2025年3月7日金曜日
2025年3月6日木曜日
雪だけど・・・
この数日は天気予報通りで、真冬のような寒さ・・・
というか、3月になったというのに、下手すると今シーズンで一番寒いかもしれない。
雪が何となくパラついたのは、1回か2回ありましたが、積雪らしいのはこの冬で初めてのことです。
ですが、未明から雨に変わっていたので、朝の時点では残っていた雪はわずかで、雪合戦はできないし、ましてや雪だるますら作れない程度にしか残っていません。
屋根が白くなった程度で、雪が降ったのがわかる程度。道路はほぼ濡れているだけで、雨のおかげで凍結もしていませんでした。
大人になると、あーよかったと思ってしまいます。こどもの頃の純粋な無邪気さは、とっくの昔に忘れ去っているようです。
2025年3月5日水曜日
セーラー服と機関銃 (1981)
もう言わずと知れた、初期の角川映画、最大のヒット作であり、かつ邦画史上でも必ず上位に食い込む名作です。当時も「か・い・か・ん・・・」の名セリフと共に社会現象になるほどのブームを巻き起こしました。
原作は赤川次郎。脚本は鈴木清順作品で活躍した田中陽造、監督は相米慎二。相米監督は「翔んだカップル」に続く本作でも、主演に薬師丸ひろ子を迎え、両者とも監督として女優として確固たる評価を獲得しました。
跡目は甥に譲ると遺言を残して、目高組三代目組長が亡くなりました。しかし、その甥は交通事故で亡くなり、その娘である星泉(薬師丸ひろ子)は天涯孤独の身となってしまいます。目高組は佐久間(渡瀬恒彦)、政(大門正明)、ヒコ(林家しん平)、メイ(酒井敏也)の4人しかいませんが、組を潰すわけにはいかないと、泉に四代目組長になるよう頼み込みます。
最初は拒否した泉でしたが、それなら殴り込みをして全員で死を選ぶというため、仕方がなく組長になることを承諾します。しかし、事務所が銃撃され、泉も高校を強制退学させられます。さらにヒコが何者かに殺されてしまう。
どうやら敵対する松の木組、それを操る浜口物産、そして真の黒幕である三大寺らの仕業であると佐久間は考えます。実は、三大寺と手を組む黒木刑事(柄本明)が、手に入れたヘロインを咄嗟に通りかかった泉の父親のバッグに隠し、それが何かわからずに泉が受け取っていたのでした。メイも殺され、ついにイズミは佐久間とマサを引き連れ浜口物産に殴り込みをかけるのでした。
三大寺には三國廉太郎、松の木組組長には佐藤允、浜口物産社長には北村和夫など豪華な大ベテランが脇を固めます。三大寺の娘で佐久間に味方するマユミには風祭ゆき、泉の同級生には柳沢慎吾、光石研などが登場します。
公開時は約112分の映画でしたが、翌年尺の都合でカットされたシーンを復活させた「完璧版(131分)」が公開され、より高い評価を受けました。また主題歌は来生たかおの「夢の途中」が使われ、相米監督の強い意向で薬師丸ひろ子が歌い大ヒットしています。
内容はそもそも、原作者の赤川次郎も映画の3年前に本作を執筆した時点で、なかば薬師丸ひろ子に当て書きしていました。アイドル映画と思いきや、薬師丸ひろ子にとっては、「野生の証明(1978)」で鮮烈なデヴューを飾り、「翔んだカップル(1980)」でアイドル的な人気が上昇、そして本作で演技力も認められ女優としての地位を決定づけました。角川映画創業期を支える看板女優であったことは間違いありません。
相米監督の特徴と呼ばれるワンカット長回しは、この映画でも顕著です。やり方を間違えると画面がだれてしまったりするリスクを伴ないますが、計算された長回しは見る側に一つのシーンで多くの情報を提供できる。もっとも、登場する俳優たちの演技力にもかなり左右されるので、この映画の出演陣の緊張感は見事と言えるかもしれません。
原作は赤川次郎。脚本は鈴木清順作品で活躍した田中陽造、監督は相米慎二。相米監督は「翔んだカップル」に続く本作でも、主演に薬師丸ひろ子を迎え、両者とも監督として女優として確固たる評価を獲得しました。
跡目は甥に譲ると遺言を残して、目高組三代目組長が亡くなりました。しかし、その甥は交通事故で亡くなり、その娘である星泉(薬師丸ひろ子)は天涯孤独の身となってしまいます。目高組は佐久間(渡瀬恒彦)、政(大門正明)、ヒコ(林家しん平)、メイ(酒井敏也)の4人しかいませんが、組を潰すわけにはいかないと、泉に四代目組長になるよう頼み込みます。
最初は拒否した泉でしたが、それなら殴り込みをして全員で死を選ぶというため、仕方がなく組長になることを承諾します。しかし、事務所が銃撃され、泉も高校を強制退学させられます。さらにヒコが何者かに殺されてしまう。
どうやら敵対する松の木組、それを操る浜口物産、そして真の黒幕である三大寺らの仕業であると佐久間は考えます。実は、三大寺と手を組む黒木刑事(柄本明)が、手に入れたヘロインを咄嗟に通りかかった泉の父親のバッグに隠し、それが何かわからずに泉が受け取っていたのでした。メイも殺され、ついにイズミは佐久間とマサを引き連れ浜口物産に殴り込みをかけるのでした。
三大寺には三國廉太郎、松の木組組長には佐藤允、浜口物産社長には北村和夫など豪華な大ベテランが脇を固めます。三大寺の娘で佐久間に味方するマユミには風祭ゆき、泉の同級生には柳沢慎吾、光石研などが登場します。
公開時は約112分の映画でしたが、翌年尺の都合でカットされたシーンを復活させた「完璧版(131分)」が公開され、より高い評価を受けました。また主題歌は来生たかおの「夢の途中」が使われ、相米監督の強い意向で薬師丸ひろ子が歌い大ヒットしています。
