2025年10月31日金曜日
ミライさん (2018)
世の中の情報技術・・・つまりIT (Information Technology)の進歩は、21世紀になって急速に拡大して、特にメディアの世界では、従来の組織がどんどん縮小する傾向が顕著です。
例えば、本。文字文化の象徴みたいなところがありますが、本屋はほとんど姿を消しつつあり、手に取って文字を読むという習慣は過去の物になりつつある。例えば、新聞。発行部数は縮小の一途をたどり、いまやテレビのニュースはSNSに上がった個人の感想みたいなものばかりを垂れ流している。
しかし、他人とのコミュニケーション・ツールとして言葉そのものが無くなることは、今のところは想像できません。SNSでさえ、言葉を文字にして交換するというのが基本です。SNSの代表的なツールであるLINEは、オールド・メディアがやってきたことを取り込んで、どんどん肥大化しています。
そんなLINEが、2018年に初めてドラマとして製作したのが本作です。現在はYouTubeのLINE NEWSの中で見ることができます。スマートホンで見ることを前提として、1時間の番組では長すぎるという観点から始まった企画のようで、1話10数分で全5話という構成。制作サイドはこれでも長いと考えているらしい。
ただし、LINEの企画はこれ1本だけですし、今最も勢いのあるドラマ配信であるNetflixなどは、1話1時間程度が基本ですし、2時間の映画を作ってもいて、いずれも支持されているわけですから、短いドラマは見た時の満足感も少なくなってしまい必ずしも安定した需要は見込めないのかもしれません。
このストーリーは、ちょっとだけ近未来のホーム・ドラマという感じのもので、今野ミライ(のん)、兄のトモロウ(本多奏多)、母のイマコ(堀内敬子)、そして父のフルキチ(マキタスポーツ)という4人家族の話。
「人が働かなくてもいい未来」を作る自称革命家であるミライは、まったく働こうとせずダラダラと日々を過ごしています。わかりやすく言えばニート。トロモロウが発明した道具を、便利に使いこなして楽することばかり考えているのです。
フルキチは名前の通りで、ミライからはしょっちゅう「古い常識にとらわれている」と言われるため、ミライとはしばしばぶつかります・・・という、はっきり言って他愛ない内容。
スマートホンだろうと大画面だろうと、やはり内容の面白さが一番大事なポイントになるのだと思います。短い時間では、物語に深みがなく、ドラえもんのポケットから出て来たみたいな道具を巡ってのドタバタにしかなっていません。
ただし、この短いドラマが注目できるポイントの一つが「のん」の女優復帰作であるということ。のんについては、どうしても芸名にまつわるトラブルの話を避けては通れません。
2013年のNHKの連続テレビ小説「あまちゃん」と2014年の映画「海月姫」でブレークした能年玲奈は、その2つの出演を最後にメディアから遠ざかってしまいました。事務所の売り出し方針と本人の希望との間のずれのため退所したことが原因で、本名である能年玲奈は芸名としては事務所の商標であるため使用できなくなったのです。
トラブルを起こしたタレントはスポンサーは使いずらい。そのため数年間は露出が激減したわけですが、このLINEドラマで4年ぶりに女優に復帰しました。その後は着実に映画を中心に、俳優としての実力を発揮していて、テレビでも見かけるようになってきたので安心ですね。
2025年10月30日木曜日
おいしい給食 (2019~)
自分が給食を経験したのは、小学校の6年間。中学からは学校に食堂設備はありましたが、業者がまったく決まらず、ひたすら近くのパン屋で調達していました。まぁ、おかけでカップヌードル登場にも立ち会えたわけですが。
給食はと言うと・・・記憶にあるのは、不動のレギュラーだった脱脂粉乳と固い耳の厚切り食パン2枚。お世辞にも美味しいとはとても言えない。あとは平皿におかずが一品という組み合わせで、特に記憶に残るような美味は感じたことがなかったと思います。
牛乳や、米飯が登場するのはもっと後のことで、ニュースなどで聞いた時はとても羨ましい気持ちになったことを覚えています。クラスの皆と食べるとという時間的・空間的な共有が楽しかったとは思いますが、今となっては特別な思い入れはありません。
そう思うと、甘利田先生の給食愛のすさまじさは、とても理解しきれないところはあるんですが、甘利田先生が過ごした1980年代の給食メニューの献立は、自分が経験した給食とは異次元の物のような内容で、これなら楽しいだけでなく美味しいと思うのも当然かもしれません。
・・・甘利田先生? それ誰? と思った方、今ならまだ間に合います。すぐさまTVerをチェックしてください。今ならテレビで放送された「おいしい給食」の3 seasonのすべてを楽しむことができます。
2012年に始まった「孤独のグルメ」以後、テレビでドラマ仕立てで美味しい料理を紹介する番組がたくさん作られています。しかし、そのほとんどは料理の紹介に注力するあまりドラマとしての面白さは低いと言わざるをえません。唯一評価できたのは、高畑充希主演の「忘却のサチコ」で、主人公の成長をしっかり組み込んだことで見応えがありました。
さて、「おいしい給食」は、そのものズバリ、給食に特化した学園グルメ・ドラマです。母親の作る料理がまず過ぎて、こどもの時から給食がうれしくてしょうがなかった極度の給食愛好者である甘利田先生が、おなじく給食をさらに美味しく食べるためにあの手この手を繰り出してくる生徒の一人と毎回バトルを繰り広げるというもの。
学園物としての先生と生徒のつながりも描かれ、マドンナとなる女性教師とのドラマもあり、そして甘利田に敵対する人物も登場して、ドラマとしての面白さが十二分に盛り込まれています。給食という、誰もが経験して情報を共有できる素材に着目したというのが素晴らしい。
そして、何よりも主演の甘利田を演じる市原隼人の吹っ切れた演技が凄すぎる。市原と言えば、通常寡黙で強面という役が多いので、コメディとは対極にいる俳優というイメージですが、ここでは手足をキレキレに振り上げて踊りながら校歌を熱唱し、給食を褒めたたえて食べ切り、そして生徒の挑戦に目を丸くして敗北感を感じると床に倒れ込んでしまうのです。
しかし、それ以外の場面ではいつもの市原に戻るので、そのギャップに拍手を送るしかありません。役作りについては、かなり本人のオリジナルによるところが大きいらしく、甘利田という役に対する本気度が伝わって来るようです。
Season 1 (2019)では、常節市立常節中学校が舞台。産休の代替教員として赴任した御園ひとみ(武田玲奈)が副担任となり、甘利田と給食マニアの神野ゴウ(佐藤大志)とのさらに美味しく食べるための戦いが描かれます。
劇場版 おいしい給食 Final Battle (2020)
神野がより美味しい給食のたに生徒会長選挙に立候補します。給食を廃止したい教育委員会の鏑木(直江喜一)と対立した甘利田は、給食が続く学校への配置換えされることになります。
Season 2 (2021)では、転勤先の黍名子市立黍名子中学校に神野ゴウが転校してきて、再び給食を巡るバトルが再開します。学年主任の宗方早苗(土村芳)は、給食を愛しすぎる甘利田を不審に思い、鏑木の依頼で甘利田の様子を伝えるのでした。
劇場版 おいしい給食 卒業 (2022)
鏑木の作戦で、健康のためという理由で、給食の味が落ちてしまい、甘利田と神野は教育委員会に乗り込みます。神野は給食を守る教師になると宣言して卒業し、甘利田は函館に飛ばされてしまいました。
Season 3 (2023)では、函館市立忍川中学校に転勤しています。1年生の担任になった甘利田は、クラスの中にかつての神野を彷彿とさせる給食マニアである粒来ケン(田澤泰粋)がいることに驚きます。甘利田は新米の英語教師、比留川愛(大原優乃)の指導係となり、比留川の厳格な父親と対決することになります。
劇場版 おいしい給食 Road to イカメシ (2024)
甘利田は、自分が脚本を作ったクラス対抗の演劇をおこなうことになります。そして函館転勤を容認した影の目的である、イカメシの給食登場を待ち続けていたのです。
そして、現在公開中なのが、「劇場版 おいしい給食 炎の修学旅行」で、すでにたいへん好評らしい。どこまで続くのかわかりませんが、一度見だすとはまることうけあいです。あなたも、甘利田の"狂気"を微笑ましく思えることでしょう。
2025年10月29日水曜日
2試合分
