2020年4月30日木曜日

新型コロナウイルスの症状

内科学会シンポジウム(4/12)より

横浜市は、5月初めからドライブスルー方式の新型コロナウイルスに対するPCR検査を開始する予定という報道がありました。医師会が協力することになるのは必至ですが、(内科でないためなのか?)今のところ特に話は何も聞いていません。

以前の新型インフルエンザの時には、都筑区では区役所と医師会が合同でパンデミックとなった場合を想定した科に関係ない緊急時訓練がありましたが、実際のパンデミックが起こっている現在では、何の動きもここまで無いのは不思議です。

それはさておき、ドライブスルーにせよ検査体制を拡充すると、どういう人が検査を受けに行くべきが、より明解になっていないと人が押し寄せて混乱するだけ。

厚生労働省が、自宅待機中に亡くなった事例が出てきたことで、在宅で注意すべき緊急性の高い症状をまとめました(ただし、厚生労働省のHPでどこに掲載されているのか探せませんでした)。

ただし、これは肺炎のような重症化した場合の話で大事ではありますが、大多数の不安を感じている人にはあてはまりません。

上のグラフは中国の報告ですが、真ん中がICU管理になった重症者、右側が軽症者の症状をまとめた物です。

重症度の違いで、呼吸困難と食欲不振以外には大きな差はありません。コロナウイルスは通常のカゼの原因ウイルスですから、ほとんどの自覚症状は特異的なものはありません。

有名人の話から、日本では味覚・嗅覚の異常も言われるようになりましたが、これも特異的とは云い難い。

少なくとも、インフルエンザでは圧倒的に咽頭痛が多くなり、消化器症状はほとんどありませんので、インフルエンザよりも全身への影響がありそうに思います。

発熱だけはほぼ全例で見られるようですから、明らかに数日以上発熱が続く場合は要注意となります。

4月22日に新型コロナウイルス感染症対策専門家会議から厚生労働省へ、感染拡大を受けての最新の提言が行われています。以下はその中での、対応の仕方の案ですが、横浜市を含め各地で実際にもこれに従った検査体制が動き始めています。


正直な感想としては、新型コロナウイルス感染症対策専門家会議もクラスター潰しに固執し過ぎて(あるいは政府の経済温存?の意向に沿い過ぎ)、状況変化に即応する力が落ちているのではないかと疑問を持ちます。これは本来、緊急事態宣言がなされた時点で行われるべきだったのではないかと思います。

とりあえず、帰国者・接触者相談センター(そもそも名称が限定的)のみのチャンネルが拡大され、少なくとも医師が疑いと判断した人は全員検査できるような体制を構築することが勧められています。

基本的な疑い例の考え方には変更はありません。風邪症状や37.5゜以上の発熱が、4日以上継続する場合、および3日以内でも緊急性高いとされる症状が出現した場合には、検査の対象になる可能性があります。

5月以降、各地でコロナ検査センターが開設されれば、より安心が得られやすくなるかもしれません。ただし、医療機関への受診については、発熱外来を設置しているか、感染症に対応できる病院・クリニックに限られることに注意してください。