法であった首をアイスピックで刺すという殺人事件が連続で発生し始めました。

倉木に接触してきたフリー・ライターの名波汐里(蒼井優)は、裕美の情報と交換にイワン・タイラーの捜査に協力します。しかし、名波もまた政府要人の依頼でテロリストと接触しましたが、政府から裏切られたものの一人だけ帰還できた人物だったのです。

Season1に比べると約半分の時間なので、比較的無駄なやり取りは無く、Season1ほどのワクワク感は少ない感じがしますが、てきぱきとストーリーが進行します。最終的にはこれまでの謎はすべて一つに集約され、それなりの回答を引き出しています。ただし、人々が悪夢で悩む「だるま」の謎だけは残されました。

2024年10月24日木曜日

MOZU〜百舌の叫ぶ夜〜 (2014)

タイトルのモズはすずめの仲間の鳥で、漢字だと百舌鳥、鵙と書きます。モズには「はやにえ(早贄)」という習性があり、捕らえた獲物を木の枝等に突き刺したりします。このストーリーでは、獲物を放置してそのまま飛び去ってしまうことから、はやにえは「単に殺したいという衝動」ととらえています(実際は、戻ってきて食すことが多いようです)。

多くの2時間サスペンスドラマになっている
逢坂剛の小説が原作。監督は「海猿シリーズ」の羽住英一郎、脚本は「HERO」、「ガリレオ」などのヒットシリーズを手掛けた仁志光佑です。制作はTBSとWOWWOWが共同で行い、本作のSeason 1はTBSで、Season 2はWOWWOWで放送され、さらに全体の謎の解決篇として劇場映画が作られています。

銀座の真中で大規模な爆弾テロ事件が発生し、多くの死傷者が出ました。爆弾を持っていたのはテロ組織に協力していた筧(田中要次)で、そばにいた
警視庁公安部特務第一課の倉木警部(西島秀俊)の妻、千尋(石田ゆり子)も爆死します。捜査一課の大杉警部補(香川照之)は、情報を開示しない公安に不信感を強め、倉木もまた何故妻が死ななければならなかったのかを解明するため、二人は次第に協力するようになるのでした。

現場に公安の明星巡査部長(真木よう子)がいたことが判明し、二人は明星を問い詰めますが、明星は知っていることを小出しにするだけで、なかなか事件との関連がわからないままでした。断片的な情報から大手のセキュリティ会社の幹部社員である東(長谷川博己)の関与が浮上します。

また明星は警務局特別監察官、津城警視正(小日向文世)の命令の元、何らかの警察組織内部の不正調査に関連して、新谷和彦(池松壮亮)をマークしていたのです。新谷は東とその部下の中神(吉田鋼太郎)に使われる凄腕の殺し屋で、新谷が筧を尾行していたこと、そして喫茶店で筧が謎の女と接触したことを話ますが、相変わらず明星は詳細は語りません。

新谷は爆弾事件直後に東の部下に連れ去られ、ICチップの在りかを問い詰められましたが、知らないと答えたため海に面した断崖から突き落とされていたのです。かろうじて命は助かったものの、記憶喪失になっていて自分が誰なのかもわからないまま病院で治療を受けていました。

しかし、新谷の助けになればとフリーライターの中島葵美(有村架純)が書いた記事をきっかけに、生存が東に知れるところになり、中神らによって新谷は葵美と共に拉致され激しい拷問を受けるのでした。そして、その過程でやっと記憶を取り戻した新谷は、再び殺戮者としても覚醒するのです。

たいへん謎が深いストーリーで、警察内部と東の関係、さらにその上に隠された黒幕の存在が示唆され、筧の目的は何だったのか、筧が会っていた女性は誰でどんな目的があったのか、そして新谷の謎の生い立ちと事件での役割などが少しずつ解きほぐされ、次第に別々の線上にあった謎が偶発的に爆弾事件という点に集約されるのです。

さらに、かつて公安が実施し失敗に終わったグラークα作戦という大きな謎もからんできます。この作戦で、唯一の帰還者であったのは千尋でした。以来千尋は精神を病み、娘の雫の謎の死によって倉木との関係もぎくしゃくとしたものになっていたのです。ここには「だるま」と呼ばれる正体不明の人物が関係し、明星もまた警察官だった父の死と「だるま」の悪夢に苦悩していたのです。