昨日のMLB ワールド・シリーズ、ドジャース対ブルージェイスの第三戦は凄かった。
現地時間で試合が始まったのは午後5時好き。なんと終わったのは6時間半後ですから、ほぼ日付が変わろうかという時間。日本だったら終電を気にするところですが、車社会のアメリカはあまり関係ないのかもしれません。
何しろ、延長戦になって2試合分、18回の裏までかかって、昔の日本の高校野球の試合みたいなことになりました。1勝1敗の五分で迎えた第3戦ですので、ただでさえこの試合で勝つことは重要な意味があるというものです。
ましてや歴史に残る総力戦ですから、勝つか負けるかで精神的にもだいぶ違ってくるというものです。サヨナラ負けしたブルージェイスにとっては疲れまくった上に敗北じゃ、テンションが下がる一方・・・とは言え、そこはプロですから、気を取り直して今日の試合に臨むことでしょう。
日本シリーズだと、現行は第7戦までは12回で打ち止め。第8戦以降は無制限だそうです。MLBではレギュラーシーズンはタイブレーク制ですが、ポストシーズンは無制限だそうです。
もともと野球は勝負ですから、勝ち負けが決まるまでとことんやる・・・というのは、本来の姿かもしれませんが、実際のところ投手が変わったり、代打・代走が出たりで、使える選手が減っていきますから、無制限というのはかなりしんどいルールです。
MLBの最長試合は、1981年4月18日、ポータケット・レッドソックス(ボストン・レッドソックス傘下)対ロチェスター・レッドウイングス(ボルチモア・オリオールズ傘下)の試合で試合時間は8時間25分というのがある。
日本の場合は、1992年9月11日、阪神タイガース対ヤクルトスワローズ戦の6時間26分が最長で、延長15回引き分けとなっています。もっとも、判定でもめて37分間の中断も含まれています。長時間費やして決着がつかなかったので、両チームとも相当疲弊したことでしょう。
ところで、昨日は平日。仕事の昼休みに決着がつかなかったのには驚きましたが、それよりも大谷の結果にもっと驚いた。何しろ1日で9打席、しかも4打数4安打(2二塁打、2本塁打)・5四球(4連続申告敬遠含む)です。
敵の監督にしてみれば、そりゃもうこれ以上打たれたくないというのはもっともなことですが、もうまったくつまらない。つまらないんですけど、それほどまでに敵に恐れられる偉大なバッターだということに感心します。でも、今日は投手として先発予定となっていますが大丈夫でしょうか。まぁ、「2試合目」はほとんど休んでたみたいなものかもしれません。
2025年10月28日火曜日
ちゃん付け問題
最近のニュースで、ひときわ多くの人がとまどって反応したのがこれ。
会社で同僚女性社員に対して「ちゃん」付けで名前を呼んだことが、裁判でいわゆるセクシャル・ハラスメントと認定され、罰金か科せられたというもの。
ちゃん付けがセンセーショナルだったため、やや誤解されている傾向はありますが、この裁判の被告人はその他にも、確かに「それってセクハラだろう」と思うようなこともしていたので、それらを含めての判決のようです。
しかし、判決の中で「ちゃん」はこども大して使う言葉であり、大人が使う必要はないと断じたところは、なかなか議論を呼ぶことは避けられません。
自分のクリニックでは、患者さんがいる場面ではスタッフを「~さん」と呼んでいますが、確かに状況によって「~ちゃん」という呼び方もしている。スタッフの確認してみると、それが嫌だと思ってはいないとのことですが、今後は慎重にならざるをえない。
大人に「~ちゃん」は、一般的に親愛の気持ちを込めて使うわけですが、確かにそこには上下関係が含まれていて、相手を下に見ているところが無いとは言い切れません。こども専用の呼び方というのは言い過ぎのような思いますが、友だち同士はともかく職場では安易に使うことは控えるべきなのかもしれません。
だったら、相手にちゃん付けしてよいか確認すれば良いという意見もでるかもしれませんが、それを不快に思っている人は、嫌だとはなかなか言いにくいものです。
いずれにせよ、本来人間関係の中で決まる事柄だとは思うので、裁判で判例が出て強制的に制度化されるようなものではないはずですが、それをしないといけない社会というのが寂しい感じがします。
2025年10月27日月曜日
リボン (2022)
本名は能年玲奈。今は「のん」という名前で芸能活動をしています。そのあたりは、いろいろ大人の事情があるようですが、すでに「のん」としての実績がたくさんあるので、それはそれでいいんじゃないかと思ってしまいます(本人には申し訳ないないかもしれませんけど)。
主たる活動は女優ですが、2019年にYouTubeで「おちをつけなんせ」という初監督・初脚本・主演作を発表しています。こちらもそこそこ楽しい仕上がりでしたが、これは監督・脚本としては2作目ですが、劇場公開用の初商業作品です。
「おちをつけなんせ」で両親を演じた菅原大吉・春木みさよが、本作でも両親役で登場します。友人の平井に山下リオ、中学の同級生に渡辺大知、妹のまいに小野花梨、そして主役の浅川いつかにのんというのがキャストのすべて。特撮には樋口真嗣、カメオ出演と予告編政策は岩井俊二という具合に、有名な方々が応援して作られています。
2020年4月に新型コロナウイルスのパンデミックにより、初めての緊急事態宣言が出され、多くの人が自粛生活とソーシャル・ディスタンスを余儀なくされ、その影響をまともに受けた美大生の生活を描きました。多摩美術大学が全面的に協力しています。
美術大学生4年のいつかは、緊急事態宣言により大学が閉鎖されたため、製作中の作品を持ち帰ることになりました。親友の平井は作品が大きすぎて、そのまま置いておくしかありません。心配する母親がアパートに見舞いに来ますが、いつかの作品を遊びで書いたゴミだと思って捨ててしまいます。母親と喧嘩して、ごみ捨て場から絵を回収したものの、それを描き続ける気力は失ってしまういつかでした。
さらに父親、妹がアパートに訪ねてきます。人と喋る機会が無くなってしまったので、家族でも声を出せることは悪くはありません。公園に行くと、何度か同じ男性と会うようになりました。そして、彼は中学の同級生だった田中であると名乗ります。彼は初めていつかの絵を褒めてくれた人物だったのでした。
実は、平井はときどき大学に忍び込んで絵を描き続けていたのです。そして何とか持って帰りたいといつかに相談してきます。しかし、大きすぎて持ち出すことはできないし、持って帰っても置く場所はありません。二人は大工道具を用意して、見つかったら退学覚悟で再び大学に忍び込むのでした。
コロナ禍のさまざまな制約を受けたドラマ・映画などはすでにいろいろありますし、コロナ禍そのものが映像化されることも今でこそありますが、コロナ禍の真っただ中に、真正面から自粛生活のフラストレーションを映像化したのものは珍しいと言えそうです。
いろいろな日常が停止してしまい、忍耐を強いられる生活を強制された人々がたくさんいたわけで、この作品に登場する美大生はまさにその典型なのかもしれません。それは、芸能界の人々も同じで、いつかのセリフにも「世の中には芸術なんて無くても困らない人がいる」という言葉に集約されているようです。
いつかの気持ちの浮き沈みは、CGで彼女の周囲を舞うリボンとして描かれています。時にはゆったり舞い、時には矢のように真っすぐ刺さるように向かう、たくさんだったり、1本だけだったり、美大生のアートな雰囲気をうかがわせることに役に立っている面白い効果です。
のんの監督・脚本の技量については、可もなく不可もなくという感じでしょうか。コロナ禍の中の制約を受けつつ、コロナ禍を描くという、鉄は熱いうちに打つというかなりのチャレンジであることを考えれば、上出来と評価されるべきかもしれません。自らの活躍の場を自ら開拓していくという強い信念があってのことでしょうから、今後も期待したいと思います。
2025年10月26日日曜日
飴色タマネギ
飴色タマネギという言葉は、料理のレシピにしばしば登場します。
例えば、スパゲッティのボロネーゼ、いわゆるミートソースを作る時に、最初にする作業がまさに飴色タマネギ作りです。
ルーを使わずカレーを一から作る時も、最も重要なのが飴色タマネギ作り。カレーソースのとろみは小麦粉ではなく、タマネギで出すと言っても過言ではない。
飴色というのは、かなり古くから使われている色を表す言葉で、明るい褐色あるいは橙色のことで、透明感がある琥珀色に似た感じのこと。その由来は、麦芽糖を水に溶かして加熱して作る水飴です。
