2014年2月17日月曜日

J.E.Gardiner / Berlioz Missa Solennelle

ずっと何度も書いていることですが、クラシック音楽の中で大規模オーケストラ作品と声楽曲だけはどうも苦手で、おそらく数ある楽曲のうちのかなりの部分を避けて通るという偏屈な聴き方をしているわけです。

器楽曲や室内楽曲だけでは、さすがに「限りある資源」の中では、何年かたつと行き詰まってしまうわけで、そろそろ何とかそのあたりを打開したいといろいろ考えているところ。

そこで昨年挑戦したのが、ジョン・エリオット・ガーディナーという指揮者。いわゆる古楽というジャンルを中心に活躍している方ですが、モダンでも古楽でもどっちでもいいんですけど、ただ古い宗教曲、例えばバッハのカンタータなどは最も苦手なところ。

ところが、ガーディナーの面白いのは、モーツァルト以前と、ベートーヴェン以後ではオーケストラを変えているところ。もともとモンテヴェルディ合唱団という、世界で最も有名な合唱団を組織しているのですが、その合唱団を生かせる楽団として作ったのがEnglish Baroqoe Soloists (EBS)。

古楽器を使用してピリオド奏法を用いた演奏は、一定の成果を出してきたのですが、バロックという言葉が入っているともっと新しいところに手が出せない。そこで、さらに新たに組織したのがOrchestre Révolutionnaire et Romantiqueという楽団です。

これはオルケトル・レボリューショネル・エ・ロマンティークと読むんですが、あえて和訳すると浪漫の革命的管弦楽団とでもいうんでしょうか、とりあえず長いのでORRと簡単に省略したりする。メンバーはEBSとかぶるようですが、箱が変わることでまた別のアプローチも可能となってくる。

最初に聴いたのが、ベートーヴェンの交響曲でした。例えばカラヤン指揮のベルリンフィルの演奏などが、もともと典型的なものとして人気だったわけですが、自分はこの分厚い大人数よる怒涛の重々しい演奏があまり好きではありませんでした。

ガーディナーの演奏は、古楽器の特性からきびきびしていて、大変気に入った。作曲家の時代の音にこだわるわけではないのですが、古楽器オーケストラは自分の苦手を突破するためのチョイスとなりうることを発見させてくれました。

つまり、ガーディナー+ORRはオーケストラ作品の糸口となり、必然的にモンテベルディ合唱団もついてくるということで、このあたりを苦手を克服するための突破口にしたいと思ったということです。

もともと、ORRはベルリオーズの幻想交響曲を演奏したいというのが結成の理由だったというくらいで、このCDは今でもベストセラーですが、今回はビデオ作品があるというので購入してみました。

今では見ることが無い変わった楽器も登場して、視覚的にも大変面白いのですが、おそらく小学生以来、幻想交響曲をちゃんと聴いたわけで、もちろんなかなかよかった。実は、それよりも楽しめたのが、一緒に収録されていたベルリオーズの荘厳ミサ曲でした。

ベルリオーズの荘厳ミサ曲は、近年発見されたもので、ガーディナーが初演したものというくらいですから、もう彼らのためにあるような曲。当然、こっちも初めて聴くわけで、聴きなれた旋律が出てくるわけでもないのですが、意外と聴き通せました。

これは動画があるという効果が大きいのかもしれません、というのも演奏の様子が視覚的に入ってくることで飽きにくかったのかなと思います。同じ組み合わせで、ベートーヴェンの宗教曲のCDもあるので、次はそのあたりに攻め込んでみたいと思ったしだいです。