内容はそもそも、原作者の赤川次郎も映画の3年前に本作を執筆した時点で、なかば薬師丸ひろ子に当て書きしていました。アイドル映画と思いきや、薬師丸ひろ子にとっては、「野生の証明(1978)」で鮮烈なデヴューを飾り、「翔んだカップル(1980)」でアイドル的な人気が上昇、そして本作で演技力も認められ女優としての地位を決定づけました。角川映画創業期を支える看板女優であったことは間違いありません。
相米監督の特徴と呼ばれるワンカット長回しは、この映画でも顕著です。やり方を間違えると画面がだれてしまったりするリスクを伴ないますが、計算された長回しは見る側に一つのシーンで多くの情報を提供できる。もっとも、登場する俳優たちの演技力にもかなり左右されるので、この映画の出演陣の緊張感は見事と言えるかもしれません。
2025年3月4日火曜日
翔んだカップル (1980)
薬師丸ひろ子は高倉健と共演した角川映画「野生の証明」で映画デヴューし、すごい子役が登場したと話題になったのが1978年。その後テレビ・ドラマの後、1980年のこの柳沢みきおのマンガが原作のこの映画で「アイドル女優」としての人気を決定づけました。
と、同時に、ロマン・ポルノの助監督をしていた相米慎司にとっても商業映画監督デヴュー作となりました。相米はこの処女作から、役者自身にどう演じるかを自分で考えさせ何度でもテイクを重ねる演出技法を取っており、出演したまた少年少女たちはたいぶ苦労したようです。
北条高校に入学した田代勇介(鶴見慎吾)は、外国に転勤になった伯父の家に一人住まいすることになりますが、小遣い稼ぎに同居人を募集したところ、何と同級生の山葉圭(薬師丸ひろ子)が引っ越してきてしまいます。女の子、それも同級生と一緒に住むなんてとオロオロする勇介をよそに、あっけらかんとした圭は動じる気配がありません。
勇介とともだちになった秀才肌の中山わたる(尾身としのり)は、圭が気になる。やはり秀才の杉村秋美(石原真理子)は、自分も一人住まいなので勇介に一緒に暮らそうと積極的にアプローチしてくるのです。
事あるごとにぶつかり合う二人なんですが、まぁ、青春ですから・・・いろいろあるわな。素直じゃない二人が、しだいにお互いの気持ちをやっと表に出せるようになるのですが、ついにノイローゼになったわたるは学校に二人の同居を通報してしまいます。
今でこそ、ドラマの世界ではあるあるのシチュエーションですが、当時はまさに「翔んだ」設定で、原作は大ヒットしました。映画でも、まだ互いを思いやる方法に未熟な二人のぶつかり合いの中で、少しずつ相手の気持ちを理解していくところがうまく描かれていました。
勇介に積極的な秋美は、その後「ぷっつん女優」となる美少女、石原真理子で、この映画のためにスカウトされた聖心女子学院に通学していた正真正銘のお嬢様でした。一方、圭に想いをつのらせるわたるは「転校生」でブレークする前の尾身としのりで、いびつな性格の秀才を演じました。
勇介は、いまでこそ貴重な脇役としてコンスタントにドラマ・映画に登場している鶴見慎吾ですが、さすがに演技としてはまだまだというところでしょうか。薬師丸ひろ子は初主演ですが、「野生の証明」と違い、年齢相応のはじけた演技を披露しました。
原作は、この後も年齢を重ね変化していく勇介と圭の関係を追っていくので、始まりの1年間だけにかぎるこの映画のストーリーは起承転結の「起」の部分だけ。ですから、監督も無理して盛り上げようとせず、日常的なさざ波のような変化を丹念に追いかけています。
そのいう意味では薬師丸見たさのファン以外には物足りなさを感じさせるかもしれませんが、実際の生活の中でも、同級生の異性と同居するということ以上の事件なんてそうそうおこるはずもありません。そこを無理しないことで、翔んだ設定の中で可能な限りリアリティを持たせることに成功しているのかもしれません。
と、同時に、ロマン・ポルノの助監督をしていた相米慎司にとっても商業映画監督デヴュー作となりました。相米はこの処女作から、役者自身にどう演じるかを自分で考えさせ何度でもテイクを重ねる演出技法を取っており、出演したまた少年少女たちはたいぶ苦労したようです。
北条高校に入学した田代勇介(鶴見慎吾)は、外国に転勤になった伯父の家に一人住まいすることになりますが、小遣い稼ぎに同居人を募集したところ、何と同級生の山葉圭(薬師丸ひろ子)が引っ越してきてしまいます。女の子、それも同級生と一緒に住むなんてとオロオロする勇介をよそに、あっけらかんとした圭は動じる気配がありません。
勇介とともだちになった秀才肌の中山わたる(尾身としのり)は、圭が気になる。やはり秀才の杉村秋美(石原真理子)は、自分も一人住まいなので勇介に一緒に暮らそうと積極的にアプローチしてくるのです。
事あるごとにぶつかり合う二人なんですが、まぁ、青春ですから・・・いろいろあるわな。素直じゃない二人が、しだいにお互いの気持ちをやっと表に出せるようになるのですが、ついにノイローゼになったわたるは学校に二人の同居を通報してしまいます。
今でこそ、ドラマの世界ではあるあるのシチュエーションですが、当時はまさに「翔んだ」設定で、原作は大ヒットしました。映画でも、まだ互いを思いやる方法に未熟な二人のぶつかり合いの中で、少しずつ相手の気持ちを理解していくところがうまく描かれていました。