タマネギを飴色にするということは、タマネギの持つ本来の甘さを引き出すということで、洋食の基本調理法です。
ただし、美味しく作るのにはある程度の時間が必要で、それなりのコツが必要。
タマネギは出来るだけ細かく切る、いわゆるみじん切りにした方が時短になります。生のまま一度冷凍して、炒める前に解凍して使うとさらに時短なります。電子レンジで加熱して作ろうとすると、水分が減り過ぎて臭みが強くなるので却下です。
高温にするため油は必要。みじん切りにしたタマネギに、ほんの少し塩を振ってを中火で炒め初めます。塩によって、細胞が壊れやすくなります。
透明感が出てきたら、強火にして少しだけ水を追加。水気が無くなってきたら、また水を追加を繰り返します。
全体的に「飴色」になったら出来上がりで、タマネギ1個分なら15分程度というのが標準的な時間です。大事なことは、焦げを作るわけでは無いということ。炭化させてしまうと味を損ないますので、時にゆっくりかき混ぜながら、注意深く観察し続けないといけません。
店では、どんな料理にでも使いまわせるペースト状にするので、さらに数時間かけてじっくり火を通すこともあるようです。一般家庭ではそこまでやってられないので、どうしてもペーストが欲しい方は、市販品を利用しましょう。究極の時短法です。
2025年10月25日土曜日
高市内閣
日本初の女性総理大臣が誕生しました。
高市自由民主党総裁が、総理大臣として有能であると認められたから、性別に関係なく選ばれたというのが、期待されるべき結論だと思います。
女性蔑視はしないというのは現代社会においては基本的な考え方であり、その点についてはまったく異論はありません。ただし、それは男性蔑視もしないという裏返しです。
ただし、男女には生物学的な差異が歴然とあることは厳然たる事実です。ですから、単純に両者をまったく同等に扱うことが「平等」ではなく、互いの差を認めて補い合うことが必要だということ。
高市氏が、本当に立派な総理大臣として職務を遂行できるのかどうかはまだまだわかりません。保守色が強まることは確実だと思いますが、自民党の従来の金権体制の復活につながらないことを祈るしかありません。
事前に組閣についての情報では「裏金議員」と呼ばれた方々が含まれると噂されていましたが、蓋を開けてみると、さすがにそこまで国民の反発を招くようなことはできなかったようです。
自民党執行部については、圧倒的に麻生太郎氏の傀儡と化す人事を行いましたが、内閣については見かけ上は「挙党一致」と形容できるような、総裁選でのライバルも要職に取り入れる人選を行ったと言えそうです。
麻生氏は、表立っては権力の外にいるように見えて、実は自民党が与党である限り、内閣の首根っこを押さえていることには変わりはありません。麻生氏に象徴されるような古い体質を、高市氏が今後どこまで押し返せるかが、本当の意味で国民からの信任を得ることにつながるのではないでしょうか。
まぁ、お手並み拝見・・・一国民としてはこれしかありません。
2025年10月24日金曜日
マイナンバーカード更新 その後
3週間ほど前に、マイナンバーカードの更新手続きをネットで行いました。
ことの他簡単で、さすがに更新ともなると楽ちんなもんだと思ったわけですが、交付通知が届くまで1か月ほど待てということだったので、すでにそんな事をしたことは忘れていました。
そんな頃に、郵便で交付通知がとどきました。
表に、交付期限、交付場所が書いてある以外はあまりたいしたことは記載されていません。
青葉区役所に行くとばかり思っていたら、センター北にも特設センターというのがあって、どちらかでの受け取りになります。
ただし、いつでも好きな時にどうぞというわけではなく、事前予約が必要とのこと。裏面に予約のためのIDが記載されています。
センター北だと時間的に平日は難しい、区役所だと日曜日はやってない。う~ん、どうしたものか、悩みどころです。
受け取りにはマイナンバーカード以外に本人確認書類が必要。この場合、更新前のマイナンバーカードでも可のようです。そりゃそうだ。写真付きのマイナンバーカードが身分証明にならなかったら、根本的な意味をなさなくなります。
裏面下半分は受け取りを代理人に委任する場合に必要な欄。
また暗証番号を決めないといけないらしい。最低2種類。アルファベット(大文字)と数字の組み合わせで6~16文字のものと数字4桁です。
デジタルのための仕組みなんですが、最終的にはアナログな動きをしないといけないのが残念なところです。健康保険証は書留郵便で送られてきていたんですから、マイナンバーカードもそうできないわけはない。手に入れた時点で、本人がネットを使って有効化するような方法はあると思うんですけどね。
2025年10月23日木曜日
ミツワ石鹸
驚きました。いやいや、何十年生きていて、自分にとっては「常識」みたいなことでも、今では世間から忘れ去られてしまっていたことがあるものです。
♪ワっ・ワっ・ワぁ、ワが三つ
ワっ・ワっ・ワぁ、ワが三つ
ミツワもミツワ、ミツワぁ~石鹸
これ、自分がこどもの頃に、めちゃめちゃテレビで流れていたCMソングです。
昭和のコマーシャル・ソングの「帝王」、三木鶏郎の作詞・作曲によるもの。
三木鶏郎といえば、例えば「明るいナショナル」とか「くしゃみ三回、ルル、三錠」、「キリンレモン、好きになったらキリン・レモン」などなど・・・とにかく、記憶の奥底に眠っているCMソングで、そのほとんどを作った人。
ミツワ石鹸は江戸時代に創業した会社だそうで、1975年に倒産したそうです。こども向けには、人気マンガの「おばけのQ太郎」の形をした容器に入ったシャンプーがあった。
そうなると、少なくとも50才までの人は確実に知らないわけです。CMを見た記憶があるのはおそらく55才くらいから上の年代ということになるんでしょうか。
自分がこどもの頃に明治百年といっていろいろな企画がありましたが、今はもう昭和百年です。忘れられて当然と言えば当然の事。
ですけど温故知新。昔のものにも学ぶべきところはあるものです。まぁ、ミツワ石鹸は知らなくても困りませんけ
2025年10月22日水曜日
給油口キャップ置き場
驚きました。いやいや、何十年生きていても、こんなことも知らんかったというものがあるものです。自動車の話です。
ガソリンの給油口。電気自動車でなければ、必ずあります。
ガソリンを給油する時、給油キャップはくるくると回転させて外します。
昔は、キャップは車の天井とかに乗せて給油をしていましたが、今では、そのまま落ちないように本体との間がストラップで繋がれているので、そのまま垂らしています。
まったくそれ以上のことは、何にも考えていなかった。
実は、給油口の蓋を開けるとヒンジのところに、丸いお皿のようなところがあるんです。
しかも、キャップがそこにぴったりとはまる!! キャップ置き場があったんです。
どうやらこの車だけではなくて、形状はいろいろみたいですが、このような仕組みはずっと昔からあるらしい。
ちゃんと車を作る人も細かいところまで考えているんですね。感心しました。
2025年10月21日火曜日
侍タイムスリッパー (2024)
何しろ、第67回ブルーリボン賞作品賞、第48回日本アカデミー賞最優秀作品賞、第56回星雲賞メディア部門を受賞し、業界からも一般の観客からも確実に支持されたことは間違いない。
製作費2600万円という超低予算の自主製作作品で、8月にたった1館で上映が始まったものの、話題が話題を呼び次第に上映館が拡大し、半年足らずで約350館に達し、興行収入は10億円を突破しています。ちなみ同時期公開の「ラストマイル」は製作費5億円、興行収入57億円です。
監督・脚本・撮影・編集は安田淳一で、手が空いた時はその他の仕事も担当しています。スタッフは、驚くことに10名程度で、まさに全員ができることは何でもやって作り上げた作品といえそうです。安田は米農家を兼業していて、自主製作は3作目です。
時は幕末。会津藩士である高坂新左衛門(山口馬木也)は、長州藩士・山形彦九郎(富家ノリマサ)を討つべく、京都・西経時寺前で対峙するのです。しかし、その時落雷があり、高坂は現代にタイムスリップし、気がついた場所は何と京都・太秦の時代劇撮影所の中でした。
浪人者が町娘に手を出すのをかっこつけた侍が助ける場面が繰り返されたり、張りぼての魚が出てきたり、不思議な服を着た女性に邪魔だと追い払われたり・・・まったく合点がいかない高坂は、頭をぶつけて入院してしまいます。
