2022年4月30日土曜日

タケノコのイタリア風


4月後半くらいから、日本で旬な食べ物というと、真っ先に思い浮かべるのがタケノコじゃないでしょうか。炊き込みご飯とか、煮物とか、青椒肉絲とかでタケノコを食べ飽きたら、イタリア料理の一つでも作ってみるのが精神衛生上お勧めかと。

ところが、ネットを探してみると、イタリアではタケノコは超マイナーらしい。まともなレシピはほぼ出てこない。YouTubeでイタリア人が何か作っていると思ったら、中華風炒め物だったりして、それなら日本人の方がよっぽど美味しそうに作れそう。

ただし、数少ないイタリア人のタケノコ紹介では、ほぼ共通しているのは「味がニュートラルでどんなものにも合わせやすい」ということ。確かにそれは間違いとは言えないので、だったら普通にイタリアンな炒め物にしてしまおうということに・・・


ジェルモイ・ディ・バンブー・アッラ・イタリアーナ(Germogli di bambù all'italiana)ということで、(呼び名だけは)イタリア料理っぽくなったところで、レシピの紹介です。

結局、ペペロンチーノの作り方と一緒にしてみました。オリーブオイルにニンニクみじん切りを入れてスイッチON!! ニンニクから泡がでると香りがオイルに移ってきます。そしたら鷹の爪を入れて、焦げてしまう前に、筍、マッシュルームを好きなだけ入れて炒めます。

軽く塩を振って味を整えたら、小口切りにした生トマトを投入して火が通る程度に一緒に炒めたらイタリアンパセリを乗せて出来上がりです。

まぁ、普通に食べれますが、取り立てて美味というほどではないかも・・・いや、まぁ、とにかく普通です。合わないわけではないけど、合うというほどでもない。タケノコが余っていて、味変して食べたいと思っている方は一度はやってみてください。

2022年4月29日金曜日

イタリア・ワインの話 2 一般知識


ワインの知識はほとんど無く、安いから買って飲んでいるだけ。フランスならボルドーかブルゴーニュ、シャンパンと呼べるのはシャンパーニュ地方で作られたスパークリングだけ。原料となるブドウの品種としては、赤ならピノ・ノワール、カルベネ・ソーヴィニヨン、メルロー。白だったらシャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、リースリング。

おそらく、その程度が精一杯で、正月の芸能人格付けを見て、安い方のワインですら高いと思って買ったことも無いのです。ましてや、1本が何万円もするワインの良し悪しなどわかるはずもないわけで、それより1000~3000円くらいを10本飲めた方が嬉しいと思ってしまいます。

ですから、ワインのことを勉強してみようと思っても、どこから始めたものか途方に暮れるだけ・・・なんですが、特に格式高く値段もバカにできないフランス・ワインに比べると、イタリアはカジュアル感があって、必ずしも高い格付けされたワインがやたらと高価というわけではないので、そこんとこはちょっと嬉しい。

もっとも、自分を含めて大多数の一般人は、千円前後のワインで十分に楽しんでいるわけだし、高級ワインばかりを飲んで蘊蓄を語るような方々は別世界人と割り切るしかありません。ただし、安いワインでも安いなりに多少の勉強をしておくだけで、より美味しい物を見つけられるというもの。最低限、このくらいは知っていた方がよさそうなワイン全般に関する知識を仕入れていくことにしたいと思います。

まず、果実はどんなものでも発酵させてワインにできるというのが原則。果実に含まれる糖分がアルコールに変化するのは、熟成中の魔法のような出来事です。ただし、糖分が過不足なく含まれ、雑菌を増やさずに作れるのがブドウと言うこと。

ワインに使われるブドウの品種は世界中で1000種以上あるようですが、これは主として病害を防ぐために研究され人工的な交配により生み出されたもので、植物学的には数種類に含まれてしまうようです。その中でも、大多数がヴィティス属のヨーロッパ種(Vitis vinifera)に含まれ、生食用に比べて皮が厚く小さめです。

