辞書というと、だいたい英和・和英と国語辞典くらいがあれば、その他はあってもなくてもいいようなもの。
高校生くらいまでは、勉強する上で「必要」と言って間違いない。大学生になると、どうだったか。時には必要だつたかもしれないけど、必ず使うというほどではなかったかも、
医者になってからは・・・どうしても、英語の論文を読む機会が多かったので、かなり「必要」でした。
特に英語雑誌を呼んでいく抄読会というのがあって、当番になるともう大変です。興味があるものから無いものまで、あるいは基礎医学のやたらと難しいものとか、一度に10数編の内容を医局で紹介しなければならないので気が狂いそうでした。
まずは冒頭の抄録を呼んで、本編は考察だけなんとか理解してごまかしたりするのですが、とにかく辞書なしにはとても読めるものではありませんでした。
当時は、英和と和英が一緒になってコンパクトサイズの三省堂のデイリーコンサイスを愛用していて、ぼろぼろになったので2冊目を買ったものでした。
自分が医者になった頃から、パソコンというものが一般に使われるようになって、当然のようにパソコンで使える英語辞書というのはワープロ、表計算とならんで人気アプリケーションの上位の常連でした。
しかし、だんだんそういう真面目に勉強することが少なくなって、それとともに辞書を引くことも減ってきました。今使っているスマートフォンでも、辞書ソフトを入れていたりしますが
、実際使ったことは・・・無い。
今時は、本の辞書というのははやらない。電子辞書というミニチュアノートパソコンみたいなものが学生には人気。1万円くらいから、数万円で膨大な辞書がたくさん入っていて、そりゃもうすごいこと。
うちのこどもが使っているものなんて、100コンテンツとかで、もう一体何が入っているのかすら、使っている本人でもわかっていない。
医学辞典の入っているかなり高価なものもあるわけで、本で購入するより相当高額な感じがしますが、残念ながら自分としては、医学辞典ほど使わないものはないと思っています。
所詮、数行で用語を解説されても、ほとんど何の役にも立たないわけで、結局教科書でしっかりと勉強しないといけない。だいいち、日進月歩の世界ですから、数年前の解説文などはすでに古いことがしばしば。
つまり、専門にする人には辞書は不必要で、専門じゃない人に最低限の知識を与えることが最大のメリットということなんでしょう。ですから、やはり日本人にとって最も大切な辞書は英語辞書・・・多少古くても役に立ちますしね。