病院で高坂はいろいろなものを発見して、何故かわからないけど自分が160年も未来の日本にいて、幕府は滅んだことをやっと理解します。絶望して病院を抜け出した高坂は、西経寺の前にたどり着き気を失ってしまいます。それを西経寺の住職が見つけ、寺に招き入れいろいろと面倒を見てあげるのでした。
西経寺は時代劇のロケ地としてしばしば使われているため、太秦で一度高坂を追い払った助監督の山本優子(沙倉ゆうの、実際の助監督も兼任)も寺に出入りしていて、彼女も高坂に斬られ役専門の剣心会への入門を世話するのです。最初は竹光・・・模擬刀を振り回すことに違和感があった高坂でしたが、本職の武士ですからだんだん斬られっぷりは上達していくのでした。
そんな中、時代劇を卒業したと言っていた人気役者の風見恭一郎が、新作として自身最後の時代劇を撮影することが発表され、その相手役として高坂が指名されるのでした。実は風見は、高坂と剣を交えた山形だったのです。彼は30年前にスリップし、やはり斬られ役から今の地位を獲得していたのでした。
侍が現代にタイムスリップしてくる話は、すでにいくつか映画にもなっています。それらも含めて、タイムスリップ物は文化の違いからくるいろいろなあわてぶりを描きながら、主人公がいかに元の時代に戻ろうとするかがストーリーの骨格にあります。
しかし、この映画が秀逸なのは、元の時代に戻るのではなく、いかにこの時代に適合していくのかという点にあります。しかも、侍が侍として今の時代に合法的に生きていくための最善の方法が提示されたことが素晴らしい。
安田監督は「真剣の重みを感じられる映画」を作りたかったと述べていて、模擬刀を用いる殺陣ではあっても、真の侍が命を懸けて真剣を振るう姿を再現したかったようです。それは物理的な戦いだけではなく、心理的な側面をも映画の中に焼き付けようという作業だったはずです。
主役の山口馬木也は基本的にバイプレイヤーですし、彼以外はほとんど知らない役者さんばかりなので、ある意味、ありえない話にもかかわらずストーリーの現実味が感じられます。ここに誰もが知る人気俳優が混ざってしまうと、とたんに嘘くささが出てくるでしょうから、逆に低予算自主製作映画の良いところが出ているのだろうと思いました。
2025年10月20日月曜日
オズランド 笑顔の魔法おしえます。 (2018)
波平久瑠美(波瑠)は、せっかく東京の一流企業に就職したものの、突然の人事異動で田舎の遊園地「グリーンランド」の企画部に異動になりました。指導係となった小塚慶彦(西島秀俊)は、グリーンランドを営業利益を倍増させたカリスマとして本社でも有名でした。
赴任してみると小塚はみんなから「オズさん」と呼ばれて、笑い顔を絶やさない人物でしたが、「なみひら」を「なみへい」と読み間違え、園内のごみ収集の仕事ばかりをさせて、せっかく久瑠美が考えた企画もほったらかしなのです。
ある日、園内で客から道を聞かれた久瑠美が答えられずにいると、一緒に入職しごみ収集ばかりしていた吉村(岡山天音)がさっと答えられたことにショックをうけます。何で園内中を歩き回ってごみを集めていたのかやっと久瑠美は理解し、愚痴ばかり言うのをやめます。自分もスタッフの一人として、遊園地に来た客を笑顔にするために努力するようになります。
たまたまオズさんが書いた退職願を見てしまった久瑠美は、オズさんがこの遊園地で世界一と言えるようなことをしたいと願っていたことを知ります。久瑠美は開園記念日に気球からたくさんの風船を落として客を喜ばせる企画を考え、オズには内緒のサプライズも用意して驚かせることにしました。
まぁ、安心してみれるハートフル・コメディです。それほど新鮮味があるストーリーではありませんが、楽しく働くことの大事さを描いているわけです。そういう意味では、あまり書くべき感想はないんですが、波瑠はまさにそのままのナチュラルな役なんで無理せず役をこなしている感じ。西島秀俊が、こういうユーモアのあるホコホコとした役もできるというところが新鮮かもしれません。
熊本県荒尾市に実際にあるグリーンランドで、ほぼ全編ロケが行われていて、地方にも立派な遊園地があることが何か嬉しい感じです。
2025年10月19日日曜日
グランメゾン★パリ (2024)
2025年正月映画として公開された映画ですが、もともとは2019年放送のTBS日曜劇場で放送された「グランメゾン★東京」の完結編にあたります。ドラマ版から通じて、脚本は黒岩勉、監督は塚原あゆ子が担当しました。2024年の塚原は、映画では「ラストマイル」、テレビで「海に眠るダイヤモンド」があり快進撃の1年になりました。
パリでミシュラン三ツ星レストランを目指していた尾花夏樹(木村拓哉)は、トラブルから夢破れた生活をしていましたが、絶対的な味覚の持ち主である早見倫子(鈴木京香)と出会ったことで、倫子をオーナーシェフとした「グランメゾン★東京」をオープンし、倫子に三ツ星を取らせるため奮闘するというのが、ドラマ版の骨格でした。
グランメゾン★東京が三ツ星を獲得したことで、ドラマにおける目的を達成した夏樹は表舞台を去っていくわけですが、夏樹自身の夢はまだ達成できていません。
映画公開前の2024年クリスマスイブに、単発のスペシャル・ドラマが同じスタッフ・キャストで放送され、コロナ禍で経営が苦しくなったグランメゾン★東京に対して、夏樹が「グランメゾン★東京を終わらせるため」に京都に店を開き挑んできました。これは倫子を奮い立たせるためのものだったわけで、そのことに成功した夏樹は再び自分の夢を叶えるためにパリに旅立つという内容となっています。
さて映画は、尾花夏樹がパリの料理界の重鎮から見込まれて開店した「グランメゾン★パリ」が獲得した二つ星を維持できたところから始まります。つまり、開店してから最低2年は経過していることになりますが、当然三ツ星を目指している夏樹は満足できません。
夏樹を支えるスタッフは、倫子をはじめ、昔からの理解者、京野陸太郎(沢村一樹)、相沢瓶人(及川光博)らに加え、バリで三ツ星のバティシエを夢見る韓国人のユアン(オク・テギョン)、移民で集まったいろいろな国の人々でした。
いまだに外国人という理由で食材の調達にも苦労している状況で、ついにオーナーから立ち退きを迫られることになります。三ツ星を取ることを条件に、立ち退きを引き延ばした夏樹は、自分のルーツを封印して徹底的にフランス人が好むフランス料理を並べようとしますが、ユアンの借金の取り立てによる暴力事件が発生し窮地に立たせられるのでした。
それでも、スタッフ全員が夏樹に三ツ星を取ってもらいたくて頑張っていることをあらためて知った夏樹は、スタッフそれぞれの国のアイデアを生かして、さらなる革新を加えていくのがフランス料理の神髄であることに気がつくのです。
当然流れから結末は容易に想像がつくわけですが、ドラマ版で濃厚な駆け引きを見ているので、2時間の映画に落とし込むには時間が少なすぎるような感じがします。もっとも、東京と同じことをパリでやっても二番煎じになってしまうだけですから、製作陣としてはその辺りが一番苦労したところなのかもしれません。
そして、舞台がパリで、ほぼ全編に渡ってフランス・ロケとなっているのは、見応えがある一方で、セリフの大半がフランス語、時に韓国語というのがやや観客のハードルを上げているように思います。これらは当然強制字幕になるので、始まってしばらくはセリフを読むのが精一杯で、登場人物の心情を感じ取るのを難しくしているのではないでしょうか。
ドラマを知っている者からすると、その辺りがややモヤモヤすることになるのですが、初めて映画から入る者にとっても、人間関係の説明は全く無いので「いつものキムタク・ストーリー」以上にはならないという、なんとも悩み深い作品になっているという感想を持ちました。
ドラマ終了直後に、小林圭氏が実際にフランスで三ツ星を獲得したことがニュースになり、しかも5年間それを維持しているという偉業を続けています。映画では彼が料理監修を行い、登場する料理は画面からも素晴らしい味や匂いが伝わるような撮影・編集がされているところは拍手喝采もので、これだけでも見る価値はあります。
2025年10月18日土曜日
半径5メートル (2021)
雑誌の生活情報記事のための編集部を舞台に、新人の女性記者が成長していくドラマで、NHKで全9回で放送されました。
週刊誌「女性ライフ」のゴシップ記事を追いかける花形部署の新人記者である前田風未香(芳根京子)は、スクープを取り損ね生活情報班に異動させられてしまいます。スクープを追いかけてギラギラしていた部署と比べて、すべてにおいてのんびりムードが漂い、メンバーも個性的でした。