フランスだっら、ボルドーは主として赤はメルロー、白はソーヴィニヨン・ブラン。ブルゴーニュでは主として赤はピノ・ノワール、白はシャルドネという具合で、比較的わかりやすい。イタリアはブドウ栽培に適した気候のため、ほぼ全土でたくさんの品種が栽培されていて、しばしばブレンドも行われるので、それらをすべて把握して理解することは至難の業です。

主として果実の果肉だけから作られるのが白ワイン。果皮も加えて赤くしたのが赤ワインで、果皮に含まれるタンニンにより独特の飲み心地となります。そして、赤白のブドウを混合させて、透明なピンク色に作り上げたのがロゼ。アルコール発酵で発生する炭酸ガスを多く含ませるとスパークリングワインになります。

基本的に安いワインは、瓶詰めされて早いうちに飲む方が果実味が残って美味しく感じられます。高価なワイン、特に赤ワインは瓶内熟成を前提に作られていて、数年待ってから飲むことが推奨されています。とは言っても(一部の例外を除いて)何十年も昔のものが良いわけではなく、高級ワインでもだいたい赤は10~20年物くらい、白は10年前後が飲み頃とされるようです。当然、年によってブドウの出来映えは変わるので、高級ワインではヴィンテージ(何年物か)をチェックすることになります。

どんなに高級なワインでも、飲み方を間違えると台無し。まず温度ですが、温度が低いほどタンニンの渋みが強くなり、高いほど香りが強くなるので、赤ワインは濃厚なもの(ボディという言葉で表現されます)ほど冷やし過ぎないことが肝心。軽いライト・ボディで12゚c、ミディアム・ボディで15゚c、フルボディなら18゚cくらいが目安になります。

また温度が低いほど甘味・酸味は弱くなりますので。白ワインは赤より低めですが、辛口は10゚c前後、甘口は5゚c前後に冷やします。スパークリングは、基本は白ワインに準ずるわけですが、温度が高いと破裂の危険もあるのでしっかり冷やすのが基本とされています。

さらにワインを注ぐグラスにもこだわりのポイントがあります。一般的には、赤ワインは飲み口がつぼまった大きめのグラスで、少量を入れてグラス内に香りを貯める感じ。白ワインは赤よりも細めのグラスで、スパークリングはもっと細いグラスが好まれます。グラスの胴体を持つのはワインが温まるという理由で細い脚の部分を持つ人が多いのですが、かえって不安定で危ないので推奨されていません。

ワイン単独で飲むというのはあまり無いわけで、普通は食事と合わせるわけで、適切な組み合わせにすることをマリアージュ(mariage、結婚という意味)と呼びます。一般的には肉には赤、魚には白と言われますが、食べ物と似たようなチョイスで味覚を強調する、むしろ相反する風味で合わせる、あるいは口に残るものを洗い流すような選択をするなどが考えられますが、まぁ、一般庶民は好きなものを好きなだけ飲むで満足しちゃいます。

2022年4月28日木曜日

アスパラガスのクリーム和え


春は野菜が美味しくなる時期で、アスパラガスも4月から5月が旬な時期。湯がいてそのまま食べても美味しいのですが、スタンダートにはベーコンとかと一緒に炒めたりします。今回は、イタリアンなアレンジを考えてみました。

アスパラガスは切り口から水分が抜けて固くなってしまうので、普通は下の方を数cmくらい切って捨ててしまいます。これって、いつももったいないと思っていましたが、確かにそのまま食べようとしてもとても食べられたもんじゃない。

そこで、この部分は全部ブレンダーで粉々にしてしまえばいいんじゃないかと気がついた・・・早速、やってみました。少しだけ茹でた後にギュイ~~~ンとやったら、緑色のアスパラガス・ペーストになりました。

オリーブ・オイルを少しだけ入れてバンチェッタを炒めます・ある程度油が出たらスライスした玉ねぎ、マッシュルームを追加して炒めます。パンチェッタは塩味が強いので、後で塩を追加する必要はほぼありません。パンチェッタが無い場合はベーコンで構いませんが、塩は少し追加した方がいいかもしれません。