多少、作り込みすぎというところもあるように思いますが、好きな人にはたまらない展開です。残虐な場面もありますが、もともと地上波での放送を前提に作られているので、ギリギリOKというところでしょうか。確かな演技ができるキャストが贅沢に揃えられているので、ドラマとしての完成度はかなり高いと感じます。

2024年10月23日水曜日

ちょこっとフジ


こどもの頃は、都内の自宅から富士山が良く見えました。おそらく、頂上から少なくとも5合目よりも下まで見えていたと思います。

一番の理由は、高層ビルがなかったから。商用ビルでもせいぜい5階程度。1968年に霞が関ビルができた時は、地上36階という高さに度肝を抜かれたものです。

今住んでいる地域は住宅地ですから、高層建築物はほとんどありませんが、ちょうど丹沢山系が重なるみたいで、8合目あたりから上しかみえません。

ちょこっと富士山です。

坂が多い場所ですから、坂の下だとまったく見えないこともいくらでもあります。それでも、てっぺんだけでも見えると何となく嬉しくなるわけで、日本人の性みたいなものなんでしょうかね。

2024年10月22日火曜日

ミス・シャーロック (2018)

配信系のHuluとHBOが共同で制作したドラマで、世界中で好評でした。タイトルから想像できる通り、竹内結子がシャーロック・ホームズをモデルにした探偵、ワトソン役は貫地谷しほりが演じました。

シリアで医療ボランティアに従事していた橘和都(貫地谷しほり)は、久しぶりに帰国しました。空港に出迎えに来たのは恩師の水野医師でしたが、再会の挨拶の最中に腹部が爆発し即死します。警視庁の礼紋警部(滝藤賢一)と部下の柴田巡査部長(中村倫也)が取り調べを担当し、水野の妻、亜紀子(水川あさみ)が警察署に駆け付けます。

遺体安置所にはすでに女性がいて、遺体の腹の中を漁るように調べていました。礼紋は彼女を犯罪心理学者のシャーロックと紹介しますが、ずけずけとした質問で亜紀子は倒れてしまいます。

何故、自らを「シャーロック」と名乗っているのかは次第に明らかになりますが、心理学だけでなく法医学やその他の雑学にも精通していて、デリカシーに欠ける自己中心的なキャラクターですが、事件の謎を解き明かす力は只者ではありません。

橘和都は行くところが無かったので、シャーロックのアパートにルームシェアすることになり、シャーロックの元に持ち込まれる謎の数々に関わっていくことになるのです。

シャーロックが自信過剰気味で、和都を顎で使うみたいなところは、本家「シャーロック・ホームズ」と似ていますが、19世紀のロンドンと違い舞台は現代の日本ですから、事件はいかにも現代風。

竹内結子と貫地谷しほりのキャスティングは絶妙で、実に雰囲気もマッチした演技が楽しめます。そういう意味ではSeason 2の企画もあったのはうなづけますが、実現しなかったのは残念としか言いようがありません。


2024年10月21日月曜日

全領域異常解決室 (2024)


突然ですが、日本人の頂点に立つのは天皇陛下。その初代となるのが、神武天皇であることはよく知られていることです。古事記の世界では、神武天皇は若い時に神倭伊波礼毘古命(カムヤマトイワレビコノミコト)と名乗り、お母さんは玉依毘売(タマヨリヒメ)でお父さんは鵜葺草葺不合命(ウガヤブキアエズノミコト)です。鵜葺草葺不合命のお父さんは、古代史では有名人である山彦、火遠理命(ホオリノミコト)で、お母さんは海神の綿津見神(ワタツミノカミ)の娘、豊玉毘売(トヨタマヒメ)です。

さて、本題。そのトヨタマヒメが重要なキーワードになっているのが、今、放送中のドラマで、フジテレビの「全領域異常解決室」です。まだ、2回の放送ですからまだ間に合います。はっきり言って、めっちゃ面白い。

何しろ「ストロベリーナイト」の黒岩勉のオリジナル脚本ですから、面白くないはずが無い。最初からハードル上げすぎかもしれませんが、少なくとも今期のテレビ・ドラマの中では、期待度一二を争う作品になっていそうです。

全領域異常解決室というのは、大和朝廷以来、世界最古の捜査機関という設定。古くは神隠しとか狐憑きと呼ばれるような超常現象を調査・解決する組織とされています。現代では、内閣官房直属の組織であり、その室長は宇喜之民生(小日向文世)で、興玉雅(藤原竜也)が室長代理として所属しています。

