ローカル局である北海道★(ほし)テレビの今年の新入社員は5人。報道局に配属された頭の回転が速く何でもこなせる山根一(飯島寛騎)、アナウンス部に配属された美人で抜群の国語力を持つ花枝まき(宮下かな子)、編成部に配属された超ベテランのような落ち着きのある北上隼人(長田拓郎)、営業部に配属されクライアント受けのよい服部哲太郎(島太星)・・・そして報道局にはもう一人超問題児がいました。
それが雪丸花子(芳根京子)で、やることなすことトンチンカン。バカ正直で真っすぐなんですが、猪突猛進で上司を悩ますことばかりを引き起こしていました。どうやら非公式に設けられている「バカ枠」ということらしく、大化けして大金星をあげるかもしれない・・・というわけのわからない採用理由でした。
案の定、雪丸は同期の活躍に比べるとなかなか結果が出せずにいましたが、そんなことでくよくよしないのが良い所(?)とでも言いましょうか、かえって武器であるバカ正直であちこちで人の心をつかみ、同期の失敗も意図せずリカバーしていたのです。ライバルの札幌ヒグマテレビの情報部長の香取(安田顕)は、そんな雪丸の存在を密かに警戒していたのです。
NPO法人スプラウトまいんどの代表を務める蒲原正義(大泉洋)は、荒れた土地を再生して、再び農作物を育てられるようにする事業を通して農家の人々に頼られる存在になっていました。雪丸はたまたま別の取材中に蒲原と知り合い、蒲原は雪丸の純粋さに感心します。山根は初めての自分の特集として蒲原を取材しようとしますが、最初は断られたものの雪丸の同期であることがわかるとOKしてくれました。
農家を応援したいと言う蒲原の特集は大好評で、山根もホッとしますが、それも束の間。蒲原は国からの補助金の私的流用の疑いが発覚したため雲隠れしてしまい、蒲原を讃えるような番組を放送した北海道★テレビにはクレームが殺到するのでした。
母親が北海道出身と言う縁で主演に抜擢されたのが芳根京子ですが、実にはまり役で、生き生きと演じています。安田、大泉以外に雪丸の父親役で森崎博之、農家の人として音尾琢真、蒲原を捜査する刑事として戸次重幸らが登場してTeam Nacsが全面協力しています。これは北海道テレビの看板番組であった「水曜どうでしょう」が、Team Nacsが人気者になることに大きく関与したこともあっての協力だと思います。
実際、「水曜どうでしょう」のディレクターだった藤野忠寿、嬉野雅道がこのドラマでも、製作・監督として参加しており、藤野は先輩「バカ枠」として出演もしています。総監督としてクレジットされているのは、「踊る大捜査線」の本広克行です。
北海道テレビが新社屋への移転をしたばかりだったのて、旧社屋を思う存分舞台にしています。テレビの各部署の仕事や他局との視聴率争い、中央のキー局との関係なども描かれていて、テレビ界の実情もうまく描き込まれているのが面白い。雪丸を中心としたいわゆる「お仕事ドラマ」ですが、全5回で実にテンポよくだれることがないコメディとしてもよく出来ていると思います。