デスクの丸山(尾身としのり)は、コーヒーをみんなに配るのが趣味でやりたい企画は何でも通してくれます。藤川ますみ(山田真歩)は、夫が単身赴任中で堅実な仕事ぶり。海老原香織(北村有起哉)は妻と離婚して、今は女性として生きるトランスジェンダー。そして、フリーランスですが、最も人気のある記事を連発する亀山宝子(永作博美)が、風未香の教育係になりました。
宝子は自分の周囲半径5mまでに見えてくる身近なものが大事と教え、風未香は宝子の何気ないアドバイスで、物事を一方向からだけ見ないで、その本質は何かを考えること、そしてそれを記事として文章に起こす力を少しずつつけていくのでした。
そんな中で、誤報をしたら記事にした人に一生消えない迷惑をかけることも知り、宝子がフリーランスになった秘密も次第に明かされていくのでした。
主たる演出を担当した三島有紀子と脚本の橋部敦子の企画から生まれたオリジナル作品で、相手との距離によって、どのように人と付き合っていくのかということをメインテーマにしています。
もっとも、舞台となる生活情報班の部屋はかなりモダンな作りで、現実の雑誌編集部としてはおそらくありえないくらいかっこいい。生活の中でいかにもありそうな話題を扱いつつも、あえてファンタジー感もそこそこ入れ込むことでギスギスし過ぎないような配慮なのかもしれません。
芳根にとっては、ちょっとコメディ調が混ざるお仕事ドラマは、たぶん最も得意なジャンルなのではないでしょうか。悩み苦しみながら、そして時にはぶれながらも、だんだん自信をつけていくのは、見ていてとても安定感があります。
2025年10月17日金曜日
どくせんじょう
驚きました。いやいや、何十年生きていても、こんなことも知らんかったというものがあるものです。
「どくせんじょう」というのは、一人欲しいままにできる場(状況、場面)という意味で、「一人」=「独」、「欲しいまま」=「擅」ということで漢字で書くと「独擅場」となります。
ところが、今、普通に同じ意味で使う言葉は「独壇場」で、読み方は「どくだんじょう」です。
独擅場 独壇場
パッと見ると同じじゃないかと思いやすいのですが、よく見ると・・・違います。
手へんと擅と土へんの壇という違いがあった。
独擅場(どくせんじょう)が、一人舞台を連想しやすかったため、舞台を意味する「壇」が誤って使われるようになって、独壇場(どくだんじょう)が普通に使われるようになったとのこと。
また、「擅」が当用漢字に含まれていないため、「壇」が代用されたことが間違いの始まりということもあったらしい。
ちなみに最終局面の事を「どたんば」と言いますが、こちらは漢字だと「土壇場」となり、本来は首を斬る刑場のこと。
2025年10月16日木曜日
OD調査2025
OD調査は、「全国道路・街路交通情勢調査、自動車起終点調査」というもので、国土交通省が5年に一度行っている調査です。これも統計法によって行われるようです。
日本全国の道路交通の実態を把握し、道路の計画、建設、管理などについての基礎資料を得ることを目的とした調査です・・・というもの。
そして、全国の緊急車両を除く三輪以上の全ての自動車のうち、国土交通省が令和7年(2025年) 5月末時点の自動車登録情報から無作為に抽出した車両の所有者を対象としています・・・なんだそうです。
・・・で、うちにこれがある、ということは当たりということ。以前にやった覚えが無いので、初めて選ばれてしまったようです。国勢調査は簡単だったので、ほとんどストレス・フリーでしたが、こちらは・・・
正直言っていっきにやる気が下がります。なんか面倒だなぁ・・・という気持ちが先に立ってしまい、調査票の内容をみると「やたらと細かいことを聞くなぁ」と思ってしまいます。
平日と休日のそれぞれ特定の一日を対象として、どのように車を使用したかを事細かに書くのですが、最初にその日に自動車を「使った or 使わなかった」を答えるので、「使わなかった」に〇をつけて終わりにしたい気持ちがでてきます。
とは言え、これもインターネットを利用した回答ができるので、ゆっくりやりたいと思います。
2025年10月15日水曜日
記憶屋 あなたを忘れない (2020)
監督は「約束のネバーランド」の平川雄一朗、脚本は平川と鹿目けい子です。エンディングテーマには、中島みゆきの「時代」が使われています。
もうじき大学卒業を控えている吉森遼一(山田涼介)は、母と幼馴染で故郷の広島から出てきて間もない河合真希(芳根京子)と暮らしています。遼一は沢田杏子(蓮仏美沙子)と卒業したら結婚することになっていましたが、ある日、急に杏子が自分の事を知らないと言い出します。
巷には都市伝説として記憶屋というのがあって、忘れたい記憶を消してくれると噂されています。遼一は杏子が記憶屋に自分の記憶を消されたのではないかと疑い、大学の先輩である弁護士の高原(佐々木蔵之介)に相談します。
最初は相手にしなかった高原でしたが、遼一が自分の周りで二人目だと言うと耳を傾けるようになりました。こどもの時、連続少女誘拐殺人事件があり、唯一命が助かったのが真希で、彼女は事件の事をまったく覚えていないのです。
遼一は消せる記憶なら戻すこともできるのではないかと思い、故郷に何か記憶屋に関する手掛かりが残っていないか高原と共に向かいます。真希の祖父(田中泯)に会いますが、何も手掛かりは有りませんでした。そこへ高原の助手を務める安藤七海(泉里香)から重要な手掛かりがあったと連絡が入りますが、戻ると七海の記憶屋に関する記憶はすべて消えていました。
高原も記憶屋にどうしても頼みたいことがあったため、遼一に協力していたのです。高原は脳腫瘍のため余命宣告を受けていて、一人娘を悲しませないために娘から自分の記憶を消してもらいたいと考えていたのです。強い頭痛に襲われた高原は、記憶屋のネット掲示板に「会いたい」と書き残すと意識を失い入院してしまうのでした。
結局、割と早い段階で記憶屋の正体はほとんど明かされています。そういう意味では、ミステリー的なところは強くない。ファンタジー系としたのは、記憶を消すことは超能力として片付けられているから。本来、忘れないと生きていけない辛い記憶を消すための力らしいのですが、ややそれ以外の目的で使われているところもあって、素直に喜べません。
ラストシーンも何となくモヤモヤが残る。結局何だったんだろうと言う終わり方なので、ロマンスを匂わせているにも関わらず、本来感情移入して泣く所も泣くに泣けない感じです。最後は記憶を消すことは罪としているけど許してあげようという、そんな解決でいいのかと思いました。
山田涼介の演技力は定評があるところなので、ここでもいい雰囲気をだしています。辛い過去を微妙に引きづる芳根京子も、間違いないところ。ただし、せっかく田中泯を起用していながら、これはちょっと役柄としては誰でも良い感じでもったいない。ベテランの佐々木蔵之介は、シーンを引き締めているのはさすがですが、ちょっと高原の描き方に物足りなさを感じました。
悪い作品とまでは言いませんけど、積極的に人にお勧めするのはちょっとしんどいかもしれません。
2025年10月14日火曜日
ライトフライト ~ 帰りたい奴ら (2009)
戸次重幸のDVDなどで見ることができる単独公演は、「アルプス」、「GHOOOOOST!!」に次いで3作目ですが、ここでもどちらかというとドタバタ的なコメディに仕上がっていて、「アルプス」と同じ時空を移動する設定になっています。
新規参入したニューアサヒ・スカイラインという航空会社の、初めて東京発札幌行きの便が離陸しようとしています。オカマのCAの釜田(福島カツシゲ)が登場案内をしますが、乗客は誰も聞いちゃいない。
乗客は、人気漫画家の富樫よね(川原亜矢子)と夫でありマネージャーでもある富樫明夫(六角慎司)、何か怪しげな医者っぽい黒田十一(戸次重幸)、今どきギャル風の宅間典子(小松彩夏)、いかにもハイジャックでもしそうな佐田武蔵(川井"J"竜輔)です。機長は堅物感ありありの早乙女青二斎(野中イサオ)で、副操縦士は某歌劇団の男役みたいな夜月ミチル(蘭香レア)。
離陸したとたんに佐田がこの機をハイジャックすると宣言するものの、持っている武器はダーツの矢ですから、乗客らの協力で簡単に制圧されてしまいます。そうこうしていると、飛行機は宇宙船と衝突し、宇宙人のソ(加藤貴子)が乗り込んできます。