勇介に積極的な秋美は、その後「ぷっつん女優」となる美少女、石原真理子で、この映画のためにスカウトされた聖心女子学院に通学していた正真正銘のお嬢様でした。一方、圭に想いをつのらせるわたるは「転校生」でブレークする前の尾身としのりで、いびつな性格の秀才を演じました。
勇介は、いまでこそ貴重な脇役としてコンスタントにドラマ・映画に登場している鶴見慎吾ですが、さすがに演技としてはまだまだというところでしょうか。薬師丸ひろ子は初主演ですが、「野生の証明」と違い、年齢相応のはじけた演技を披露しました。
原作は、この後も年齢を重ね変化していく勇介と圭の関係を追っていくので、始まりの1年間だけにかぎるこの映画のストーリーは起承転結の「起」の部分だけ。ですから、監督も無理して盛り上げようとせず、日常的なさざ波のような変化を丹念に追いかけています。
そのいう意味では薬師丸見たさのファン以外には物足りなさを感じさせるかもしれませんが、実際の生活の中でも、同級生の異性と同居するということ以上の事件なんてそうそうおこるはずもありません。そこを無理しないことで、翔んだ設定の中で可能な限りリアリティを持たせることに成功しているのかもしれません。
2025年3月3日月曜日
となり町戦争 (2007)
三崎亜記による絶賛されたデヴュー小説が原作。「舟を編む」の渡辺謙作が脚本・監督を務めています。いろいろなレヴューでは評価が高いとは言えない作品なんですが、となり町同士がある日、突然戦争を行うという不思議なプロットに惹かれました。
北原修路(江口洋介)は、舞浜町に住み、隣の森見町を通って自動車通勤をして旅行代理店に勤めています。ある日、舞浜町と森見町が互いに宣戦布告をして戦争が始まったという小さな新聞記事を見ます。そして北原の携帯電話に舞浜町役場の香西瑞希(原田知世)から連絡があり、辞令交付式に出席するように言われます。
香西はとなり町戦争推進室に所属し、訳がわからないまま辞令を受けた北原に、通勤途中で見聞きしたことを逐一秘密裏に報告する仕事だと説明します。しかし、町の様子に変わったところは無く、人々は普段通りに生活しているように見えるのでした。しかし、町の広報には着実に戦死者の人数が記載されているのです。
開戦して何日かして、呼び出された北原は、香西から積極的に森見町の偵察任務にあたるように言われます。そして、そのために香西と偽装結婚して森見町のアパートで同居することになります。敵地に潜入することは協定違反にあたり、見つかった場合は舞浜町としては知らないで押し通すらしい。
香西の弟の香西智希(瑛太)は戦争には反対の立場ですが、町を愛する気持ちには変わりなく、最前線で活動するため志願兵となるのです。北原の会社の同僚も、先頭に巻き込まれ亡くなります。上司の田尻(岩松了)はかつて外国で傭兵として働いていた経験から、森見町に志願して会社に来なくなります。
北原は一途に業務を行う香西に次第に惹かれていくのですが、実際の戦闘を目にするわけでもなく、そもそもこの戦争の目的もわからないままの日々を過ごすのでした。しかし、ある日のこと、香西から電話があり、潜入していた証拠になる書類を持って、アパートからすぐに脱出するように言われます。
用水路にたどり着くと、暗闇の中に自分を捜索している様子の人物がいることに気がつき、別の下水道をを舞浜町に向かいますが、途中で香西智希に助けられ、なんとか町の境界線を越えることができました。智希は、まだ無断で越境した一般人を保護する任務があると言って、再び下水道の方へ戻っていきました。
北原は舞浜町に向かおうとしたとき、背後で銃声を聞きます。そして、再び境界線を一歩超えた時、いきなり田尻に襲われるのです。
この映画がつまらないと思う人は、基本的に「なんで戦争なんだ」という根源的な説明が無いことに不満があるのかもしれません。そのために、戦争だからと町のために献身的に働く香西の心情が理解できないのです。ですから登場人物に感情移入できないという、映画を見る上で重要なポイントが欠けているということ。
しかし、これは映画を見ている者を北原と同じ状況に置くための巧妙な仕掛けであり、戦争になると一般人も理由も知らされないまま歯車の一つに組み込まれ、親しい人も失い、自分の様々な感情も狂っていくということ。戦闘そのもの描くのではなく、その裏で人々が物理的・精神的に多大な影響を被る様を凝縮して見せているのだと思います。
ただし、後半、北原と香西の恋愛要素が強まるところは、戦争であっても失いたくない物があるということに繋げたいのかもしれませんが、やや本命のテーマから逸脱してしまった感が残念なところ。原作未読ですが、映画的に膨らませたところのようです。
全体としては、多少のモヤモヤが残りますが、原田知世の透明感に支えられて比較的良い出来の映画と感じました。
北原修路(江口洋介)は、舞浜町に住み、隣の森見町を通って自動車通勤をして旅行代理店に勤めています。ある日、舞浜町と森見町が互いに宣戦布告をして戦争が始まったという小さな新聞記事を見ます。そして北原の携帯電話に舞浜町役場の香西瑞希(原田知世)から連絡があり、辞令交付式に出席するように言われます。
香西はとなり町戦争推進室に所属し、訳がわからないまま辞令を受けた北原に、通勤途中で見聞きしたことを逐一秘密裏に報告する仕事だと説明します。しかし、町の様子に変わったところは無く、人々は普段通りに生活しているように見えるのでした。しかし、町の広報には着実に戦死者の人数が記載されているのです。
