先週の話。田園都市リウマチフォーラムが行われました。
年に3回のペースで、第18回まできました。2010年から始めて、あしかけ7年になるわけで、ずいぶんと続いているなぁと思います。
もともとは、自分と近隣のリウマチ医3人で始めた勉強会。
開業医向けの講演会というのは、たくさんありますが、大多数は製薬会社主導で、それぞれの製品についての内容を「宣伝」するのが目的。
田園都市リウマチフォーラムは、自分たち世話人がスポンサーである製薬会社の意向を最大限取り入れるものの、自主的に知りたい、勉強したいというテーマを選んできました。
こういう会は少なくて、リウマチ医として今何を重視するか、本当に役に立つ知識を習得する会として、今後もできるだけ続けられることが大事だと思っています。
今回の内容は、慢性腎臓病がテーマ。慢性腎臓病(CKD)は、純粋に内科領域の問題ですが、近年注目度が高まった領域です。関節リウマチ診療でも、知らないではすませられません。
内科系と整形外科系のリウマチ医がいますが、当然と言えば当然なんですが、整形外科医としてはこの手の問題は不得意と言わざるを得ません。
昔、大学病院で純粋に整形外科医をしていた時に、「手足のことばかりを気にして全身状態を見れない」とパラメディカルから陰口を言われていたことがあります。
残念ながら、ある意味真実であることは否定できず、できるだけ表立って言われないように努力したことを思い出します。それはリウマチ医という立場でも同じで、整形外科だからこそ、内科的問題に特に注目して、勉強する意欲が減らないようにしたいと思っています。
今回は、聖マリアンナ医科大学を卒業して慶應義塾大学でリウマチの勉強をして、昨年聖マリアンナに戻った次世代を担う期待の大きい花岡洋成先生に講演をお願いしました。
花岡先生は腎臓関連が専門で、実は春にも一度講演を聞き、大変プレゼンがうまい先生だなぁと感心しました。腎臓が専門でない、しかも整形外科の自分にも理解しやすい話し方だったので、こちらのフォーラムでもより突っ込んだ話をしてもらいたいと思いました。
今回の公演でも、ほぼ純粋に腎臓内科的な話でしたが、やはり巧妙な喋りですべてではないにしても話の骨格は理解できた気がします。
今回の会では、もう一つ、大事な症例検討を行いました。症例検討は毎回行っているのですが、今回初めて、病診連携の実践を具体化する内容で行いました。
会の顧問をしていただいている山田秀裕先生は、昨年末に聖マリアンナ医科大学教授を退き、聖隷横浜病院でリウマチ・センターを立ち上げました。そこで、外来で診断・治療に苦慮していた患者さんをお願いしたのですが、その後の状況について詳細な報告をしていただきました。
大きな病院は、中には紹介してもほとんどそれに対する報告がないところもあり、送った患者さんがその後どうなっているのか気になることがあります。返事が来ても、なかなか詳細は書ききれていませんし、また時間がたってその後についてはまったくわからないことが普通です。
そこをきちんとフィードバックしてもらうことは、自分たちにも多くの知見がありますし、また送られた側にもさらに患者さんを増やすメリットがあることなので、今後も充実させたい部分だと思います。