ただし、最終シーンで何者かがカギとなる巻物を拾うシーンが挿入されていたことから、これは企画した鈴井貴之の確信犯的なところがありそうです。前作から5年後ということにして、南郷の代わりに息子の大志が加わることで、ホワイトストーンズを復活させました。
あの戦いから5年後、北郷(戸次重幸)は、皆の溜まり場である喫茶店HEROのマスターになっていました。本郷(安田顕)は、バカでも強くなれることを書いた本がベストセラーになり東京大学の講師として教壇に立っています。そして、大門は故郷の礼文島に帰り、漁師になっていました。恋人の富子(小野優子、HTBアナウンサー)がいたものの、洗脳された妹は元に戻らないまま亡くなっていました。
宮城県白石で爆弾テロ事件が発生します。札幌市白石区は宮城県白石の人々が明治の初めに入植してきた場所なのです(これは本当)。嫌な予感がした本郷は急遽戻って北郷と共に怪しいビール工場に潜入すると、二人の首領をトップにしたネオ悪の秘密結社に襲われます。しかし、二人だけではホワイトストーンズに変身できないため、逃げるので精一杯でした。
そして、白石区でも爆弾テロが起こり、南郷の息子の大志(北野雄大)と母親(北川久仁子)が巻き込まれ、母親が亡くなります。大志は母親の仇を討つためホワイトストーンズに加わるのでした。しかしまだこどもの大志は爆弾怪人に倒され、大志もまた川北博士(音尾琢真)の改造手術でより強くなって蘇るのです。
大門は「あなたを必要とする人がいる場所に戻って戦って」という富子の言葉により、ついに再び立ち上がります。川北博士も自分に責任がある悲劇の連鎖を止めるため、自らを改造したポプラーマンに変身しますが爆弾怪人と共倒れになってしまう。川北博士は、巻物を拾って白龍神社に隠したことを言い遺しました。
大門は白龍神社で巻物と共に伝説の剣と鏡を発見しますが、そこへホワイトストーンズが駆け付け、ネオ悪の結社の二人の首領(安田・戸次)も現れます。二人のボスは本郷と北郷に瓜二つの姿で、戦ってもまったく同じ力を持っているのでした。大門は善と悪は表裏一体であることに気がつき、剣で鏡を割ると強力な光によって二人の首領を倒すことに成功します。そして巻物は火を放って燃え、白鳥となって飛び立っていくのでした。
ヤマトタケルの東北遠征伝説を織り交ぜて、一見、壮大なストーリーになっているんですが、かなり無理矢理感は否めない。ただ、理詰めで見るようなものではないので、単純にどうでもいいようなストーリーを楽しめばいいだけです。
ドラバラの凄い所は、芝居だけでなく強引にナックスのメンバーに歌も作らせているところで、ふざけた歌詞もありますがけっこう良い曲がたくさん出てくる。彼らが鼻歌的に作ったメロディを、採譜して曲に仕上げるター・ナー・カー氏の技量には脱帽です。これらはTEAM NACSの結束力や技術的な底上げに大きく役立っていると思われ、かれらのアマチュアからプロへの脱皮を助けたことは間違いありません。