2026年4月7日火曜日

コンドル (1975)

CIA というのはアメリカの中央情報局のことで、正確にはCentral Intelligence Agencyですが、ようするにアメリカの対外的情報の収集・分析・・・って、スパイ組織ってことですね。この映画は、CIAが舞台になっていて内部の裏切り者を探っていくストーリーです。

原作はジェイムズ・グレイディの小説で「コンドルの六日間」というタイトルですが、映画では半分に縮めて英題は「Three Days of the Condor」になっています。監督は名匠シドニー・ポラックで、多くのポラック作品で主演に抜擢されたロバート・レッドフォードがここでも主演しています。

ニューヨークの一角にこじんまりと入口をかまえるアメリカ文学士協会。実はCIAの末端組織の一つで、部局の人数は総勢で7人。彼らは、世界中の本、雑誌、新聞、学術報告など、活字になったものをすべて読んで、情報漏洩の有無、何らかの未知の情報交換などの痕跡が無いか分析することが仕事でした。

ある日、コード・ネーム、「コンドル」のジョセフ・ターナー(ロバート・レッドフォード)は、皆のランチを受け取るため裏から外出します。しかし、戻ってみると全員が射殺されていて、驚いたコンドルは、CIA本部に緊急連絡を入れます。次官のヒギンスからの指示で路地で待っていると、ヒギンズの部下であるウィックスに銃撃を受けるのです。

何とか逃げ出したターナーは、偶然通りかかった写真家のキャサリン・ヘイル(フェイ・ダナウェイ)の車に乗り込み、とりあえずキャサリンのアパートに隠れるのです。教会を襲ったフリーランスの殺し屋ジョベア(マックス・フォン・シドー)は、引き続きターナーの処分を依頼されるものの、プロのスパイではない知識だけはたくさん持っているターナーの行動が読み切れず、何度かチャンスを失います。

それでも、乗っていた車から潜伏場所を確定したジョベアは、キャサリンのアパートに刺客を送りこみますが失敗。キャサリンは、しだいにターナーが嘘をついていなことを信じて、協力するようになります。そして、ターナーも断片的な情報から、かつて本部に送った報告書の一つが、CIA内部で石油利権に関わる影の組織が存在することを示唆していたことが事の発端であるという結論に達するのでした。

ロバート・レッドフォードが乗りに乗っている70年代ですから、とにかくかっこいい。頭でっかちで、スパイとしての活動歴がない主人公ですが、おどおどしているのは最初だけ。レッドフォードの魅力全開になっています。レッドフォードは翌年には、CIAが起こしたウォーターゲート事件を題材にした「大統領の陰謀」にも主演しました。

フェイ・ダナウェイも、けっこうきついメイクで登場することが多いのですが、ここではちょっと陰のある女性をチャーミングに演じています。殺し屋ジョベアを演じたマックス・フォン・シドーはこの後「エクソシスト」で、メリル神父を演じますが、メイクで超高齢に変身してますので、同じ人とは思えない。

いわゆるスパイ物とは言えないかもしれませんが、スパイの世界の暗部を描いていて、斬り込み方がなかなか面白い映画です。大きな賞は獲得しませんでしたが、監督のポラックと主演のレッドフォードのコンビの作品としては、見応えのある傑作として良いと思います。