少量の塩を入れた湯で、残りのアスパラガスを食べやすい大きさに切って数分間茹でます。そしたら、茹でたアスパラガスとペーストをフライパンに投入して全体に絡めます。最後に生クリームを大さじ1程度、パルミジャーノを大さじ1程度入れてなじませたら出来上がり。

いつもの「アスパラ・ベーコン」が、ちょっとの一手間で、グレードアップして無駄なく全部美味しく食べることができました。

2022年4月27日水曜日

セリのフリッタータ


フリッタータ(frittata)は、簡単に言ってしまえばイタリアのオムレツです。

言葉自体は目玉焼きのように卵を「炒める、揚げる(フリット、fritto)」というところから来ていて、オムレツに具材を入れる場合は、中にまとめて卵で挟み込むイメージですが、フリッターターではといた卵に最初から具材を混ぜて焼く感じ。

基本的な作り方は、パルミジャーノを振り入れて溶いた卵の中に火を通したお好みの野菜をたっぷり入れて、塩コショウで味を調えたらしっかり焼くと出来上がり。

今回は、たっぷりのセリを上乗せしてみました。セリはきりたんぽ鍋でも大事な食材ですし、正月7日の七草がゆにも登場するので冬が旬という印象がありますが、実は香りが強くなり伸びてくる4月頃が旬の食材。

卵4個、パルミジャーノの粉末大さじ2杯くらい、塩コショウは適量をよく混ぜ合わせます。今回は火が通っていなくても食べられる小口切りのトマト、スライスした玉ねぎ、イタリアンパセリなどを入れました。

フライパンにオリーブオイルを入れて熱くしたら、これらを流しいれある程度固まってきたら上にセリをどさっと乗せます。セリは湯がいてしまうと香りが減ってしまうので、蓋をして弱火で蒸し焼きにしました。セリがしんなりしたら完成です。

セリの香りが立ち、少しシャキっとした食感が残るので、卵のフワっとした感じとコントラストが出てなかなか美味しい感じに仕上がりました。

2022年4月26日火曜日

コールスロー


コールスロー・・・ってイタリアン? という声が聞こえそうなんですが、確かにアメリカンな食べ物かなと思います。

実際、某有名チキン・フライのチェーン店があって、サイドメニューにあるコールスローがめちゃくちゃ旨い。正直、チキンは食べたいと思うことはないのですが、コールスローは食べたくなる。

そもそも古代ローマ時代からあったというコールスローって何? ということなんですが、最初はcold slowかと思っていたりして、冷たくてゆっくりってどういうこと? みたいな。

コールスローはアブラナ科という意味の「cole」とキャベツの千切りという意味の「slaw」が合わさったものだそうで、事前に調味料と合わせてなじませてあるところが特徴のサラダ料理。

キャベツはイタリアでもメジャーな野菜の一つですし、調味料についてもかなり自由度があるようなので、イタリア風にすることは簡単かなと思いました。基本となる作り方は、キャベツの千切りを塩もみして、マヨネーズと和えるというイメージなんですが、それじゃあまりと言えばあまりなんで、もう少しらしくしてみたいと思います。

使う野菜は、何といっても時期的に旬な春キャベツを使います。隙間があるので、ケチケチしないで半分くらいは切っちゃいましょう。多少多くても数日くらいは日持ちするので気にしない。

あまり細く切ってしまうとしなしなになって食感が減ってしまうので、けっこう大ざっぱな切り方でOK。チキン屋さんの味に近づけたいならみじん切りですが、この場合も大きめのみじん切りがお勧めですが、箸では食べにくくなります。

後は何を入れてもよさそうですが、今回は玉ねぎ(1/2個)、にんじん(1/4本)、ピーマン(1個)、キュウリ(1本)、そして少しだけセロリをいれました。これらは脇役なので、薄めのスライス(あるいは千切り)です。玉ねぎとにんじんとくれば、イタリア料理の基本香味野菜トリオとしてセロリが不可欠。

