2010年10月14日木曜日

東京女子医科大学付属膠原病リウマチ痛風センター

長いでしょう、この名前。でも、なんと言っても、日本で一番関節リウマチの患者さんが多い病院ですからね。多少長い名前でもしょうがない。

実際のところ、今の自分はここあってのものですから、何しろ新宿の方に足を向けて寝れたもんじゃありません。

東京女子医科大学というくらいですから、学生はみんな女性。と言う事は、卒業生で大学に残るのは全員女性です。実際は半分位は男性でしょうから、男性は全員他の大学から来た医者ということになります。

自分も東海大学の卒業で、卒業後10年間は母校にお世話になったわけですが、それから縁があって東京女子医科大学にトラバーユ。2000年から2005年までは正職員として在籍させてもらいました。

この間に、関節リウマチのイロハを勉強させてもらったわけですが、正直言ってそれまで知ったつもりだったリウマチ診療の常識を完全にひっくり返されたような、今までの不勉強ほどを思い知らされたのでした。

その一番は副作用という問題。ぶっちゃけ、ノー天気な整形外科医は薬の治療についてはあまり関心がありませんでした。ましてや、副作用なんてほとんど気にしていない。

膠原病リウマチ痛風センターのすごいところは、その膨大に症例数もさることながら、内科系と外科系の医者が一緒に仕事をしていることです。

初診の患者さんについても、分け隔てなく振り分けられます。それぞれの不得意なところは、隣の診察室にちょっと顔をだしてアドバイスをもらうことがすぐできたりするんです。

医局も一緒で、いろいろな相談や雑談の中から、いろいろな知識を整理して増やしていくことができます。特に2000年からは、怒涛の進化を続ける関節リウマチ診療の世界ですから、一人だけで勉強していてはとても追いつくものではありません。

自分は、今では非常勤講師という立場をいただいていますが、なかなか大学に恩返しをできる状況にはなっていない。月に1回の外来といっても、患者さんの数も多くなく、大変申し訳ないように思うわけです。

センターのホームページは、内科系と外科系全体のものですが、整形外科の独自のページもあります。ここを作っているのがセンターのホープ猪狩勝則講師です。この人はすごい。若くして、遺伝子関係からの基礎研究を早くからこなし学会の賞も受賞、これからの日本のリウマチ学を牽引していく一人になることは間違いない。

自分も開業して、自分からは新しいことを見つける立場ではなくなったので、こういう意気盛んな若い先生から、もらえるだけエネルギーを分けていただく気持ちが大切だと思っています。

センターは、これからも日本のトップクラスの施設として存在してもらいたいと思いますし、そこに少しでも関係がある身であることが誇りに感じられるというのは大変嬉しいことです。