普通は乾麺の市販のパスタで何の問題もありませんが、どうも食べ物に関しては「生」という言葉に誰しもが弱いところがあります。生と言うだけで、何か美味しくて体にも良さそうと思ってしまうわけですが、まぁ、たいていの場合は、それほど大きな差ではありません。
パスタについては、イタリア料理を作ることにこだわると、一度はパスタを自分で作ってみたいというのも、人情としてはわかてもらえると思います。自分で作ると、乾燥してないので、まさに生となるんですが、生パスタにもおおまかに2種類あって、一つは卵を入れる、そしてもう一つは卵を入れないということ。
前回、生パスタを作った時は、一般に自家製の方法として紹介されている卵入り。卵が入ると、つなぎの油脂分が増えて捏ねやすくなり、もっちり感が増し味もまろやかになります。ただし、カロリーを気にする向きにはやや抵抗がある。
当然、乾麺は卵ははいっていないわけで、自家製でも卵無しだと多少捏ねるのが大変くらいで、問題なく作ることができます。今回は、卵を使わない生パスタを作るところを順を追って詳しく紹介します。
まず、最初は材料紹介。と言っても、シンプル。デュラム小麦のセモリナ粉が100gで、使う水が50ml、塩は1gくらい、オリーブ・オイル少々です。卵を使う場合は、水の代わりに全卵1個(約50g)を使います。出来上がりは150gになるので、おおよそ二人前です。
まず、小麦粉を山状にして、真ん中を窪ませます。そこへ水、塩、オリーブ・オイルを全部入れてしまいます。ここからの作業はフォークを使うとやりやすい。
窪みのへりから、少しずつ粉を崩し入れていきます。あわてると、土手が決壊して困ったことになるので注意。
デュラム小麦は吸水性が遅いので、ぼそぼそのそぼろ状態になります。それでも、フォークですくって押さえるようにしているとまとまってきます。ここで、捏ねてしまうと、グルテンが早くから生成され、全体に水分が行き渡りにくくなります。
数分間くらいで、だいたい全体に水分が浸みた感じになるので、全体を丸めてラップをして冷蔵庫で休ませます。最低でも1時間、普通は半日、可能なら一晩寝かせておくと、ゆっくりと水分が全体に浸みわたって、後の作業が楽になり、また美味しいパスタになっていきます。