世間で、神隠しと呼びたくなる怪事件が頻発し、ヒルコと名乗る者から犯行声明が出されます。ヒルコは蛭子命とも呼ばれ、古事記ではイザナキとイザナミの間に生まれたとされています。しかし、何らかの不具があったらしく萱舟に乗せて流され消息不明となっている。

第1話では、謎の多い事件が頻発するため、警視庁総務部広報課の捜査経験のない雨野小夢(広瀬アリス)が、人員補強のため全領域異常解決室に出向するところから始まります。何で自分がここに移動になったのかわからない小夢に対して、宇喜之は「生まれ持っての素質がある」というばかり。

現場には死亡していると思われる大量の血痕と、髪の毛、そして身に着けていたと思われるすべての物が残されていましたが、肝心の遺体そのものがありません。現場付近の防犯カメラには、「シャドーマン」と呼ばれる不審な影が記録されていました。

このドラマの面白いところは、すべてオカルトのせいにしてしまうことなく、人知が及ぶ部分である程度事件が解決しているにも関わらず、一定の不可解な事象については謎を残す所。

しかし、事件現場に必ず姿を現す謎の女性(福本莉子)が登場し、第2話の最後に豊玉神社の巫女であり、宇喜之の何らかのつながりがあることが示されています。捜査一課のヒルコ専従班の荒波警部(ユースケ・サンタマリア)、二宮(成海璃子)らと共に興玉と雨野が今後どのような活躍をしていくのか大変興味深い展開になりそうです。

2024年10月20日日曜日

陽はまた昇る (2011)

テレビ朝日の連続ドラマで、脚本は井上由美子。井上由美子は90年代から多くのテレビ・ドラマを手掛けており、そのジャンルは多岐にわたります。同じ脚本業をする人からも評価が高く、記憶に残るタイトルが目白押しです。

「陽はまた昇る」と云えば、1957年のアメリカ映画のタイトルを真っ先に思い出すのは昭和人。ここでは警察の紋章である旭日章になぞらえ、登場人物たちが立派な警察官になっていくことを意味しています。

スペシャル・ドラマとして放送された「最後の晩餐 刑事・遠野一行と七人の容疑者」から続くストーリー。遠野一行刑事(佐藤浩市)は、妻の奈津美(斉藤由貴)が犯罪者、安藤(井浦新)と行動を共にしていることの責任を取り、刑事を辞して教官として警察学校に赴任してきました。

校長の内堀(橋爪功)は、辞職するつもりだった遠野を警察学校教官に移動することを強く働きかけたのですが、その理由ははっきりとは口にしません。訓練生に厳しく接する遠野のやり方には、男勝りの部長の簑島佐和子(真矢みき)も反発しますが、内堀は全く意に介しませんでした。

遠野教場の訓練生には、物事に真面目に接しますが、仲間と馴染もうとしない湯原(池松壮亮)、そこそこできますが今風のチャラ男の宮田(三浦春馬)、リーダーとなった妻子持ちの松岡(高橋努)、警察オタクでちょっと少女っぽい瀬尾(冨浦智嗣)などがいて、彼らもまた遠野とぶつかりながら次第に警察官として成長していくのでした。

そんな中で、遠野は安藤と二人きりで会う機会を得て、自首するように説得します。しかし、自分から奈津美を奪った遠野に対しての恨み、また警察そのものを信じようとしない気持ちは根深いものでした。

その直後、離れて待っていた奈津美が偶然に警邏中の警官に職務質問されたため、安藤は警官を殴り倒してますが、警官の威嚇射撃が奈津美に命中してしまうのでした。逆上した安藤は、ついに警察学校に侵入して遠野教場の訓練生を人質に立てこもり、遠野が来ることを要求するのでした。

警察学校の厳しい教官と訓練生の成長という流れは、すぐに木村拓哉主演で好評を博した「教場」シリーズを思い出します。こちらは長岡弘樹原作を「踊る大捜査線」シリーズの君塚良一が脚本を担当したもの。長岡の原作は2013年ですので、似たような展開ですが「陽はまた昇る」の方が先と言えそうです。

スペシャル・ドラマを先に見ておくことで、遠野の人間性と苦悩が頭に入りやすい。ちなみに「教場」は先にスペシャルで訓練生の成長を描き、後から連続ドラマで教官の人間性などが描かれるという逆の展開でした。

