震災で長く停電する経験をすると、現代社会での電気の重要性をあらためて認識します。さらに、原子力発電所の事故は、電気の安定供給に対して多大な不安をもたらすことになりました。
原子力の代替となる発電方法の確立が急務となっているわけですが、今までの火力発電、水力発電のような地球環境を破壊する方法以上に、効率的な発電方法がなかなか見つからないというのが現実。
太陽光発電は、自然にもやさしく期待される発電方法ですが、各家の屋根に設置するレベルでは、発電量にも限界があり、また天候によっても左右されるので、なかなかそれだけでなんとかするというのは厳しいものがある。
SFの世界では、豊富な太陽光を取り入れられる宇宙に巨大なパネルを設置して発電するなんていう話が簡単に成立するわけですが、現実の話ともなると、じゃあどうやって発電した電気を地上に送るのかということになります。
巨大な凧を上げるイメージで、ど太い送電ケーブルでつなぐというくらいしか思いつかないのですが、実際それを実現するというのは素人的にも無理だろうと思います。
ところが、世の中にはすごい技術を開発している人たちがいるもので、最近三菱重工業が、電気を無線で飛ばす技術の地上実証実験を行い、長距離の無線送電を実現したと発表しました。
地上で10KWの電力を500もm先までマイクロ波を使って無線で送電し、ロスはあるものの受電に成功したそうで、人への影響を減らすためにピンポイントでマイクロ波を照射することができるのだそうです。
こうなると、宇宙から無線で送電するということが、現実に可能になってくるかもしれません。ただし、おそらく、それはまだまだ数十年先の話かもしれませんけど。
さしあたっては、海上での風力発電、波力発電などに応用するというのは早い段階で実用化するかもしれません。それより、家中にあふれている家電製品のぐちゃぐちゃになった電源コードがいらなくなるかもしれません。
家の中からACコンセントが無くなるなんていうのは、想像するとずいぶんと嬉しいことかもしれません。電化製品の置き場所の制約が無くなり、自由に配置を変えられるのです。すべての家電がモバイル状態、かつ充電不要で好きなだけ使えるようになるかもしれません。