絵本作家のモーリス・センダック(Maurice Sendak)氏が、4月8日に83歳で亡くなりました。
最近、「かいじゅうたちのいるところ」が実写映画化されたりしていたので、けっこう知っている人も多かったように思います。もともとは1963年に発表された古い絵本ですが、自分が初めてであったのは20数年前、うちのこどもたちのためでした。
もともと「絵本箱」という名前のビデオシリーズで見たのが最初。絵本の絵をそのまま使って、動きをつけてアニメーションのように見せるシリーズで、こどもたちのお気に入りになったのです。
せっかくですからと、原宿のクレヨンハウス(落合恵子さんの店)で探してその本だけでなく、センダック氏の他の作品も何点か購入しました。
いずれの作品でも、独特のファンタジー調の絵には目を奪われました。ページを開くと角の端っこまで丹念に描き込まれ、どのページも独立したポスターでも見ているかのようです。
こどもの思い描く夢の大切さ、それを見守る大人のありかたなどが基本的なテーマだと思います。これは他のセンダック作品にも共通するところですが、自分もこどもの頃にタイムスリップして夢中になれる素晴らしい絵本だと思います。
世代的には、もう絵本を探しに店にいくことはないと思いますが、少なくとも自分の時代の中では忘れられない素晴らしい「文化」の一つであったわけです。ご冥福をお祈りいたします。