2016年10月6日木曜日

蛍光灯製造禁止の顛末

Nikon D750 1/3200 f4 105mm ISO 800 / SIGMA 24-105mm f4 DG Art

政府は、エネルギーを多く消費する白熱灯と蛍光灯について、国内での製造と国外からの輸入を、2020年度をめどに実質的に禁止する方針を固めた・・・

・・・というのは、1年前のニュース。

いや、けっこう過激な方針だなと思いました。確かにLEDの普及は進んでいるものの、まだまだ蛍光灯や白熱灯との価格差はかなりあって、いくら長寿命だからといって、すぐさまなんでもLED電球に交換というわけにはいきません。

室内灯としてよく使われる細長い蛍光灯については、まだLEDに取り換えるだけで済むものはほとんどないらしい。追加の工事ををしないと、安心・安全・安定に使うのは難しいような感じです。

うちのクリニックの照明は、長蛍光管ですが、一体全部で何本を使用しているんでしょうか。あまりたくさんありすぎて、実は全部を把握していません。少なくとも100本以上は間違いない。

大震災後の節電で、その中の1/.3くらいははずしました。また、常時点灯して使用しているのが1/.、残りの1/3は、必要に応じて点灯するような使い方を今でもしています。

単純に工事無しで交換するタイプを選択すると、120cmの長さがあるタイプは、安い怪しげなものだと1本1000円くらいからですが、やはりこの手のものはけっこうやばいらしい。

確実に問題がなさそうな大手メーカーのものだと、1本1万円です。場所が場所ですから、何か事故がおこってはまずい。となると、自分で交換するとしても100万円くらいはかかることは間違いないし、 業者を依頼すれば相当な出費になります。

これは、一度に出る場合は、なかなか大きい額です。まだまだ、今の段階では即座にすべてを切り替えるのには技術的な不安要素もありますから、寿命になった蛍光管から順次変えながら様子を見るか、202X年に、いよいよダメになったときに一気に工事をするか・・・

けっこう悩ましいところなんですが・・・実は、そもそもこのニュースはメディアの先行報道だったようで、「エネルギー利用の方向としてLEDへ転換していきたい」というくらいの話を、生産中止と報道したものらしい。

政府や各照明器具メーカーは、その後に「生産できなくなるわけではない」と火消しに奔走したようです。ところが、メディアのニュースでは、一度もそういう訂正を見たことも聞いたこともない。

メディアは報道の正義をいつも振りかざしますが、報道したことの責任は取らないという、いつものことだと言えばそれまでですが、なんかなぁ~という気持ちになりました。