小さな勉強会から発展し、地域のリウマチ専門医療を充実させるために行ってきた会ですが、昨夜は第10回を迎え、ひとつの区切りみたいな感じとなりました。
年に3回、実地医家の立場から疑問に思う事や知りたい事をテーマに選んできて、激動のリウマチ診療の流れに乗り遅れないようにしていく一助として定着してきたかなと思います。
もちろん、スポンサーとして製薬会社が共催してくれているからできることであり、めんどうな雑務を引き受けてくれているので、本当に助かります。
製薬会社が主導する勉強会は、もちろん扱う薬の宣伝の要素が大きいのですが、自分たちのフォーラムは基本的に医者の側が基本的な内容を決めています。
今回は、東京女子医科大学膠原病リウマチ痛風センター所長の山中寿教授をお招きしました。というと、実際のところ自分のBOSSなわけで、自分が直接声をかけられる最後の切り札みたいな人です。
実際、センターは日本で最も多くのリウマチ患者さんが通院する、リウマチ専門施設の草分けです。山中先生は、2000年から患者さんへのアンケートを行い、実際の臨床の現場におけるリウマチ診療の実態にそくしたデータを収集し続けています。
このなかからは、臨床医が経験的に「これはそうだろう」と思っていたことが、実質的にデータとして証明され裏付けられたり、実際に行った治療がどのような結果をもたらしているかがわかったりしていて、大規模臨床研究としてその意義が認知されています。
山中先生には、このなかから現実的な問題点と今後の課題を整理してお話していただきました。どんどん進歩してハードルが高くなるリウマチ医療の中で、まだまだ簡単には解決しないことが山積み。簡単に治癒するところまでは、難しい問題がたくさんあることを指摘していただきました。
次回は6月。今度は、未来がどうなるかの一つの答えになるかもしれないiPS細胞についての勉強をする予定です。この会が20回、30回と続くように、それは自分自身も含めて、がんばっていきたいと思います。