開戦して何日かして、呼び出された北原は、香西から積極的に森見町の偵察任務にあたるように言われます。そして、そのために香西と偽装結婚して森見町のアパートで同居することになります。敵地に潜入することは協定違反にあたり、見つかった場合は舞浜町としては知らないで押し通すらしい。
香西の弟の香西智希(瑛太)は戦争には反対の立場ですが、町を愛する気持ちには変わりなく、最前線で活動するため志願兵となるのです。北原の会社の同僚も、先頭に巻き込まれ亡くなります。上司の田尻(岩松了)はかつて外国で傭兵として働いていた経験から、森見町に志願して会社に来なくなります。
北原は一途に業務を行う香西に次第に惹かれていくのですが、実際の戦闘を目にするわけでもなく、そもそもこの戦争の目的もわからないままの日々を過ごすのでした。しかし、ある日のこと、香西から電話があり、潜入していた証拠になる書類を持って、アパートからすぐに脱出するように言われます。
用水路にたどり着くと、暗闇の中に自分を捜索している様子の人物がいることに気がつき、別の下水道をを舞浜町に向かいますが、途中で香西智希に助けられ、なんとか町の境界線を越えることができました。智希は、まだ無断で越境した一般人を保護する任務があると言って、再び下水道の方へ戻っていきました。
北原は舞浜町に向かおうとしたとき、背後で銃声を聞きます。そして、再び境界線を一歩超えた時、いきなり田尻に襲われるのです。
この映画がつまらないと思う人は、基本的に「なんで戦争なんだ」という根源的な説明が無いことに不満があるのかもしれません。そのために、戦争だからと町のために献身的に働く香西の心情が理解できないのです。ですから登場人物に感情移入できないという、映画を見る上で重要なポイントが欠けているということ。
しかし、これは映画を見ている者を北原と同じ状況に置くための巧妙な仕掛けであり、戦争になると一般人も理由も知らされないまま歯車の一つに組み込まれ、親しい人も失い、自分の様々な感情も狂っていくということ。戦闘そのもの描くのではなく、その裏で人々が物理的・精神的に多大な影響を被る様を凝縮して見せているのだと思います。
ただし、後半、北原と香西の恋愛要素が強まるところは、戦争であっても失いたくない物があるということに繋げたいのかもしれませんが、やや本命のテーマから逸脱してしまった感が残念なところ。原作未読ですが、映画的に膨らませたところのようです。
全体としては、多少のモヤモヤが残りますが、原田知世の透明感に支えられて比較的良い出来の映画と感じました。
2025年3月2日日曜日
セブンのおにぎり 63
何気なく始まったセブン・イレブンのおにぎり紹介ですが・・・
もしかしたら、これが最終回になってしまうかもしれない。何と、クリニック開業以来、利用し続けていたセブン・イレブンが3月5日に閉店してしまうのです。
この店は、センター南とセンター北の中間で、港北ニュータウンのメインとなる区役所通りに面していて、立地条件が良く繁盛していました。何でも、土地の貸主が更新を拒んだためらしい。
通常の通勤途中には他のセブン・イレブンが無いため、今後は朝に立ち寄れるのはファミマだけになったら・・・たぶん飽きてしまうかもしれない。あ~、困るよねぇ。
というわけで、今回の新発売は「チャーシューわさび」と「コンビーフマヨネーズ」の2つです。
どちらも既視感があって、新鮮味はあまりありません。食べてみても想像通りの味なので、好きな人ははずれることは無いと思います。
以前だったら150円くらいのものだったと思いますが、米価格の高騰は当然影響しているわけで、おにぎりは軒並みじわじわと値上げされ、これらも180円クラスになってしまいました。
まぁ、しょうがないと言ってしまえばそれまでですが、手取りが増えるより物価が下がる方が、一般人には生活しやすい印象があります。もっともそれでは国の勢いが劣る一方なので、おにぎり1個200円で当たり前と思えるようならいいんでしょうけどね。
2025年3月1日土曜日
大林宜彦、全自作を語る
大林宜彦。昭和13年、広島県尾道にて代々医家を営む家庭に生まれ、こどもの時からたくさんの映画を見て、自らも映写機や8mmカメラなどにおもちゃ代わりに親しみます。
大人になって上京すると、自主制作で映画を作り始め、CM製作の仕事に就きます。いろいろフィルム素材からいじることが好きだった大林は、1977年に「HOUSE」で商業映画監督としてデヴューし、実写やアニメをいろいろと合成し、まったく新しいワンダーランドに多くの人が驚かされました。
特に尾道三部作、新尾道三部作などで故郷の尾道を舞台にした映像作品の数々は、撮影場所の「聖地巡礼」という現象を引き起こし、撮影地の観光資源の一つとして重要な役割を果たすようになったことは特筆すべき功績です。
この本は、大林監督が自ら語り下ろした内容をまとめたもの。2020年に亡くなったため、遺作となった「海辺の映画館」だけは、妻で全作品のプロデュースに関わった大林恭子氏が解説しています。
映画評論の本はいろいろありますが、第三者が書いたものは評論家の主観であって、必ずしも作り手の意図を正確にとらえていない場合はかなりあります。そういう意味で、監督が自ら語る製作の裏話や俳優たちとのやり取りなどの話は、映画を理解する上でこれ以上は無い優れた資料となります。
