2025年9月8日月曜日

四国 R-14 (2000)

北海道限定演劇ユニットであったTEAM NACSは、北海道テレビのバラエティ番組である「水曜どうでしょう」にメンバーの大泉洋を送り込んだことで、知名度が一気に上がり人気を獲得していきました。

そして初めてメンバー5人全員が揃ってテレビに登場したのが、「水曜どうでしょう」の特別企画であるこの連続ドラマ(全4回)でした。

「水曜どうでしょう」は大泉以外は、ナックスの所属しているCreative Office Cueの社長である鈴井貴之と番組ディレクター2人がレギュラーで、メンバーの安田顕が準レギュラーでしたが、鈴井が第1回監督作品である映画「man-hole」の製作のためしばらく休みになったため企画されたものです。

「水曜どうでしょう」で2000年3月に収録された四国八十八か所巡りの中で、ある寺のところで、撮影カメラに異常をきたす怪奇現象(現実には単なる故障らしい)に見舞われたことを元ネタにして、ディレクターの藤村忠寿が監督、主として撮影を担当していた嬉野雅道が脚本を担当しました。

編成部長(安田顕)から低予算のドラマ制作を打診された藤木ディレクター(森崎博之)は、一緒に番組制作に携わる上島ディレクター(音尾琢真)に相談します。二人はローカルタレントの大沼陽(大泉洋)と四国お遍路の旅をしたときに、ある寺で怪奇現象が起こったことを検証することを思いつきます。

藤木・上島・大沼の三人は、再び四国にむかい、あの時と同じ時間帯に寺を訪問しました。すると、またもや不思議が減少が発生し、何かが迫ってくる気配を感じてその場を逃げ出します。

その時に録画していた映像を確認すると、どこかの田舎道の映像が映り込んでいて、藤木はどこかで見た場所だと思いますが思い出せません。上島は大沼の様子がどこかおかしいことが気になります。藤木がもう一度四国に行って、謎を明らかにしたいと言うため、上島は大沼の携帯に電話しますが通じない。そして、偶然に半年前の録画された衝撃的なニュース映像を見てしまうのでした。

ほとんどバカ騒ぎ的な番組であるのに、まったく笑いを廃した純粋なホラーに仕上がっていて、当時の番組の視聴者も相当混乱したらしい。まぁ、全体で90分程度のドラマとしては、うまくできている方だとは思います。ただし、さすがに低予算で涙ぐましい努力が繰り広げられているようですが、怖さはイマイチというところでしょうか。

タイトルは四国八十八か所巡りで撮影したビデオ・テープの14本目(ロール14)という意味。14歳未満視聴不可という意味ではありません。

本来は準レギュラーだった安田が上島役のはずでしたが、安田は鈴井映画の主演者の一人だったため、出番は少ない役になっています。また、メンバーの戸次重幸は、役が無いため、その他のエキストラ全部ということになっていて、顔がはっきりわかるのはその中でも数秒だけです。戸次の登場回数を当てるクイズも行われました。

まぁ、ナックス揃っての初テレビ出演という記念ではありますが、初ドラマですから舞台との違いが大きく、メンバーはまだまだ馴れていない感がたくさんあります。彼らの若い時の記録の一つとして、楽しめればいいんではないでしょうか。