さて、これまでは、それほど難しいところはありませんでした。手作業でする場合、延ばした生地を切るというのが一番気を遣うところです。型で抜いたり、小さな四方形に切って、一個一個を成形すれば、ショート・パスタになりますが、今回は基本のロング・パスタを作ります。
さすがに、打ち粉が必要。まず、生地をたたまなければなりません。たくさんたたんで細くした方が切りやすくはなりますが、切ったところからくっついてにっちもさっちもいかなりなります。
今回は1/3ずつ折り返して10cm程度にたたみました。これなら、包丁で普通に切ることができます。太さが1.8mm前後のスパゲッティ風にするなら、2mm以下で切っていかないといけませんが、くっついてしまう可能性が高くなるので、5mm程度の平麺のタリアテッレを目標にします。
切るときは、押し付けるように切ると、重ねた断面がくっついてしまいますし、引くように切ると生地がよれてしまいます。このあたりの兼ね合いは、何度がやってみるしかないかもしれません。切った後は横にずらすようにすると、隣同士がくっつくのは防げます。
切り終わったら、重ねていた部分をすぐにほどいて、打ち粉をしておきます。そのまますぐに茹で始めてもいいのですが、ソースを用意する時間が必要なので、10分間程度は乾燥させた方が麺が引き締まります。
乾燥パスタは5~10分間程度の茹で時間が多いのですが、生パスタはそれと比べてかなり短い。硬めに仕上げたければ2分間程度。厚みにもよりますが、平均的には4分間くらいです。もともと、乾燥パスタのようなアルデンテは出せないので、多少茹で時間が長めになっても問題はありません。
茹で方は乾燥パスタと同じで、1%程度の塩を入れた十分に熱い湯に入れるだけ。入れたら、まず全体をかき回して、麺がくっつかないように注意します。ただし、グラグラに沸騰した湯ではなく、90度くらいのちょっとボコボコしているくらいの温度で茹でるのがポイント。
生パスタのタリアッテレとくれば、本場イタリアでは定番はボロネーゼ。ボロネーゼ・ソースの作り方は、以前に紹介してますので参照してください。
生のロング・パスタは、濃厚なソースが多めに絡みやすいものが向いていると言われ、ホロネーゼ以外にもクリーム系との相性が良いようです。
卵を使わない分、もっちり感は少ないかもしれませんが、むしろ歯切れの良さがあり、麺の味もきりっとした感じがします。それに、自家製というだけで、「痘痕も靨(あばたもえくぼ)」ですから、どうやったって美味しくないわけがない。
デュラム小麦のセモリナ粉は、ネットで購入できますがやや割高。強力湖と薄力粉を半々で代用することはできますが、黄色味は出なくなりますので、色味が欲しい場合は卵を使う方がお勧めです。