2017年6月18日日曜日

第20回田園都市リウマチフォーラム

田園都市リウマチフォーラム世話人 廣田浩一先生、東浩平先生と
昨夜は、新横浜で関節リウマチの勉強会でした。

田園都市リウマチフォーラムは、2009年に始めた小さな勉強会が前進で、2010年にもっと周りのリウマチを専門にする開業医を巻き込んだ会としてスタートしました。

気がつくと、昨日で第20回。毎年、2月、6月、10月の3回のペースで開催し、ついに20回まで来たことは感慨深いものがあります。

始まったころは、関節リウマチ診療を激変させた生物学的製剤が出そろった頃で、とにかく開業医としては最新の知識を絶えずアップデートしていくために、一人で医学雑誌をひたすら読んでいるだけではとてもついていけない感じでした。

この勉強会は、今でもわれわれ世話人が主導して、現在知っておくべきテーマを(共催の製薬会社の意向も多少は加味して)決めてきました。ここで扱った内容が、そのまま21世紀の関節リウマチ診療における問題点を明らかにしてきたと思います。

何とか大学病院で行う診療と同レベルのことを維持できている(?)のも、この勉強会のおかげだと思います。これから、いつまで続くかわかりませんが、この会の重要性は減ることは無く、継続する意義は大変大きいことだと思っています。

第10回の節目に続いて、今回の大きな節目でも、東京女子医科大学膠原病リウマチ痛風センター長の山中寿教授に講演をしていただきました。

激変した21世紀の関節のウマチ診療、つまりToward to Remission(寛解に向けて)を合言葉に切磋琢磨してきたこの15年余りの総括と、今後山中教授が考える未来のテーマであるBeyond the Remission(寛解のその先)に向けての戦略を解説していただきました。

分子外標的薬である生物学的製剤の成果は実証され、現在の治療の中心に位置づけらるようになりましたが、すでにより広範囲のターゲットに対して効果を発揮できる分子内標的薬の時代が始まっています。

今後も、この新しい薬がどんどん登場してくる予定があり、まだまだ関節リウマチ診療は変革の足並みを止めていないこと、これらの薬を有効に、かつ安全に使用して寛解を維持し、そして休薬、治療の中断までもっていけることに望みをつなぐことなど、患者さんにとっても明るい話だったと思います。

さて、次回(10/18)は順天堂大学の三宅幸子教授にお願いして、関節リウマチの理解に必須の免疫学の基礎を解説していただくことになっています。関節リウマチだけに限らず、関連する医療に携わる多くの先生方の参加を期待しています。