https://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/202004/CK2020042202000126.html
新型コロナウイルス感染問題で、しばしば登場する「濃厚接触者」という言葉。
クラスターと呼ばれる、いわゆる集団感染を防ぐためには、いかに感染者から別の人に感染が拡大していくのをストップできるかが重要。ところが、COVID-19については無症候性感染者の存在が悩ましい。
感染しているのに症状が無い人が5人いると、そのうち1人は他人に移していると言われていますが、症状が出ない人が間に入ると感染のリンクが途切れてしまいます。
リンクが不明の感染者が出現すると、新たなクラスター発生を防止するために、過去に戻ってその人が移したかもしれない人々を探すことになるわけですが、そういう疑いをかける必要があるのが濃厚接触者です。
当初の定義としては、発症日以降に2m以内(Social Distance)に接近した人としていましたが、4月20日に国立感染症研究所が「新型コロナウイルス感染症患者に対する積極的疫学調査実施要領」の中で、この定義を変更しました。
まず、発症前からうつす可能性を認め、時期としては発症前2日以内から隔離されるまで変更しています。距離については、直接手で触れることが可能な1m以内に15分間以上滞在し、適切な感染防護が無かった場合としています。
もちろん、発症者と同居する者、明らかに直接接触する者、汚染物を直接触れた者は無条件に濃厚接触者とされます。
当クリニックの場合、直接発熱者の診療は行っていませんが、現在のところ自分が感染していないと証明できませんし、受診した患者さんも同様です。受付から待合室については、濃厚接触を防止することは可能ですが、診察行為はどうしても接近せざるをえません。また、リハビリ室では、スタッフが直接に患者さんに触れる状況も回避不可能です。
標準的予防策(マスクの着用・手指のアルコール消毒)以外に、クリニック全体の換気、診察室は診察中でも可能な限り開放して換気を確保する、患者さんが使用したリハビリ機器・触れた部位などは毎回次亜塩素酸ナトリウム希釈液による清拭を行うなどを実施しています。
また、スタッフの人数は診療可能な最小に減らしていますが、体調不良のスタッフは、すぐに連絡をもらい自宅待機。1週間無症状を確認した後復帰してもらうことにしています。
来院される方は、できるだけマスクの着用をお願いします(クリニックからお渡しはしていません)。また、来院時にまず手洗いをしていただくことをおすすめします。トイレには、ハンドソープ、アルコール消毒液を用意しています。
感染しているのかどうか確認できない状況では、まだまだ対策としてはこれだけでは不十分かもしれませんが、今後もできることがあれば、努力して濃厚接触を防ぐしかありません。