夏季臨時休診のお知らせ

8月15日(金)~8月20日(水)は臨時休診となります ご迷惑をおかけしますが、お間違いないようにご注意ください

2025年7月13日日曜日

252 生存者あり (2008)

驚異的な自然災害によって崩壊した東京の地下鉄新橋駅に取り残された人々と、命がけで彼らを助けようとする東京消防庁ハイパーレスキューの活躍を描くパニック映画です。原案は小森陽一で、「海猿」シリーズでも原案を担当しています。しかも主演が伊藤英明とくれば、陸に上がった海猿・・・とも言えなくない。監督は水田伸生、脚本は「スマホを落としただけなのに」の大石哲也です。

小笠原諸島で起こった大地震でマグマが噴出、海水温が急上昇し巨大台風が発生しました。東京には大津波と暴風雨が押し寄せ壊滅的な被害が発生する中で、元レスキュー隊員の篠原祐司(伊藤英明)は、娘のしおり(大森絢音)、研修医の重村(山田孝之)、中小企業社長の藤井(木村祐一)、韓国から来たコンパニオンのキム・スミン(MINJI)らと共に旧銀座線新橋駅ホームに逃げ込み閉じ込められてしまいます。

外ではハイパーレスキュー隊が生存者を探して懸命な救出作業を行っていましたが、気象庁予防部の海野(香椎由宇)の進言により二次被害の懸念が高まり、思うように行動ができない状況でした。祐司の兄である隊長の篠原静馬(内野聖陽)は、崩壊寸前の地下の奥から何かを叩く音を検知し、それが消防庁で使われている「要救護者あり」を意味する「2・5・2」のコードであることから、祐司の存在を確信します。

静馬は台風の目が通過する18分間にすべてを賭け、爆薬によって穴をあけヘリコプターでいっきに救出する作戦を開始するのでした。

・・・と、まぁ、閉じ込められた人それぞれにも取って付けたようないろいろなドラマも描かれ、地上では祐司の妻(桜井幸子)と静馬のやり取り、冷静な副隊長(山本太郎)、隊員の安全を第一に考える本部長(杉本哲太)などのエピソードを絡めて、そこそこ話を盛り上げようとしているのはわかります。

出だしはすでに災害が起こった後から始まり、何でそうなったという本編が遅れて始まります。承起転結という見ているものをいきなり映画の世界に引き込むためによく使われる手法ではあるんですが、あまりに情報なしで見せられるのでむしろ混乱するだけであまり成功しているようには思えません。

冒頭の大津波ではお台場のフジテレビ本社ビルが破壊されるシーンがあるのですが、この映画は日本テレビ系の製作であることを考えるとなかなか意味深な印象です。フジテレビの象徴であるビルの球体部分が吹き飛ばされるような津波ですから、そもそも新橋だけに被害が集中するはずはなく、難を逃れた人々が新橋のビル街に避難しているというのはどうなんでしょうか。

重傷を負っているキムに重村がそこらにあるので輸血をするのは、かなり強引な設定。いくら元レスキュー隊員がいるからと言って、非難した場所の頭の上で爆薬を使うというのも、あまりに一か八かすぎやしませんか。するなら、こっちからも何らかの信号を送るなりのことをするように思います。

これだけの大災害なのに、警察も自衛隊も出てこないし、ましてや政府も音沙汰無し・・・まぁ、突っ込見所はたくさんあるんですけど、コード・ブルーで山P呼んだらいいのにとか、今なら東京MERで鈴木亮平が駆けつけてくれるよねとか、余計な事ばかり考えてしまう映画です。