大林監督がこのような本を残してくれたのは、自分の死期を悟ったところもあるかもしれませんが、やはり作るだけでなく見る側としても大の映画ファンだったのだろうと想像します。
この本の画期的なところは、約760ページがかなり小さなフォントで埋まっていて、中身の濃厚さは他に類を見ない・・・にも関わらず、何と定価が3200円という、驚くべき低価格であるというところ。とにかく手に取ってほしい、是非読んでもらいたいという、発行した立冬舎の心意気を感じます。
全作品を見るつもりは無いという方でも、一つでも大林作品が好きならば手に取る価値は十二分にあると思います。
大人になって上京すると、自主制作で映画を作り始め、CM製作の仕事に就きます。いろいろフィルム素材からいじることが好きだった大林は、1977年に「HOUSE」で商業映画監督としてデヴューし、実写やアニメをいろいろと合成し、まったく新しいワンダーランドに多くの人が驚かされました。
特に尾道三部作、新尾道三部作などで故郷の尾道を舞台にした映像作品の数々は、撮影場所の「聖地巡礼」という現象を引き起こし、撮影地の観光資源の一つとして重要な役割を果たすようになったことは特筆すべき功績です。
この本は、大林監督が自ら語り下ろした内容をまとめたもの。2020年に亡くなったため、遺作となった「海辺の映画館」だけは、妻で全作品のプロデュースに関わった大林恭子氏が解説しています。
映画評論の本はいろいろありますが、第三者が書いたものは評論家の主観であって、必ずしも作り手の意図を正確にとらえていない場合はかなりあります。そういう意味で、監督が自ら語る製作の裏話や俳優たちとのやり取りなどの話は、映画を理解する上でこれ以上は無い優れた資料となります。
大林監督がこのような本を残してくれたのは、自分の死期を悟ったところもあるかもしれませんが、やはり作るだけでなく見る側としても大の映画ファンだったのだろうと想像します。
この本の画期的なところは、約760ページがかなり小さなフォントで埋まっていて、中身の濃厚さは他に類を見ない・・・にも関わらず、何と定価が3200円という、驚くべき低価格であるというところ。とにかく手に取ってほしい、是非読んでもらいたいという、発行した立冬舎の心意気を感じます。
全作品を見るつもりは無いという方でも、一つでも大林作品が好きならば手に取る価値は十二分にあると思います。
2025年2月28日金曜日
モンステラ・デリシオサ
モンステラ・デリシオサ・・・と聞いても、いやぁ、知らない。別名の蓬莱蕉(ホウライショウ)というのも、まったく初耳。
サトイモ科らしい・・・確かに特徴的な葉の形から、何となく想像できます。
今のところ60cmくらいですが、どうやら10m弱くらいになるらしい。
それはやばい。屋内に置いておけるもんじゃなさそうです。
でもこの葉っぱ面白い。
何とか、このままでいてください。
2025年2月27日木曜日
119 エマージェンシーコール (2025)
最近何かと話題になるフジテレビですが、フジテレビの代表的なドラマ枠が、毎週月曜日午後9時スタートの通称「月9」と呼ばれるもの。かつてはトレンディ・ドラマの王様に君臨し、多くの視聴率を稼いできましたが、この数年は話題作に乏しく、空回りしたドラマが多くなったと言われています。
今期に放送されているのが「119」で、消防車や救急車が必要な時の緊急電話がテーマ。その電話を受けて、現場でいろいろな職種の人が活躍するドラマがいくらでもありますが、基本的に声しか聞けない状況のドラマで別の意味でのサスペンスを見せてくれていて、なかなかあなどれない作品になっています。
舞台は横浜市消防局なので、自分の知っているエリアでのロケシーンもあったりして、より興味深いところ・・・なんですが、例の問題のあおりを受けて、屋外ロケも大々的にはおこないにくくなったらしい。そもそも協力している横浜市がクレジットから市の名称を削除要請したりもして、下手すれば黒歴史化しそうなところが残念なところ。
横浜市消防局司令課3係に配属された新人の指令管制員(ディスパッチャー)、粕原雪(清野菜名)は、音にを聞き分ける聴力に優れていて、かつて家が火事になったときに119番の電話の声で助けられました。教育係についた兼下(瀬戸康史)をはじめ、係長の高千穂(中村ゆり)、同僚の新島(見上愛)、与呉(一ノ瀬颯)、箕輪(前原滉)、そして大ベテランの堂島(佐藤浩市)らに囲まれ、雪は次第にディスパッチャーとして成長していくのです。
現在までに6話が放送され、いよいよ佳境に入りそうです。雪の経験した火事の謎と、堂島に忍び寄る病魔がストーリーの要になるようなので、興味がある方は見るなら最後のチャンスだと思います。
2025年2月26日水曜日
焼肉・・・っぽい。
焼肉は食べたい・・・でもカロリーは増やしたくない。
そんな悩みを解決するかもしれない作戦の一つです。
なんてことはない。蒟蒻を焼くだけ。
いかにもそれらしい厚みに切ったら、ちょっとだけごま油をひいたフライパンで、徹底的に焼きます。
蒟蒻は水分が多いので、しっかりと水分が飛んで厚みが半分くらいになって、焦げ目がつけばOKです。
後はお好みの焼肉のたれをかけ回せば出来上がりです。
食べてみる。蒟蒻そのものの味はだぶ薄まって、食感としては肉に近づいています。味は焼肉のたれですから、まさに約肉です。やはり焦げがポイントですね。