ソは時空の歪みによって突然現れたわけで、飛行機自体もどこかわけのわからない場所に不時着していました。そこは原始時代らしく、あわてて機を離陸させます。時空の歪みに飛び込むと、そこは・・・いったい彼らは帰ることができるのでしょうか。
・・・という、もうほとんどナンセンス・コメディとしか言いようがないもの。正直な感想としては、あまり面白いものではありません。知的なイメージがある川原亜矢子が出演しているのが不思議でしょうがない。
まず舞台が題材からして広すぎる。機内の座席を正面から見ている設定なので、客席が横に広がり過ぎてかなり違和感があるし、それでも余ったスペースがもったいない。その上の2階部分みたいなところに操縦席があるのも変です。機内を横から見るような舞台の方が、まだ良いのではないかと思えてしまいます。
時空移動は二番煎じですし、特に不満を感じるのは、最後の結末シーンは紙芝居で説明して終わりというのは、かなり雑なエンディングです。うまい着地点を思いつかなかったので、取り急ぎ終わらせた感があるのが残念です。
2009年は2月から4月にかけてTEAM NACSとして「下荒井兄弟のスプリング、ハズ、カム。」の本公演をしていて、戸次は夏には連続テレビ・ドラマにも出演していました。この舞台は10月から11月にかけて行われたので、戸次にとってはかなりハード・スケジュールだったのかもしれませんが、それを言い訳にはできません。
2025年10月13日月曜日
累 (2018)
唇から頬にかけて醜い傷がある淵累(芳根京子)は、大女優と呼ばれた故・淵透世(檀れい)の娘で、母から「独りぼっちで。本当に辛い時はこれを使うように」と口紅を託されました。その口紅を塗って誰かとキスをすると、姿や声がそっくり12時間の間入れ替わることができるのです。
透世の十三回忌で羽生田(浅野忠信)に声をかけられた累は、羽生田がマネージメントしている美しい女優り丹沢ニナ(土屋太鳳)の舞台を見学しました。何故か口紅の秘密を知っている羽生田は、透世の才能を受け継いだ累に、体調に不安を抱え演技力に問題があるニナの代役を務めるように言うのです。
容姿のためにずっと劣等感を抱き続けてきた累でしたが、毎日9~21時はニナと入れ替わり芝居のオーディションに合格、ニナが以前から憧れていた演出家・烏合(横山裕)に認められるのです。初めは累のことを自分が成功するための踏み台と考えていたニナでしたが、しだいに累に対して嫉妬を感じるようになり、ついに累を追い出そうとします。
しかし、ニナは持病の発作を起こし5か月もの間眠り続けてしまい、その間に累が演じる「ニナ」は大成功して世間に広く知られるようになってしまうのでした。ニナが目覚めた時、二人の立場は逆転していました。実は、透世も口紅によって他人の顔を使い続けていました。羽生田は過去に透世のマネージャーだったので、そのことを知っており、累を第二の透世として世に送り出そうと考えていたのです。
ニナは累の実家を訪ね、累の生い立ちや母の秘密を知ります。踏み台にされているのは自分であることに気がついたニナでしたが、「偽物が本物を超える」と宣言した累はニナの唇を自由に使うため睡眠薬で眠らせ続けるのでした。
18世紀の歌舞伎作者として有名な四代目鶴屋南北が、現・茨城県常総市の累ヶ淵を舞台とした怨念の物語をもとに狂言を作り人気を博しました。醜い容姿の累が義父に殺され祟り続ける話ですが、江戸末期の落語家・三遊亭圓朝が「真景累ヶ淵」という長大な怪談話としてまとめ上げたものが有名です。
この映画はこれらの物語からモチーフをもらっていることは明らかですが、自己中心的で演技力不足の美貌の持ち主ニナと、確かな演技力があっても醜さからくる強い劣等感を絶えず抱いている累という対照的な二人の主人公の対立軸がテーマです。
土屋太鳳と芳根京子は、数年土屋の方が先輩ですが、ほぼ同世代で容姿や体形も比較的似ていて、人の入れ替わり物としては絶妙な配役だと思います。両者とも、真逆な心理状態を表現しなければならず、しだいに狂気に飲み込まれていくかなり難しい役所だと思いますが、芝居をするシーンは本物でも偽物でもニナで、どちらも土屋太鳳が演技をするので、より土屋の方が大変だったかもしれません。
いずれにしても、二人とも見事にこなしていてなかなか見応えがあります。芳根にとっては、演技力を知らしめる絶好の機会になったのかもしれません。浅野忠信の演じる羽生田は、いかにもという演技なんですが、やや強引過ぎてもう少し透世に対する想いを丁寧に描けていれば厚みが出たかもしれません。
2025年10月12日日曜日
ガーデンシクラメン
シクラメンはサクラソウ科の多年草球根植物で、涼しくなってくると長期間楽しめる秋から春までの代表的な花です。
球根ですから、ちょっとがんばれば毎年楽しめる・・・はずですが、そのがんばりがなかなか難しく、結局毎年新たに買うことになります。
一般的にシクラメンは、鉢植えで日当たりの良い室内で育てます。
全体が小ぶりになったミニシクラメンも人気ですが、特に耐寒性に優れた系統のものが「ガーデンシクラメン」と呼ばれ、屋外でも楽しめるのでファンが多い。
ホームセンターでガーデンシクラメンが売り出され始めました。一株が327円となっていて、見栄えを良くしようとたくさん買うと、通常サイズの見栄えの良い鉢が買えそうです。
まぁ、どのように楽しみたいかの問題なので、個人の好みで選べば良いのですが、自分の場合は玄関をパッと明るくしたいので、大きくて立派なのがあると嬉しいかもしれません。
2025年10月11日土曜日
2025年10月10日金曜日
119エマージェンシーコール (2025)
今年の1月~3月にフジテレビで放送されたドラマなので、ご覧になった方もいることと思います。自分も横浜市が舞台だったこともあり、興味を持って見出したのですが、あのフジテレビ関連の大スキャンダルが発生したため、放送日程や、ロケ撮影に多大な影響が出て、ある意味最も割を食ったドラマだったのではないでしょうか。
横浜市消防局が全面的に協力して制作されたのですが、スキャンダル以後、協力のクレジットを表示しなくなり、屋外のロケも大々的に縮小されて、スタジオでの撮影が中心になりました。
新人指令管制員の粕原雪(清野奈名)は、こどものときに家が火事になり、119番の電話で指令管制員の声に励まされたことが今でも強く記憶に残っています。指令管制員の仕事は、ただ通報を受けるだけでなく、想像力をフル活用して少しでも要救助者を助けたいという信念を持っていました。
雪の教育係である兼下睦夫(瀬戸康史)は、元消防隊員でしたが、現場で自分の行動のせいで後輩に重い怪我を負わせたことで、指令管制に移動になりました。雪が自分の手配の結果などを確認するため後で現場に出向くことに批判的で、指令管制員は現場に指令を出すだけでいいんだと頑なな姿勢を崩そうとしません。
司令課3係には、粕原、兼下の他に係長の高千穂一葉(中村ゆり)、新島沙良(見上愛)、救命救急士の資格も持っている与呉心之介(一ノ瀬颯)、箕輪健介(前原滉)などとともに大ベテランの堂島信一(佐藤浩市)らが所属していました。
主人公たちは消防局の指令管制員であり、119番の通報を最初に受けて、適切に消防車や救急車を手配する役目を担っています。各個人の想いに関連した話とさまざまな現代の都会で遭遇する可能性のある事案を取り上げ、けっこう骨太なテーマとエンタメ性が両立したドラマとして成立していると思います。
スキャンダルの影響で屋外での撮影シーンが減っても、むしろ電話の声だけを頼りに様々な対応をする心理的な緊迫感はより強調されたと思いました。もちろんドラマですから、それぞれのキャラクターにはストーリー性が描かれていますが、かなり現実の状況を反映できているだろうと想像できます。
出演者の方々も、いろいろな制約の中で不安がいっぱいの撮影だったと思いますが、少なくとも良質な作品を世に送り出したことは称賛されてよいと思います。横浜市は消防局クレジット表記こそ取りやめましたが、最後まで実質的な協力は続けたことは良かったと思いました。
2025年10月9日木曜日
夕焼け
昨夕は、めっちゃ綺麗な夕焼けが広がっていました。
西の空です。
こういう時は、翌日の天気は晴れになるといわれています。
でも、夕焼けの明日は雨ということも聞いたことがありますね。そのあたりのことは、勉強したことが無いのでよくわかりません。
・・・なんてことを考えながら、仕事が終わって駐車場に向かうと、何とアンラッキーな出来事が起こりました。
何と駐車券を入れたら、「このカードは無効です」ときた。カードを傷めるようなことをした覚えはまったくありません。
まじか!!
