「じせき」と読みます。
脊椎動物の耳の一番奥、内耳にある炭酸カルシウムの結晶です。
人の場合は、細かい砂状のカルシウムが多数集まり耳石器と呼ばれ、平衡感覚を維持する機能に役立っています。
ところが、何らかの理由で、耳石が剥がれて内耳の中で動いてしまうことで「めまい」が発生します。
話は急に変わりますが、魚は水の中でいつでも姿勢を保っています。餌を見つけると、俊敏に飛びついていくわけですが、態勢のバランスは崩しません。
当然、魚でもそこには耳石が役立っている。だいたい目ん玉の上、頭蓋骨の中に左右1つずつ持っています。ネットを探すと、けっこうマニアックに採集している話題が出てくる。
通常、スーパーで手に入る体調20cm程度の尾頭付きの魚だと、耳石は数mmで、よほど注意して取り出さないと見つけられない。
ところが、体格に似合わず大きな耳石を持った魚がいます。まさにそこからついた名前が「イシモチ」です。シログチとも呼ばれ、焼いて食べたり、練り物の原料にしています。食べ終わったら、頭を割ってみると、大きいので簡単に見つかります。
年輪のようなしわが経年的に増えていくのですが、今回みつけたものにはほとんどありません。つまり、1~2年くらいの成魚ということですが、それでも1cm近い大きさです。
けっこう存在感があるので、コレクションしたくなる気持ちが少しだけわかりました。