食材も安いので、一度は試しても損はありませんね。
2025年2月25日火曜日
かもしれない女優たち (2015)
2015年に放送された、お笑い芸人バカリズムが釈本を手掛けたスペシャル・ドラマ。3人の当代人気女優が、「もしもブレークしていなかったなら・・・」というテーマで進む、なんとも可笑しな想像力を具現化したストーリーです。
真木よう子、1982年生まれ。多くの顔が映らないような端役ばかりで、オーディションにも落ちてばかりの売れない女優。人気者になった同期にはやたらと自慢されたり、自分のバイト先の後輩が、いきなりスカウトされメディアに注目されるようになります。
日頃のモヤモヤを日記に書くようになり、そのタイトルは「日刊 真木よう子」としました。もともと絵を描くことが好きだったので、次第に文章ではなくマンガとして書き溜めていくようになります。
水川あさみ、1983年生まれ。多くの顔が映らないような端役ばかりで、オーディションにも落ちてばかりの売れない女優。彼氏からはそれとなく芸能界にいることの不満を聞かされ、それが喧嘩の原因になることがストレス。
それでも、今日もオーディションに行く。そこで同じような境遇の真木よう子と知り合い、似た者同士で意気投合します。
竹内結子、1980年生まれ。多くの顔が映らないような端役ばかりで、オーディションにも落ちてばかりの売れない女優。早々に女優の道をあきらめ、雑誌編集者に転身。彼氏とは長い付き合いで結婚を意識していますが、相手はその話題になるとするっとかわしてしまいます。
ある日、編集長が行きつけのバーの店員が書いたものを持ってきて、「これを書籍化してよ」と言ったのが「日刊 真木よう子」でした。最初は乗り気ではありませんでしたが、人気が出た新人女優が「きっかけは真木よう子」と言っていたのを思い出して、興味を持つようになります。
何とか「日刊 真木よう子」を出版にこぎつけると、これがけっこう評判が良い。真木よう子がバイトをしていたバーで出版祝賀会をすることになって、竹内結子、真木よう子、水川あさみの三人は初めて顔を合わせます。
そこへ連絡が入り「日刊 真木よう子」は映画化、竹内結子は「社長賞」受賞し昇進が決まります。水川は女優をやめて彼氏と結婚して普通の生活をする言って、彼氏の写真を見せました。すると竹内の顔色がみるみる変わります。何とそれは、竹内が結婚したいと思っていた彼氏と同一人物だったのです。
バカリズムらしい、普通の人はあまり思いつかない視点の切り口のドラマです。最初から、それぞれがそういう生活をしていて起こるストーリーでも成立する話ですが、そもそも3人とも今や人気の女優さんであるという前提があるから、面白さが何倍にも膨らむことになります。
あくまでもバカリズムの想像ですから、実際にはこのような「その後」は起きようがないのですが、いかにもありそうなパラレル・ワールドということで違和感はありません。好評だったようで、翌年には広末涼子・井川遥・斉藤由貴の3人で第2弾が放送されています。
2025年2月24日月曜日
殺意の道程 (2021)
注目の脚本家バカリズムによる初めてのサスペンス物で、監督はバカリズムと親交が深い住田崇です。もともと、2020年にWOWWOWで1話30分全7回で放送されたドラマですが、翌年に2時間の劇場版として登場しました。
窪田一馬(井浦新)の父親は、町の小さな下請工場を経営していました。しかし、取引先の会社社長である室岡(鶴見慎吾)に騙されて、会社は倒産し、父親は投身自殺してしまいます。一馬と従弟の吾妻満(バカリズム)は、復讐するため、協力して室岡を殺すことにするのです。
・・・と、ここまでは、よくあるクライム・サスペンスの導入部なのですが、さすがにバカリズムの目の付け所は一味も二味も違います。バカリズムは、通常のドラマではほとんど省略されてしまう殺人計画を少しずつ組み立てていく過程に注目します。
二人は満の友人の事務所を借りて計画を立て始めます。そこへその友人が、キャバクラ嬢のこのは(堀田真由)を連れて現れます。このははサスペンス物が大好きで、二人に絶妙なアドバイスをし始めるのでした。
このはの意見で、誰かに聞かれてもばれないように、このプロジェクトは「いちごフェア」と呼ぶようになり、さらに可能な殺人方法も教えてもらいます。二人は使用する道具をホームセンターに買い出しに行くのですが、包丁とかバールとかロープとか、いかにもそれらしい物だけだと怪しまれるので、どうでもいいものも大量に買って帰ります。
このはにさらにアドバイスを聞きたくて、二人は務める店にでかけます。そこで、このはの同僚であるゆずき(佐久間由衣)にもいちごフェアの話をして応援してもらうことになるのです。ゆずきは占いが得意だったので、一番運勢の良い日を教えてもらい決行日を決定するのです。
このはの監督の元、公園で殺人リハーサルを行い、計画は最終段階に入ります。そして、あらためて父親が亡くなった前後の状況を調べていくうちに、父親の死そのものも室岡による殺人の可能性が出てきました。あらためて怒りの気持ちを強くした二人は、ついに直接室岡のもとに向かうのでした。
確かに一般人が、いざ人を殺そうと考えても、まぁ普通はどうしたものか途方に暮れるのがオチです。激情的に行えば、ほぼ捕まるわけで、日本の警察は世界でもかなり優秀と言われています。じっくり計画して完全犯罪を目指すのであれば、相当綿密な計画を立てなければなりません。