精算機の電話で事の次第を連絡すると・・・係がむかいますので30分くらいかかりますと。
OH----!! NOォ~
本当に30分も足止めされてしまいました。
どうも夕焼けはあんまりいいこと無い・・・天気は雨になるかもしれません。
2025年10月8日水曜日
防犯砂利
近くのホームセンターで売り出していましたのが「防犯砂利」というもの。
何か耳にしたことがありますが、実物は初めて見ました。
踏んでみると確かに大きめの音がしますが、普通の砂利とどのくらい違うかはよくわかりませんでした。
大きな音がするので侵入者に気がつきやすくなるということで、防犯に効果的というのが売り文句になっています。
材質は廃棄されたガラスやセラミックなどを加工したものらしく、見た目ほどは重たくないようです。
ただし良いことばかりではありません。もとがガラスですから砕けやすいので、長期間使っていると粉塵のようになるらしい。
また、普通に歩いても音がするわけですから、もしかしたら隣近所に騒音として迷惑をかけることがあるかもしれません。
でかい袋(40L)が1780円になっていましたが、ある程度厚めに撒かないと意味が無いので、その量でたぶん1m四方くらいまでいけるかいけないかという雰囲気です。いろいろとよく考えてから購入しましょう。
2025年10月7日火曜日
中秋の名月 2025
何と、前日は見えていたのに昨夜は全天曇り。まったく月が見えません。
こればかりはどうしようもない。
中秋の・・・というと10月6日だったんですが、これはあくまでも旧暦の8月15日にこだわった決めです。
月の満ち欠けを基準にしたものですが、この周期は29.5日です。半分は14.8なので、真ん中を15日とすると、ちょっとずつずれるので、必ずしも中秋=名月とはならない。
今年の満月は10月7日、今夜です。
なので、「名月」にこだわるなら、ワンチャンありますので、今夜の天気に期待したいと思います。でも、台風来ている・・・・
とりあえず、ここでは過去の写真を楽しんでいてください。
2025年10月6日月曜日
the 波乗りレストラン (2008)
ふらーっと江の島にやって来た小波健二(大泉洋)は、食べ歩きしているうちに土産物屋をやっている長塚日出夫(西村雅彦)やシラス漁とシラス丼の店をやっているロッキー(布施博)、その妻であるマドンナ(富田靖子)らと知り合いになります。健二は、海岸のはずれにある2階建ての荒れた空家を友人から借りてレストランを始めるつもりでした。
準備を始めてはみたものの、健二はいつまでたっても準備中の札を出したままで開店しようとしません。すると長塚やロッキー、マドンナまで何となく出入りするようになります。さらに記憶喪失になった女性弁護士の孝子(白石美帆)、彼女の夫で孝子を見守るナポリ(岡田善徳)らも、やって来て「人生の休業」を始めるのです。
そして、休業中にもかかわらず「波乗りレストラン」には、次から次へと生活に疲れたり、生活がうまくいかない人々が集まってくるのでした。それでも健二はなかなか店を開こうとせず、みんなの話は聞いてあげても、自分のことは語ろうとしません。そうこうしていると、マドンナは自分をリスタートしたくなり、ロッキーに離婚を申し出ます。しかし、彼女は病が発覚するのでした。
出演者は豪華。それぞれがチョイ役ですが、他には平岡祐太、柳沢慎吾、星野真里、小出恵介、仲里依紗、小松彩夏、小倉久寛、杉本哲太、賀来賢人、かとうかずこ、戸次重幸、吉田照美、奥山佳恵、サンプラザ中野くん、高橋ひとみ、吉高由里子、でんでん、安田顕、岸谷五朗、田島令子、松下由樹、深津絵里、福山雅治・・・まぁ、出てくる出てくる有名人。
ストーリーとしては面白い・・・んですが、何しろ細切れ過ぎてどうも気持ちが付いて行きません。ショートドラマですからしょうがない。誰だって長く人間やってれば、少しは人生に疲れる瞬間はあるものです。これだけいろいろなパターンを出してくると、もしかしたら自分にも当てはまるなぁと考える人がいるかもしれませんけどね。
そう思った方は、是非DVDを用意しましょう。特典に全部をまとめ上げた2時間ドラマに編集し直したバージョンが入っているので、そちらを鑑賞しましょう。ただ、それはそれで登場人物が多すぎて混乱するかもしれません。
2025年10月5日日曜日
自由民主党新総裁
昨日、現政権与党である自由民主党の総裁選挙が行われ、高市早苗氏が選出されました。
まず、最も注目される点は、初めての女性総裁ということ。それが意味するところは、群雄割拠する野党が一致団結することはなさそうですから、日本で初めての女性総理大臣が誕生することを意味しています。
女性の社会進出に対して、自分は特にマイナスの思考は持っていないつもりですので、女性総理大臣の誕生には特別な感慨はありません。政治の世界は能力至上主義だと思うので、魑魅魍魎が巣くう永田町をしっかりとまとめ上げて、すべての国民が納得できる政治運営をしてもらえるのなら、男女関係なく応援できます。
ただ、高市氏のこれまでの行動・発言などで一抹の不安を感じる方は多いだろうし、自分もその一人であることは否定できません。メディアを通じて伝わって来た高市氏のイメージは、必ずしも良いことばかりではありません。
そもそも自分は自由民主党が嫌い。派閥と称して実際はいくつもの政党の寄り合い所帯にもかかわらず、自分たちの利益のために手を握り、政治家のための政治を構築してきたのが自由民主党だと思えるし、その古い体質を具現化した最後のトップが故・安倍晋三氏だと思っています。
高市氏はおそらく自他ともに認める安倍氏の崇拝者。アベノミクスを継続しサナエノミクスと呼び、憲法の「戦争放棄」の削除、女性天皇反対、教育勅語の復活、選択的夫婦別姓反対、靖国神社参拝・・・などなど、どう考えても高市氏はかなり保守的思考の強い人物と思えます。
自民党は変われるのか?? ・・・・おそらく、党員・所属議員は最も変革できない人物をトップに選出したと思います。またそれを許す、自民党にすり寄る泡沫野党にも大きな責任があるのかもしれません。
2025年10月4日土曜日
大阪万博
大阪万国博覧会2025・・・始まるまでは、いろいろとマイナス面の報道があふれかえって、どうなることか、他人事ながら気になっていました。
始まってみると、それなりに楽しいらしく、まぁまぁな入場者数となり、いよいよあと9日で終了です。
1970年の日本万国博覧会を知っている者としては、高度経済成長のシンボルみたいな意義があったことと比較してしまうと、今回はあまり開催する大義みたいなものは感じにくく、はっきり言えば大阪のローカルなイベントという印象は拭えません。
何かのイベントで集客して経済効果を得ようと言うのは、よくある発想です。それが悪いとは言いませんが、考え方としては使い古されたもの。主導した大阪府吉村知事は、全国レベルの日本維新の会の中心人物の一人ですけど、「新しさ」を感じません。
終了間際となって、「死に券」問題とか言われていますが、細かいことはともかく少なくとも「失敗」はしなかったことは良かったとは思います。自分は興味がないので行きませんでしたが、周りには出かけた方もチラホラ。おみやげが届いたりしました。
こういうのを見ると、やはり、あくまでもローカルイベントだなと感じます。もっとも、今回は「日本」ではなく「大阪・関西万国博覧会」という名称ですから文句はありません。
