2017年6月5日月曜日

カメラ業界の危機


自分の中では、ずっと静かなブームが続いていることなので、カメラ業界が苦戦を強いられ危機的状況にあることはあまり実感としてわからない。

ところが、実際のところ、去年あたりからニュースになって表面化してくることがしばしばあって、さすがに最近は心配になってきました。

一眼レフカメラの代表的なメーカーは、NIKONとCanonが二大巨頭ですが、NIKONについては新製品が発売延期になったり見送られたり、大量のリストラがあったとか、NIKON派の自分としては気になる話題が多い。

Canonはあまり表面化していませんが、カメラ関連だけではなくいろいろな電子機器にまたがる業務展開をしているので内部での調整で何とかなっているだけなのかもしれません。販売店でも、大手のキタムラカメラが店舗を大幅に縮小しました。

よく言われているのは、スマートホンの著しい普及によりとにかくカメラが売れなくなったということ。

これは、元々は今で言うガラケーが普及し始めた頃からの話で、携帯電話にカメラは標準装備になり、コンパクトカメラの売り上げが一気に落ちたというのはもう10年以上前の話。

その後、コンパクトカメラは高性能・多機能へシフトして、携帯電話のお粗末なカメラとの差別化を図る展開が見られました。おそらく、これはそれなりの成果があったのかもしれません。

しかし、スマートホンの時代になってSNSが普及するとよりネットとの連携の点で、再び単体のカメラの利便性は劣ることになりました。もちろんスマートホン搭載カメラの高性能化も著しいものがあります。

コンパクトカメラの高機能化は、カメラ・メーカーからすると諸刃の刃です。コンパクトカメラが本丸の一眼レフに迫る結果になり、一眼レフカメラの必要性がさらに減少する結果を招くことになります。

実際のところ、一見すると一眼レフと見間違えそうな外見の、もはやコンパクトとは言えないようなレンズ固定カメラがずいぶんと増えてきました。ミラーレス一眼レフの登場で一眼レフが小型化し、その差はさらに縮まってしまったかもしれません。

そもそもデジタル社会になって、写真を印画紙に焼き付けて楽しむという習慣が無くなってしまったことが大きい。

印画紙の写真の解像度に比べれば、デジタル・データの画素数なんて最高のものでもまったく敵わないくらい落ちるというのは事実なんですが、パソコンやスマートホンなどの液晶画面でしか写真を見なくなったので、最低1インチに72画素あれば十分綺麗に見えますし、それ以上にしても見え方は変わらない。

ごく一部をトリミングして拡大したり、写真の加工をいろいろするわけではない、大多数、いやほぼ全部の一般のカメラユーザーには、今のスマートホン付属のカメラでもそこまでの機能は必要としていないということです。

NIKONはもうじき新製品D7500が登場するようですが、いやはや心配です。昨年のD500に続いてAPS-Cサイズですから、結局多少の機能アップはあっても、一般ユーザー向けのものとしては大きな差を感じられないところ。

マニアックにいろいろ考えても、それを実際に写した写真に反映できるだけの差として出せるのか・・・疑問。どうなることやら・・・・心配が大きくなってきました。