訓練生の中では、準主役の湯原と宮田を軸に話が進みますが、いかにも池松壮亮らしい役柄の湯原に対して、三浦春馬のチャラ男は実に珍しい役柄です。さすがに子役からすでに多くの役柄を演じてきただけあって、どんな役でも実に自然に演じられるところはさすがの役者だと再認識しました。

2024年10月19日土曜日

セブンのおにぎり 52


新発売シールは貼っていないけど、これ、今まで目にしたことが無いというのが棚に並んでいました。

「大きなおむすび」シリーズという感じなんですが、ファミマやローソンにもある大き目の物に比べると、それほど大きくはない感じがします。「やや大きな」くらいで、できるだけコストは抑えたというのがポイント。

「海苔佃煮」は、真ん中に海苔の佃煮が入っているだけ。ご飯はまだらに醤油がしみている感じです。まさにそのまんまなので、桃屋の「江戸むらとき」とか「ごはんですよ!」とかが好きな人なら大満足でしょう。

「深川めし」は、江戸の郷土料理の定番で、あさりと長ネギの炊込みご飯、あるいは煮たものをご飯にかけて食べるというもの。

今までも深川めしのおにぎりは登場したことがありましたが、今回のは新しい作り方になっています。

あさりはご飯に混ぜてあって、だいたい一口食べるとあさりの身が一つは口に入ってくるくらいの分量です。あおさ粉が表面にまぶしてあります。

深川飯は味が決まりにくい印象なので、作ってから時間が経つとなおさら香りが無くなってしまいます。そういう意味では、これは比較的ましな方かもしれません。

何でも物価高の昨今では、ありがたいシリーズと言えそうです。

2024年10月18日金曜日

国政選挙


政権与党のトップ交代により、国民の与り知らぬうちに総理大臣が彼らの都合で変わりました。日本は直接選挙によりトップを国民が選べるわけではないので、文句を言ってもどうしようもない。

新総理は「国民の信を問う」目的で、総理就任後、あっという間に衆議院を解散したため、今秋から新たな議員を選ぶ選挙戦が開始されました。

ここでも、いつも疑問に思うのは比例当選という仕組み。投票によって落選した・・・つまり、国民がNOを突きつけた候補者が、比例復活という仕組みで当選になってしまうというのは、不思議でしょうがない。

投票率の低下がしばしば問題になりますが、どうせ投票しても何も変わらないという国民の心理を作っている一端は、間違いなくこのような仕組みを作った政治家にもあるように思います。

今回はいわゆる「裏金問題」の是非が大きな争点の一つになっているわけで、明らかになったならないに関わらず、大なり小なりすべての政治家に・・・いや、憶測でいろいろ考えてもしょうがない。

とにかく10月27日には、信じる一票を投じるしかありませんね。

2024年10月17日木曜日

赤とんぼ


季節の秋としてのアイコンの一つに赤とんぼがいますが、実際はたくさんの種類がある。

一般的によく目にするのは「アキアカネ」で、一番の特徴は休むときに翅が下向きになるところ。

秋らしさがなくなっている昨今ですが、赤とんぼをみつけると季節が進んでいることを実感できます。

忙しく過ごしていると、本当に夏からいきなり冬になってしまいそうです。

日本の日本らしさはの一つは四季があること。

ですから、できるだけ、秋らしい言葉、生き物、食べ物、行事などを積極的に見つけることは意味がありますね。

2024年10月16日水曜日

セブンのおにぎり 51


セブンイレブンの秋の新作おにぎりシリーズ。

値段が高いので躊躇していたのですが、やはり一度は食べてみないとという思いで手に取りました。

さて「丸ごと半熟玉子」は、ファミマに先を越されてついにセブンか立ち上がったという感じの物。これまでセブンは、玉子は半分の物を入れていましたが、今回は1個丸ごとです。

ファミマは周りの米はガーリックライスでしたが、セブンは半分の時と同じ和風の醤油飯です。まぁ、どちらも美味しいので、好みの選択でOKですが、セブンの方が9円安い。

ただし、セブンの方が包んでいるご飯がバラバラになりやすく食べにくい印象です。

「熟成いくら醤油漬け」は、高級食材のいくらが中に入っているわけで、当然、想像通りの味です。

似たものは過去にもありますから新鮮味はありませんが、いくららしいプチプチ感はしっかりと感じられ、さすがにこなれた商品だと思います。