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2018年12月15日土曜日

The Right Stuff (1983)


冷戦時代に、アメリカ合衆国とソビエト連邦は、宇宙の覇権を巡って熾烈な競争を繰り広げていました。

・・・そもそも平成生まれの人たちには、ソビエトって地球のどこにあるのかと言われそうですが、その中でアメリカが計画したのがマーキュリー計画とアポロ計画でした。

この映画は、マーキュリー計画を主軸にして、とにかくスピードの壁に挑んでいくパイロットたちの生き様を淡々と描いていきます。タイトルの"Right Stuff"は、「正しい資質」という意味。

第2次世界大戦のときに優秀なパイロットだったチャック・イェーガーは、テスト・パイロットとして、次々と最高速度・最高高度の記録を塗り替えていました。しかし、彼は、一人の才能によって成功が導き出される古き良き時代の遺物となりつつありました。

宇宙を目指すための組織が整備され、国家の威信をかけて、その管理下に厳重なプログラムにはめ込まれた次世代のパイロットたちが養成されていく過程を追いかけていきます。

一見、際立った大きな事件があるわけではありませんが、3時間の長丁場が意外なほど短く感じられるほど、次はどうなるのか目が離せない展開は監督・脚本を担当したフィリップ・カウフマンの技量なのかもしれません。

ただしねカウフマンは、はっきり言ってこの作品でだけ記憶に留まる程度で、必ずしも映画人としてハリウッドで成功したとはいえない。やはり、宇宙飛行計画そのものがドラマティックであり(一部を除いて実話に基づく)、戦後のアメリカを大きく推進したエンジンの一つだったということ。

アカデミー賞では、メインの受賞はありませんでしたが、自分の中では名作として位置づけられる素晴らしい映画です。