これを全部大きめのボールに入れて、軽めに塩を振ります。全体にまぶして、しばらく放置しておくと野菜から水が出てくるんですが、これを捨てた方が良いという人が多いのですが、せっかくの野菜の旨味なので、この水をドレッシングのベースにしてもいいんじゃないかと思います。

ワインビネガー(なければ米酢でも可) 50ml くらいに、砂糖 大さじ1/2、オリーブオイル 大さじ1くらい。マヨネーズもお好みで入れますが、たくさん入れるとマヨネーズの味ばかりが目立つので少なめがお勧め。味を見て塩を追加。お好みで胡椒。

これを野菜にざっと回しかけたら、上から重しを乗せて1時間くらい放置します。どっちにしてもここでも水がたくさん出てくるので、さすがに多少は捨てて調節した方が良い。

さらにイタリアンにしたければ、野菜としてはバジルやイタリアンパセリを加えたり、ドレッシングにニンニクを追加したりとアレンジはどうにでもなります。もちろんよく入っているハムとかコーンとかを追加してもOKです。

大きなボールに溢れそうだった野菜が、最終的にはラーメン丼に収まっちゃうくらいになりますので、めちゃめちゃ美味しくて二人で一気に食べれてしまいます。

2022年4月25日月曜日

菜の花と鰤


どこの国でも旬な物を食べるというのは食文化の基本。

・・・とは言っても、やや旬な時期が終わろうとしている二つの食材なんですが、一つは菜の花。春を告げる野菜で、ちょっと苦みがあるのが特徴。

もう一つはブリ(鰤)。ブリは「寒鰤」と言われているくらいで、真冬の時期に脂が乗って美味しい。ただし、それは天然物の話で、今は養殖物が安く出回っていて、むしろ夏に向けて美味しくなると言われています。

いずれも、和風な食材ですが、簡単に普通にイタリア風の味付けによく合います。

菜の花は、だいたい15cm程度に揃えてパックに詰められていたりします。さすがにちょっと長いので半分くらいに切って、水でよく洗っておきます。

ブリは普通に網焼きでもいいですし、フライパンで油をひかずにから焼きでもOK。量はそれほどいらないので、余りものでもかまいません。

作り方はまさにペペロンチーノと同じ。

フライパンにオリーブオイル、みじん切りのニンニクを入れ弱火で香りを出します。そこへ輪切りにした鷹の爪をお好みの量いれます。焦げてしまう前に、菜の花を入れ炒めます。

さらに火が通ったブリを手でほぐして入れ、塩で味を整えたら出来上がり。程よい苦味と辛味が癖になる美味しさです。このままパスタと合わせてもOKですね。

2022年4月24日日曜日

ジョーズのソテー


いや、ジョーズ(JAWS)っていうか、要するに鮫です。

スーパーにときどき見かけるんですが、「鮫」ってラベルを見ると、怖いもの見たさみたいなところで興味が湧くけど、食べてみる勇気が出ない。

ところが、イタリア料理の食材としては必ずしもレアではない。意外とサメを使ったレシピが紹介されていたりするんです。イタリアで食用にされているのはドッグフィッシュと呼ばれるサメみたいですが、日本のスーパーに並んでいるのはモウカサメ、正式にはネズミザメと呼ばれているもの。

臭みの少ない淡白な味で、癖が少ないため食用向きとされています。切り身はメカジキみたいですが、やや明るい感じの色で、柔らかい感じです。いろいろな味に変化するんですが、ここは初めてサメに挑戦するんで、まぁスタンダードと呼べるソテーにしてみました。

オリーブオイルにニンニクの香りを移して、塩胡椒で下味をつけたサメをじっくりフライパンで焼くだけ。サメだけの味はちょっと不安だったので、トマトベースの簡易カポナータをソースのように添えています。

さてさて、お味は・・・うん、確かに癖のない味で食べやすいかもしれない。出来上がりもメカジキに似ていますが、メカジキよりは歯応えは無く、油気も少ない感じ。

知らないで出されれば、特に美味しいというほどではない白身の魚という印象。食べれないわけではないのですが、サメというイメージでだいぶ損をしているのかもしれません。少なくとも、安価で低カロリー、高タンパクな食材としては優秀です。

