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2012年4月18日水曜日

アトム


原子力。昭和の時代には、どんどん生活が素晴らしいものになっていく夢を叶える無限のエネルギーと考えられていました。そう、つい一昨年まではそうでした。

私たちは、様々な問題があることに目をつぶって原子力によって得られる幸福を享受していたわけです。しかし、昨年の東日本大震災による福島原子力発電所の事故により、どうにもコントロールできないあまりにも巨大な危険と隣り合わせであったことに気がつかされたのです。

日本中で原子力発電所の操業停止を求める声があがり、定期検査などで停止すると再稼働することはできず、いよいよもうじき唯一操業中の発電所も停止することになります。

しかし、政府は停止していた原子力発電所の再稼働を目指して関係各所にかなり強気に働きかけているのです。地方都市の首長の一人は、再稼働に対して絶対に反対。一方、原子力発電所を抱える地域からは電気を使用する地域の理解がないことへの不満の声もあがっています。

自分も横浜市に住んでするわけですが、電気はひたすら使う側です。発電所は遠く離れた地方にあり、事故がもしも起こった場合に直接の被害をすぐには被らないと言えます。確かに今回の事故は、かなり広範に被害地域は拡大することがわかり、発電所が近くにないからといって安心していられないことがわかりました。

しかし、より大きなリスクを地方に押しつけていることだけは間違いありません。ですから、その点からただひたすら反対するというのはいかがなものかと考えてしまいます。

そもそも自分たちの便利な生活は、原子力が無いことでどの程度の制限を受け、時代に逆行してしてしまうのか想像できますか。その不便を甘んじて受けることができるのでしょぅか。昨年夏の節電は、「やるしかない」という切羽詰まった状況の中で、「今年だけなら」という気持ちがどこかにあって可能だったことではないでしょぅか。

原子力を人間がコントロールできないかもしれないという事実が判明した今となっては、単純に原子力を推進することはできないことは明かです。しかし、原子力に対して反対するのであれば、原子力に取って代わるエネルギーについての議論も同じくらい、いや場合によってはそれ以上しないといけません。

現実に政府が原子力の再稼働を行おうとしている後ろには、産業界の経済的な発展に大きな関係があるのでしょう。大企業ならいざしらず、中小企業は限られた節電対策の中でかなりの負担を迫られているのです。残念ながら、国土の狭い日本という国では第一次産業に国勢が依存している割合は高く、これらの産業の衰退は致命的な問題に発展しかねない。

とにかくアトムの登場は、さらに先のことに伸びてしまったことは間違いありません。もしかしたら、アトムは単なる夢で終わってしまうかもしれませんね。