ただし、費用総額は約7,600億円のうちいろいろな収益で賄えない分は約3000億円の税金で補填するわけですから、そのうちかなり分は国税からの拠出であることは忘れてはいけませんね。
2025年10月3日金曜日
もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう (2025)
自分が高校生だったのは1970年代のこと。おやおや、もう半世紀以上も昔の事になってしまいました。家は東京の渋谷。それも、明治通りと青山通りと表参道に囲まれた三角地帯の中。
そう言うと、さぞかし遊び慣れした高校生だろうと思うかもしれませんが、実際はそんなことはない。繁華街の真ん中にあるにもかかわらず、ごく普通の住宅地でしたから、むしろちょっと出歩くと流行に乗ってチャラチャラした人間ばかりがいて、地元民としてはものすごく嫌で反発した生活でした。
何かにつけて買い物とかで出かけるのは、当然渋谷。高校を卒業して、見事に浪人生活に突入し、ますます渋谷にいる時間が増えました。朝、代々木ゼミナールに行きます。真面目に講義に出ると夕方までかかるわけですが、そんな疲れることをするわけがない。昼頃には、もう飽きて渋谷まで歩きます。そこそこ運動になるので、悪いことじゃない。
ジャズ喫茶は、けっこうな音量でジャズのレコードで音楽を流す店。うまくもないコーヒー1杯200円くらいでしたか。リクエストをすると、レコードの片面、約20分くらいを聞かせてくれる。居心地の良い勉強部屋として、ほぼ毎日3~4時間は居続けて、そのうち数回はリクエストがかかる。
他にもハンガーにかかった衣料品を所狭しとひっかけてある店があって、そういう服は「ぶらさがり」と呼ばれていました。その奥には、さらに浪人生には無縁のラブホテルがあり、突き当りには何故かお稲荷さんもあるという、狭い路地なのにワンダーワールドでした。
そんな生活をしていた身としては、この秋の新ドラマの中で、三谷幸喜が演劇人を夢見ていた青春時代を投影した「もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう」は、直感的に注目せざるをえないタイトルでした。
難解な演出で劇団から総スカンをくらう久部三成(菅田将暉)は、ストリップショーとコントを行うWS劇場に紛れ込みます。コント作家の蓬莱省吾(神木隆之介)、ダンサーの倖田リカ(二階堂ふみ)、いざなぎダンカン(小池栄子)、ジャズ喫茶のマスターの風呂須太郎(小林薫)、横町の奥にある神社の巫女をしている江頭樹里(浜辺美波)らとの交流を描く群像劇となっているらしい。
とにかく出演者がゴージャス。他には市原隼人、戸塚純貴、アンミカ、秋元才加、菊地凛子、坂東弥十郎、井上順、野間口徹などなど・・・これも三谷人脈のすごいところなのかもしれません。
舞台は1984年ということなので、自分がこのドラマの舞台となる界隈にたむろしていたのは、もう少し前のことなんですが、視覚的にこの設定は脳裏に浮かばせることができました。で、早速ですが、10月1日にもうその第1回が放送されました。
実に三谷脚本らしいと言えば、誉め言葉でありその逆でもある。たぶん、いかにもという種々雑多な雰囲気は、かなり人を選ぶ可能性が高い。1回目を見て、続けて見ようと思う人と、もういいと考える人に真っ二つに別れそう。見続ける方を選んでも、ある程度の我慢が必要かもしれません。
1回目は主要登場人物の紹介でほぼ終わっている感じで、有名俳優が多すぎて誰を中心に見るか悩みそうです。もちろん、菅田将暉が主役なのは間違いないのですが、その他の人々の絡みが複雑です。
はっきり言って、この舞台となっている「八分坂」は、実際のモデルとなった百軒店をイメージできないとかなり辛いかもしれません。実際、イメージできる人はかなり限定的でしょうから、大多数の菅田ファン、二階堂ファン、神木ファン、浜辺ファンの方々はたぶんわからない。まったく未知の世界として興味を持ってくれることを祈るしかありませんね。
2025年10月2日木曜日
マイナンバーカード更新
マイナンバーカードには有効期間があります。
カード自体の有効期間は、発行日から10回目の誕生日(18歳未満は5回目)までとなっている。ただし、内蔵される電子証明書の有効期間は、年齢問わず発行日から5回目の誕生日までとなっています。
つまり、マイナンバーカード自体は基本的に10年間有効で、10年ごとに写真を更新する必要があるということなんですが、電子証明書が無効になれば使えないので、実質的には5年ごとに更新手続きをしないとダメということになっています。
ですが、ちょっと記憶が曖昧なんですけど、自分がマイナンバーカードを取得したのは交付が始まった2016年だったと思いますが、途中で区役所に出向いて更新手続きをした覚えがあります。あれは電子証明書の更新だったようです。
もうじき10回目の誕生日となるので、今回は更新手続きの案内というものが郵送されてきましたが、封筒には「マイナンバーカード・電子証明書有効期限通知書 在中」とあります。つまりカード自体も有効期限を迎えると言う意味のようです。
とりあえず、記載されているQRコード、あるいはPCサイトから更新の手続きが行えるので、早速実行してみました。
これは実に簡単で、記入する項目も単純なものばかりで、後は写真をアップロードすれば終了です。写真は自撮りでもOKですが、背景は無地の上半身などの制約があります。
注意が必要なのは、この手続きはあくまでも「交付通知書」を受け取るための「申請」手続きです。交付通知書が手元に届くのには最大で1か月近くかかると明記されているので、少なくとも誕生日の1か月前までには申請手続きをしておく必要があります。
交付通知書が届いたら、通知書と本人確認できるものを持って、横浜市の場合は各区役所かマイナンバーカード特設センター(予約制)に出向いてカードを受け取ることになります。
結局、出向かないとダメなのは何とかならんのでしょうか。これだけ個人確認の方法がいろいろ出てきているのですから、マイナンバーカードの取得を100%にしたいのなら(現在約80%)、オンラインですべての手続きを終えて最終的に書留とかでの郵送で受け取れる仕組みを考えてもらいたいものです。
2025年10月1日水曜日
赤い羽根
10月です。
今日から「赤い羽根の募金」が始まります。始まりのニュースは毎年よく見かけますし、政治家の方々がこれ見よがしに胸に赤い羽根をつけていたりするんですが、数週間すると募金箱を見かける機会はめっきり減ってしまいます。
本当は、募金期間は翌年3月末までのようなんですが、終わりがいつかは話題にならないし、むしろ赤い羽根の事はとっくに忘れているというのが正直なところだと思います。
募金と引き換えに、赤い羽根をもらえるのは「共同募金」というもので、1947年に民間から始まったもの。
今では、社会福祉法により整備された社会福祉法人中央共同募金会の事業になっていて、それぞれの地域で、助成要望に応じて募金を配分していくものです。
募金をするともらえる赤い羽根は、アメリカにならったものですが、最近は原料入手困難になっていてシールになっています。





