2022年4月23日土曜日

包丁の話


包丁って・・・プロの料理家じゃないので、うちにあるのはおそらく一般の家庭に普通にあるようなもの。特にイタリア料理だからと、特別な物はありません。

包丁はプロはいろいろな専用のものを使い分けます。魚を三枚におろすのに出刃包丁、刺身を切るのに柳刃包丁といったものはよく知られていまが、そんなに一杯持っていても使いこなせません。

でかい方は、一般には先がやや鈍な感じの肉・魚・野菜のいずれにも対応できる三徳包丁が使いやすい。刃の長さはだいたい16~18cmです。もともとは長年、三徳を研ぎつつ使っていました。ただ、もう少し長さがあった方が使い勝手が良いと思うことが多々あります。

そもそも、切れ味は相当鈍ってきていましたので、トマトを薄くスライスしたくてもほぼ無理という感じでした。この数年は、別に安価な薄刃の料理ナイフを使っていましたが、さすがにこっちも切れ味が悪くなってきた。

そんなわけで、最近ついに新しい包丁を買うことになりましたが、素人としてはでかいのと小さいの、2本あれば十分。小さい物は、ペティナイフと呼ばれる刃が10~15cmのものが一般的。問題は大きい包丁をどうするかです。

基本的には三徳にしておけば間違いないのですが、やはりもう少し長さが欲しい。となると、牛刀(あるいはシェフ・ナイフ)と呼ばれる包丁が選択肢に入って来る。ツヴィリング・ ヘンケルス、吉田金属、三星刃物、藤二郎など有名メーカーはたくさんあります。

ネットを探しても、評価はひとそれぞれで何がいいのかピンとこないので、お店に行った方が間違いない。安い数千円のものはホームセンターでもいろいろ取り扱っていますが、間違いなく切れ味は劣るだろうし、かと言って数万円もする高級なものは身の程知らずになりそう。

そこで料理雑貨の専門店に行ってみました。予想通り有名各社の包丁が並んでいるのですが、店員さんの実際に使ってのお勧めと予算の関係で選んだのは、吉田金属のブランドGLOBALです。

ネットでの評価も高かったのですが、GLOBALのスタンダードは三徳包丁で刃渡りは16cmと18cmのものがあります。ただもう少し長さが欲しいとなると牛刀の20cmなんですが、牛刀は店にありませんでした。店にあったのはGLOBAL-ISTの19cm。

この1cmの違いにこだわってこちらを選択。通常のものよりISTはより日本向けに特化した仕様になっていて、店員さんも10年くらい使っていて研いだことが無いけど切れ味は落ちないとのこと。15cmのペティナイフと合わせて「万能2点セット(¥18,700)」を購入しました。

トマトを切ってみると、力を入れずにすっと刃先が入るので、トマトを潰す感じがありません。感動物の切れ味です。もっとも、新しければどれでもそんなもんかもしれませんが、食材を壊さずに薄くスライスできるというのは重要なところです。

こだわりの1cmの違いも実感できました。短いと、あと少しのところで刃を戻したり、引き直したりしなければならないのですが、たった1cmでもそういう機会がぐんと減りました。注意しないといけないのは、切れ味がよいので指先に注意することと、切っ先がとがっているところです。

2022年4月22日金曜日

ストラッチャテッラ


ストラッチャテッラ(Stracciatella)は、かき卵とバルメザンチーズのスープです。これもまた実にシンプルなレシピなのに超旨い。

かき卵というと、日本の卵とじ。これ出されたら、イタリアンとは思えないのが普通かもしれませんが、食べてみれば、あ~イタリアンだぁとなります。

日高シェフが紹介するレシピにならって作ると、まず最初に用意するのは鶏ガラベースのブロード(だし汁)なんですが、残念ながら冷蔵庫に鶏肉が無い。野菜のブロードにしようと思っても、セロリを切らしてしまいました。そこで、久しぶりのマギー・ブイヨンの登場。

