キリスト教の1年は、今日から始まります。
キリストの誕生を願って、静かに4回の日曜日をじっと待ちます。この期間は待降節 (advent) と呼ばれます。
想像してみましょう。
しんしんと降る雪の夜に、暖炉にはわずかな薪から小さな炎が立ち上がっています。
テーブルの1本ロウソクの灯のもと、静かに家族が身を寄せ合って・・・
キリストが無事に誕生し、世界に光が射すことを静かに祈っている・・・
・・・なんてね。
少なくとも、ツリーを飾り立て、ライトアップで喜んでいる場合じゃない。
ヨハン・セバスティアン・バッハは、ライプツィヒの聖トーマス教会で、毎週日曜日に礼拝のための音楽を演奏していました。
でも、待降節は別。原則として音楽は禁止。毎週、超忙しいバッハもこの期間は、少しだけ息が抜ける・・・わけがない。
だって、クリスマスが来たら、そこから新年まで怒涛の礼拝が続くので、待降節の間にバッハは大量の音楽を用意しておかないといけない。
お気の毒です。せっかくですから、バッハのご苦労の賜物、教会カンタータを1年を通して聴いてみるのもいいと思いますよ。今なら間に合います。