そこんとこをメインにドラマを組み立てるというのは、普通はなかなか思いつく物ではありません。このはというマニアの助っ人を登場させて、計画が前進していくところが面白い。また、なかなか自主性が伴わない主役の二人のキャラクターも絶妙な設定になっています。
あくまでも殺人を行おうとする過程を描くことがテーマですから、めちゃめちゃいい人である主人公二人が、最終的には悪者にならずにハッピーエンドになるまとめかたも納得です。
窪田一馬(井浦新)の父親は、町の小さな下請工場を経営していました。しかし、取引先の会社社長である室岡(鶴見慎吾)に騙されて、会社は倒産し、父親は投身自殺してしまいます。一馬と従弟の吾妻満(バカリズム)は、復讐するため、協力して室岡を殺すことにするのです。
・・・と、ここまでは、よくあるクライム・サスペンスの導入部なのですが、さすがにバカリズムの目の付け所は一味も二味も違います。バカリズムは、通常のドラマではほとんど省略されてしまう殺人計画を少しずつ組み立てていく過程に注目します。
二人は満の友人の事務所を借りて計画を立て始めます。そこへその友人が、キャバクラ嬢のこのは(堀田真由)を連れて現れます。このははサスペンス物が大好きで、二人に絶妙なアドバイスをし始めるのでした。
このはの意見で、誰かに聞かれてもばれないように、このプロジェクトは「いちごフェア」と呼ぶようになり、さらに可能な殺人方法も教えてもらいます。二人は使用する道具をホームセンターに買い出しに行くのですが、包丁とかバールとかロープとか、いかにもそれらしい物だけだと怪しまれるので、どうでもいいものも大量に買って帰ります。
このはにさらにアドバイスを聞きたくて、二人は務める店にでかけます。そこで、このはの同僚であるゆずき(佐久間由衣)にもいちごフェアの話をして応援してもらうことになるのです。ゆずきは占いが得意だったので、一番運勢の良い日を教えてもらい決行日を決定するのです。
このはの監督の元、公園で殺人リハーサルを行い、計画は最終段階に入ります。そして、あらためて父親が亡くなった前後の状況を調べていくうちに、父親の死そのものも室岡による殺人の可能性が出てきました。あらためて怒りの気持ちを強くした二人は、ついに直接室岡のもとに向かうのでした。
確かに一般人が、いざ人を殺そうと考えても、まぁ普通はどうしたものか途方に暮れるのがオチです。激情的に行えば、ほぼ捕まるわけで、日本の警察は世界でもかなり優秀と言われています。じっくり計画して完全犯罪を目指すのであれば、相当綿密な計画を立てなければなりません。
そこんとこをメインにドラマを組み立てるというのは、普通はなかなか思いつく物ではありません。このはというマニアの助っ人を登場させて、計画が前進していくところが面白い。また、なかなか自主性が伴わない主役の二人のキャラクターも絶妙な設定になっています。
あくまでも殺人を行おうとする過程を描くことがテーマですから、めちゃめちゃいい人である主人公二人が、最終的には悪者にならずにハッピーエンドになるまとめかたも納得です。
2025年2月23日日曜日
架空OL日記 (2020)
芸人バカリズムが、銀行員のOLの立場で、架空の日々の様子をブログ形式で書いた小説が原作。バカリズム自ら脚本にして、なおかつバカリズムがそのままOLとして登場するという異色のドラマです。監督はバカリズムと親交が深い住田崇。
もともとは2017年に放送された1話30分全10話のテレビ・ドラマですが、劇場場は単なる総集編ではなく、似たような話だけどビミョーに異なったり、まったく新たなエピソードが盛り込まれてテレビ版を知らなくても、また知っていればより楽しめる作りになっています。
みさと銀行の練馬支店に勤務するのは、6年目の「私」(バカリズム)、私と同期の真紀(夏帆)、8年目で姉御肌の小峰(臼田あさ美)、10年目でのんびりした酒木(山田真歩)、そしてノウハウが未熟な後輩の紗英(佐藤玲)たちです。
彼女たちは上司の顔色をうかがいつつも、仕事はそつなくこなす毎日ですが、更衣室に戻ると本音トークに花が咲きます。それは上司の悪口だったり、給湯室のスポンジの使い方だったり、駅前の新規開店のイタリア料理店の話だったり、それはもうごくごく普通のことばかり。
映画版では、怖い小野寺課長(坂井真紀)、韓国との交換交流でやってきたソヨン(シム・ウンギョン)、「私」の高校の同級生のリエ(志田未来)などが加わり、話の舞台がより広がっています。
テレビドラマでも映画でも、こののりで進行していくので、大事件が起こるようなことはありません。それでも、いかにもOLあるある的な些細なストーリーが妙にうける。最初はバカリズムが女性の中に混ざって、そのままの姿で登場することに違和感を感じますが、不思議とだんだん慣れてしまいます。
そして、実はテレビでも映画でも、「私」は最後には消えてしまう。消えてもOLたちは、まったく問題なくいつもの生活を続けるのです。名前のない「私」は、あくまでもバカリズムの妄想の産物であり、OLたちからすれば幻みたいなもの。「私」が消えた後には、OL達を冷静に見つめる「男性」であるバカリズムがいるだけなのです。
喫茶店で日がな一日OL達を観察し続けていたのかと思うくらい、バカリズムの笑いを抽出する観察眼がすごい。直接ギャグを飛ばすわけではなく、日常にいくらでも転がっているクスっとしたくなる瞬間を多角的に描くのは、まさにバカリズムの真骨頂と言えそうです。