マギー・ブイヨンは商品名ですが、基本的に香味野菜・牛肉などを煮詰めて濃縮した出汁で、無添加をうたっています。注意しないといけないのは、約50%が塩分なので、固形キューブ4g/個に対して2g程度の塩が含まれているところ。

キューブ1個をシンプルなスープにするのに水は400ml程度無いと、けっこう塩辛いと思います。今回はチーズも使うので、キューブ1個に水は500ml程度にして沸騰させました。

生卵2個にパルミジャーノ・チーズを大さじ2~3杯程度(お好みで調整)、そしてイタリアンパセリのみじん切りを合わせてしっかりと混ぜておきます。

これらを、沸騰しているスープの鍋にいっきにいれます。そのまま固まるのを待つのではなく、ある程度かき混ぜます。ストラッチャテッラには「引きちぎる」という意味があって、卵をこまかくちぎってしまう感じ。

しばらくすると卵が固まってフワフワと浮いてきますので、これで完成。皿に盛って食卓へどうぞ・・・なんですが、これだけだと調理時間はほんの5分程度で有難味がないかもしれません。

日高シェフのアレンジ・レシピは、これにモロヘイヤとフェデリーニ(1.2mm程度の細めのロングパスタ)を入れたりしています。米と合わすのもありだと思いますが、今回は手近に残っていたホウレン草を追加しています。

とにかく、かき卵がふわっふわで、簡単で美味しいので、是非試してみてください。

2022年4月21日木曜日

トマトのクリームスープ


トマト・ベースの・・・ようするにいわゆるポタージュなんですが、Crema di pomodoro ということで、シンプルですが超美味しいスープです。

実はハンド・ブレンダーという、手持ちで使うミキサーを使います。玉ねぎスライス(1/2個)をバター(10gくらい)で炒めます。火力は弱めで、ジュージューさせません。絶対に焦がさないで、ゆっくり、じっくりです。ブレンダーが無い場合は、かなり細かめのみじん切りにしてください。

玉ねぎに火が通ったら、小口切りにしたじゃがいも1/2個と生トマト3個を入れます。ここでトマトに一工夫します。先に切ったトマトに、塩小さじ1程度と砂糖小さじ1/2程度を振りかけて和えておきます。高級フルーツトマトを使うなら砂糖はいらないかもしれません。こうしておくと、トマトの旨味が凝縮して甘みも増すという仕掛け。

ここでもブレンダーが無い場合は、じゃがいもについては先に茹でて十分に潰してマッシュポテト状にしておきます。食感を良くするため、面倒でもトマトは湯むきして種の部分は取り除いておきましょう。そんなこんなで、水を500mlくらい入れてしばらく煮込みます。

ブレンダーがあれば、全体に火が通ったら鍋の中でギュイ~ンといっきにすり潰してしまいます。トマトに振った塩で味は十分だと思いますが、どうしても足りないならここで追加。最後に生クリームを100mlくらい追加し、一煮立ちしたら二人前のつもりで出来上がりです。

まさにポタージュ。しかも、トマトの酸味と甘味が加わって絶妙な美味しさです。バケットとかクラッカーなどを添えてみるとオシャレかなと思います。

2022年4月20日水曜日

ミネストローネ


これは、外見はいかにもミネストローネですが、シンプルさとカロリーを重視して作った「野菜スープ」です。

ミネストローネは日本で言えば味噌汁みたいなもので、地域によって、各家庭によって様々な作り方があるようです。なかなか一定の作り方を説明するのは難しいわけで、「これがうちのレシピ」と言えばそれがミネストローネになっちゃう。

少なくとも「具沢山」という意味のネーミングのスープですから、いろいろな具材がたくさん入っていることは間違いない。一般にトマトで赤くなっているスープをイメージしますが、これもいろいろ。しばしばベーコン(パンチェッタ)は入っている。ニンニクをオリーブオイルで炒めた後に、具材と水を入れて煮込むというのが基本のようです。

