日本は年度で物事が動く事が多く、学校や職場などは4月始まりで3月で〆になったりします。新しい環境での生活を4月にスタートさせて、いろいろと馴染めずモヤモヤしてきて、気持ちがどんどん落ち込んでしまう状態になることを「五月病」と呼んでいます。
実際のところ、頻度についてはあまりネットとか見てもはっきりしません。少なくとも自分の場合は自覚的になったことはないですし、幸いに過去に周囲にそれらしい人がいた記憶がありません。
単なる偶然なのか、医療関係者には無縁のものなのかわかりません。自分の場合に限って言えば、研修医の頃は1年ごとに出向などで職場が変わったりしましたが、いつも仕事をこなしていろいろと覚えていくので精一杯で落ち込んでいる暇はなかったのかもしれません。
学生で4月から新しいスポーツを始めたりすると、今頃になってあちこちの痛みを訴えて受診する人が増えてきますが、これは精神的なものではないので五月病という扱いはしません。
でも、新学期になってすぐに「痛くて練習休む」とは、なかなか言いにくいようです。どうしても無理をしてしまい、さらに悪化させてしまうことが多いように思うので、特に小学生~中学生の成長過程のお子さんの場合は、もう少し休みやすくする配慮があってもいいかと思います。
有名大学は、欧米と揃うように秋はじまりの年度に移行しようとしています。社会全体が秋始まりのシステムに変わらないと、なかなかうまくいかないような感じがしますが、試行錯誤してみる価値はあるかもしれません。
そうなったら、五月病になる人はいなくなってめでたし、めでたし・・・っな、わけない。今度は新たに「十月病」という新しい病気が登場するんでしょうね。