日本内科学会シンポジウム(4/12)より
もともとコロナウイルス自体は、通常の風邪の原因として普通の物であり、たいていは1週間程度の上気道炎症状を起こします。COVID-19においても、大多数は無症状か軽症と言われています。
無症状については、当然どんなに厳密に調査してもその全体像はよくわかりません。アメリカでの無症状者に対して行われた抗体検査(感染した痕跡を確認できる)では、14%に陽性という数字が出ているようです。これは、PCR検査陽性者の10倍という驚くべき数字です。
中国での感染状況の報告では、確定患者のうち軽症者は80%。これはその他のデータでも似たような数字が出ていますから、全体像を考える上で基本となる数字と考えて差し支えなさそう。重症者は20%で、亡くなった方は2.3%でした。
医療崩壊が起こっているかの判断は、死亡する人が重篤者、重症者の中にで広がるかどうかが決め手になると考えられます。
つまり、人口密集地を中心に考えるなら1万人中1400人が感染し、そのうち140人が発症。さらに、その中の28人が重症化しているということになります。
これは爆発的な感染(オーバーシュート)が起こった場合の話ですから、現在の日本では最悪同じ程度になる可能性があると言えます。
日本では、昨日までに約350人が亡くなっています。当然、確定したものだけで、実際はもう少し増えるものと考えられますが、そこから類推すると発症者はすでに1万数千人。非常に絞り込んだPCR検査しかしていない、国内の実際の陽性者1万3千人とだいたい一致するのかもしれません。
ただし、まだ医療がなんとかギリギリで回っている日本の状況では、死亡率は低く抑えられていると考えられるので、実際の感染者数は陽性者数の数倍から10倍程度はあるのではないでしょうか。もちろん、死亡率にはどのような対策を行っているか国によって事情がかなり異なりますから、単純に比較できません。
不確実な数字しかありませんので、あまり考え込んでもしょうがないところがありますが、いずれにしてもまずは早く終息に転じることが最も重要なことに変わりません。