もともとは2017年に放送された1話30分全10話のテレビ・ドラマですが、劇場場は単なる総集編ではなく、似たような話だけどビミョーに異なったり、まったく新たなエピソードが盛り込まれてテレビ版を知らなくても、また知っていればより楽しめる作りになっています。
みさと銀行の練馬支店に勤務するのは、6年目の「私」(バカリズム)、私と同期の真紀(夏帆)、8年目で姉御肌の小峰(臼田あさ美)、10年目でのんびりした酒木(山田真歩)、そしてノウハウが未熟な後輩の紗英(佐藤玲)たちです。
彼女たちは上司の顔色をうかがいつつも、仕事はそつなくこなす毎日ですが、更衣室に戻ると本音トークに花が咲きます。それは上司の悪口だったり、給湯室のスポンジの使い方だったり、駅前の新規開店のイタリア料理店の話だったり、それはもうごくごく普通のことばかり。
映画版では、怖い小野寺課長(坂井真紀)、韓国との交換交流でやってきたソヨン(シム・ウンギョン)、「私」の高校の同級生のリエ(志田未来)などが加わり、話の舞台がより広がっています。
テレビドラマでも映画でも、こののりで進行していくので、大事件が起こるようなことはありません。それでも、いかにもOLあるある的な些細なストーリーが妙にうける。最初はバカリズムが女性の中に混ざって、そのままの姿で登場することに違和感を感じますが、不思議とだんだん慣れてしまいます。
そして、実はテレビでも映画でも、「私」は最後には消えてしまう。消えてもOLたちは、まったく問題なくいつもの生活を続けるのです。名前のない「私」は、あくまでもバカリズムの妄想の産物であり、OLたちからすれば幻みたいなもの。「私」が消えた後には、OL達を冷静に見つめる「男性」であるバカリズムがいるだけなのです。
喫茶店で日がな一日OL達を観察し続けていたのかと思うくらい、バカリズムの笑いを抽出する観察眼がすごい。直接ギャグを飛ばすわけではなく、日常にいくらでも転がっているクスっとしたくなる瞬間を多角的に描くのは、まさにバカリズムの真骨頂と言えそうです。
2025年2月22日土曜日
makita 降臨
dysonのコードレス掃除機が壊れて、重たい旧式をえっちらおっちら移動させるのは疲れる。それに電源コード付きでは、外に持ち出して車の掃除とかできない。
・・・・というわけで、ジャジャーン!!
makitaのコードレスを買いました。
makitaといえば、電動工具メーカーで、DIYの趣味が無い人でもそりロゴは一度は目にしたことがあるだろうというくらい有名です。
そもそも現場で細かいゴミを清掃するのが目的で、コードレス掃除機を出していたわけですが、あまりにも優秀ということで、今はコードレスと言えばdysonかmakitaかというくらい売れているらしい。
掃除機の性能は、一般的に「吸引力」で評価されやすいのですが、実はもう一つ、「集塵力」が大事。数字上はdysonより吸引力が上回るものもありますが、dysonの強みは圧倒的な集塵力です。
makitaの場合は、dysonと同等の吸引力と言われていますが、パワーヘッド(電動回転ブラシ)では無いので集塵力は劣ります。しかし、いろいろな優秀な点も見逃せません。
まずdysonよりもたいへん静か。というか、dysonはうるさ過ぎる。これはけっこう大事なところだと思います。あと、自分は持っていないのですが、もしもmakitaの工具を使う場合はバッテリーが互換性で使いまわしができます。
ビミョーに嬉しいのは、ロック可能で4段階の強弱が選べるON-OFFのスイッチの位置。dysonは握っただけでスイッチに触れてしまい動いてしまうことが多く、しかもロック出来ないので使用中はずっと押していないといけないのが疲れます。
さて、選んだのは最新のサイクロン式のCL286FDで、色はオリーブです。白もありますが、写真だと安っぽく見えます。Amazonで約1万7千円。おっ、安いと思うのは早すぎる。これは本体のみの値段。
充電器とバッテリーがけっこう高い。某国製の安いものだと数千円で売っていますが、この手のものは規格以下の性能だったり、発火事故などの原因として要注意。
そこで充電はmakita純正品 DC18RF をチョイスしましたが、これが9千円。バッテリーは純正品はめちゃめちゃ高いので、安心の日本製DIGIFORCEを選択し、これが8千円です。
最低必要なのがこの3つなので、合計は3万4千円になります。dysonよりは多少割安かなという感じなんですが、性能をさらに高める必需品があります。
もとから付属するヘッドはフローリング用。カーペットでは集塵力が弱いので、フロア・カーペットノズル (A-73025 2,200円) は家庭用で使うなら必要。排気をきれいにして匂いを取り除く効果があるHEPAフィルター(A-74457 1,800円)もあった方が良い。車の掃除にはヘッドをラウドブラシ (A-72279 1,000円)に装着した、フレキシブルホース(1,350円)に交換したい。
バッテリーはやはり2個あったほうが精神的に良いので、もう1個用意しました。そんなわけで、全部で4万8千円ほどになってしまいましたが、使ってみての満足度はかなり高い。dysonよりも優秀とはいいませんが、普通に使うにはまったく遜色なくしっかりと掃除をしてくれました。
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