あすなろ整形外科クリニックからのお知らせ

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2012年6月4日月曜日

John Coltrane / A Love Supreme


コルトレーンは、マイルス・デイビスによってジャズ・シーンの中央に引っ張り出され、セロニアス・モンクによって味付けされたところまでを修行時代(~1958)とするなら、Atlantic時代(1959~1960)は、自己世界を表現し始め若くて怖いもの無しで爆走していたというところでしょか。

1961年にImpulseに移籍すると、ついにマッコイ・タイナー(p)、ジミー・ギャリソン(b)、エルビン・ジョーンズ(d)との完全無敵なクァルテットが完成し、ついに円熟期を迎えることになります。しかし、あまりに時代の流れから突出したフォーマット故に、一作ごとに賛否両論が巻き起こっていました。

そして、黄金のクァルテットは、''A Love Supreme(至上の愛)''でついに頂点に達するのです。アルバム全体で、4つのパートに分けられた、コルトレーンの神に捧げる慈愛の組曲というところでしょうか。超まじめ人間だったコルトレーンは、しだいに精神世界への傾倒を表に出し始めました。

だからと言って、''A Love Supreme''は、それほど難しい音楽ではありません。比較的、ジャズの形式を残していて、難しいことを考えなくても単純に楽しむ事は十分に可能だと思います。世の中で、様々な讃辞が送られていることは間違いなく、コルトレーンの1枚だけ選ぶならこれでしょう。

この後、コルトレーンの音楽は、自分からすると「昏迷していく」あるいは「迷走していく」ことになります。いわゆるフリー・ジャズというと、言葉が安っぽいかもしれませんが、自由を求めるあまりに、音楽として基本的な枠組みを可能な限り取り外す・・・というと聞こえはいい。

ひとつ間違えば、それはただの「無茶苦茶」であり「でたらめ」でしかありません。もう一人の横綱であるとオーネット・コールマンとともに、そういう自由な音楽の世界へ突き進んでいくコルトレーン。ですから、自分としてはあえてこの時期を崩壊期と呼びたい。

あらためて、その頃のアルバムを聞き直してみても、評論家が言うような音楽の「美しさ」は感じることはできませんでした。代表曲の''My Favorite Things''のVillage Vanguardでの再録は、かえってテーマのメロディが登場してくる合理性はなく、ひたすらサックスで吠え続けている姿しか感じられません。

コルトレーンは崩壊していく中で、ガンのために40才で亡くなりました。もしも、寿命があったのなら、このあとに必ず回復期がきたはずです。ですから、自分としては1966年のコルトレーンが亡くなったことよりも、80年代、あるいは90年代のコルトレーンが聴けなくなったことが惜しまれる。

それにしても、稀代の名盤である「至上の愛」ですが、途中のコルトレーン自身による読経のようなタイトル連呼だけは・・・う~ん、??? なのでした。

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