今回は、あえて油は使わず、肉的なものも無し。本来は、ある程度炒めるのかもしれませんが、小口切りにしたいろいろな野菜だけを煮るだけで、味付けも塩と控えめな胡椒だけです。

香味野菜の基本3種類は、玉ねぎ、セロリ、人参ではずせません。じゃがいも、ズッキーニ、パプリカ(彩りが良いので赤・橙・黄)、マッシュルーム、そして最後に皮むきして入れたのがトマト。トマトは煮崩したくなかったので、さっと煮る程度で、スープは赤くありません。

イタリアだと、ひよこ豆とかレンズ豆というのがしばしば登場するんですが、日本ではあまり馴染みが無いので、今回は冷凍枝豆を利用してみました。他にも、何を入れてもOKだと思います。

全部小さく切ってますから、調理時間は切って煮るで20分程度。野菜の旨味だけで、十分すぎるほど美味しいスープで、しかもカロリーはかなり控えめなので言うことなしです。

2022年4月19日火曜日

キャベツのスープ


スープは、イタリア語ではズッパ(zuppa)ですが、これはいろいろな具材と共にスライスしたパンが入っている料理らしい。野菜や肉・魚などから取られた出汁をブロード(brodo)と呼び、いわゆるブイヨンという最もシンプルなスープになります。クリームが入るスープはクレマ(crema)、香味野菜やトマトなどを細かく切った物が入るとミネストラ(minestra)、さらに具沢山だとミネストローネ(minestrone)と呼んだりするようです。このあたりの細かい違いは、なかなか理解しにくいところです。

日高シェフが紹介してくれているのは、春キャベツをメインにしたズッパでした。ベーコン、玉ねぎ、キャベツ、じゃがいもに水と塩という実にシンプルなレシピ。皿に焼いたバケットを下敷きにしていました。

さて、真似てみようと思ったものの、そもそも手元にパンが無かったので、ズッパとは呼べないのですが、このレシピを参考にしたミネストローネと呼ぶ方がよさそうなスープを作ってみました。

使った野菜は、キャベツ、玉ねぎ、じゃがいも、トマト、セロリ、ピーマン。そしてベーコンのかわりとして腸詰なしの自家製サルシッシャを入れています。

じゃがいもは、小さいビニール袋に少量の水と一緒に入れて電子レンジで数分間チン。時短で軽く火を通しました。サルシッシャは、豚ひき肉を塩・胡椒・セージ・ナツメグと共に粘りが出るまで練って、適当な大きさにしてフライパンで炒めてあります。

フライパンにオリーブオイルを入れ、厚めにスライスした玉ねぎと細かく切ったセロリを炒めます。次にじゃがいも、ざく切りのキャベツ、サルシッシャ、そして水を入れて煮込んでいきます。

10分くらいで、全体に火が通りますので、ここでトマト、ピーマンを追加し、塩で味を整えてあと数分間煮たら出来上がり。玉ねぎ、セロリなどが自然と野菜ブイヨンのベースになり、豚肉とトマトの旨味が加わって、追加の味付けはまったく不要。これもまた実にシンプルなレシピですが、大変美味しくいただくことができました。

2022年4月18日月曜日

きのこの話


イタリア料理でもキノコは大活躍する食材の一つで、イタリア語ではフンギ funghi です。ただ、日本と違い、旬の時期に旬の物を食べる文化があるので、年がら年中、簡単に手に入るわけではないらしい。また、地域による食文化もけっこう違いがあるようで、ネット情報だけではなかなか定番のキノコを決めるのは難しそうです。

もともと、ナポリタン・スパゲッティに入っていたというのもあって、マッシュルームはいかにもイタリアっぽく思ってしまいます。イタリアでは、時期になると一般人のキノコ狩りはかなり盛んらしく、食用の可否を判断してくれる役所もあったりするようです。

無い物ねだりをしても始まりませんから、日本で手に入りやすい代表的なものを選んでみました。

最初はマッシュルーム。あちらではフランス語のシャンピニオンと呼ばれ、イタリアでも、いつでもスーパーに売っているらしい。ハラタケの一種で、17世紀ごろから人工栽培されるようになり一般化したようです。日本のスーパーでは、たいていホワイト種とブラウン種が売っていますが、ブラウンの方が傷みにくく長持ちします。

エリンギはヒラタケの一種で、食感があわびに似ていることから白あわび茸という名前がついていることがあります。日本では90年代から人工栽培技術が確立し、急速に食卓に広まりました。香りが少ないのでどんな料理にも合わせやすいのが、利点であり欠点。元々は、地中海地域に自生していたものなので、イタリアでもよく使われているそうです。

イタリアの高級キノコとして有名なのがハラタケの仲間であるポルチーニ。丸っこいので「子豚」という意味が語源です。独特の香りが強く、イタリアでも人気が高い。ただし自生種しかないため、秋の時期にしか採取できません。パスタでもリゾットでも、そのままソテーなどどんな食べ方にも合います。

日本では、生のまま手に入れることはほぼ無理で、冷凍したものかスライスして乾燥させたものが売られています。価格はけっこう高い。安価な中国産もありますが、大きな声では言えませんが虫の混入がかなりあるようで注意が必要。ホールの冷凍ものは解凍すると、ぐずぐずになるので調理が難しい。乾燥ものが香りも凝縮して、扱いやすい感じです。

他にはジロール茸(アンズ茸、フィンフェルリ、あるいはガレッティ)というのもイタリアでは人気らしいのですが、日本では稀に乾燥物を売っている程度でなかなかお目にかかれません。

イタリア料理でも、日本で定番のキノコを使うのはほとんど違和感が無いので、しめじや舞茸などはどんどん合わせています。ただし、椎茸は香りがいかにも日本料理っぽいので、和風のパスタとかリゾットに向いている感じがします。

2022年4月17日日曜日

鰹と大葉のリゾット


今回はオリジナル・・・かもしれない。

かっこよくイタリア語にすると Risotto di bonito e perilla という感じ(かな?)。ボニートが鰹、ペリッラが大葉(紫蘇)ですね。実際のところは、和の食材を使ってみたということなんですが、まぁ、こんな感じの物はプロの料理家がきっと先にやっている。

和の雰囲気を出そうとすると、ちょっと方向がずれれば「雑炊」になってしまいます。そこで、和なんだけどイタリアンというところを意識して、お米はカルナローリ米です。スープにコンソメは使いませんが、鰹をいれました。

鰹節だと完璧に和の出汁になってしまうので、生の刺身用の鰹を薄くスライスして投入しました。生の鰹は味が凝縮していないので、ちょっと風味が弱いので、手元にあった魚醤(ナンプラー)をほんの少し加えています。イタリアンっぽくするのに、マッシュルームも合わせています。

オリーブオイルで玉ねぎみじん切りを炒めて、米を入れ米粒にオイルをまとわせます。そこへちょっと塩味にした鰹入りスープを、おたま(レードル)一杯分入れる。沸騰させ続け、水気が減ったらまた一杯追加を繰り返す。リゾットの作り方の基本を守ります。

ある程度、お米が好みの固さになったらイタリアン・パセリ・・・ではなく、今回は大葉のみじん切りを入れました。香りの豊かなハーブという意味では、まったく負けていません。

最後にチーズをいれたいところなんですが、チーズを使うといっきにイタリアンに傾いてしまうかと思いぐっと我慢。上から追い大葉を乗せて出来上がりです。

実食しての第一印象は、「上品」という感じ。チーズ入れてませんし、大葉ですから、くどくなくさっぱりした味わい。日本人的にはまったく問題ない。ただし、やっぱり鰹がちょっと弱い感じかもしれません。

ネットを探してみると、大葉を使うリゾットはけっこうあるようです。鰹の場合は、比較的塊で使っている感じ。やはり薄切りだと味が出きってしまうようです。米の粒を崩さないリゾットの作り方なので、なんとか雑炊感はまぬがれました。