リュック・ベッソンは、現代フランスを代表するエンターテイメント映画の監督奥の作品も制作しています。最初に注目されたのは1984年の「サブウェイ」で、続く1988年の「グラン・ブルー」も高い評価を受けました。それらの次の作品が「ニキータ」で、いずれも現在でもカルト的な人気を誇っています。
チンピラが店に押し入りますが、駈けつけた警官によって射殺されます。唯一生きたまま逮捕されたのは、20歳前のニキータ(アンヌ・パリロー)と名乗る女子で、重度の薬物中毒で粗暴で言葉使いもひどいものでした。裁判で、彼女は終身刑を言い渡されますが、刑務所ではありませんでした。
ニキータが連れてこられたのは、政府機関の秘密組織で、説明に現れたボブ(チェッキー・カリョ)は、黄身はすでに死んだことになっているので、我々の言うとおりにするか、本当に死ぬかを選べと言います。しかたがなく承諾したニキータは、スパイとして様々にテクニックに関する訓練を受けることになります。
格闘にしても射撃にしても十分に素質があるニキータでしたが、反抗的な態度を続けボブを困らせます。ある日、ボブはニキータを食事に誘い、久しぶりに外界に出れるニキータはとても喜びますが、レストランでボブから拳銃を渡され後ろで食事をしている男を殺して、トイレの窓から逃げてこいと言われるのです。
殺すことは成功しますが、脱出ルートの窓はふさがっていて、殺した男の手下からやっとのことで逃げ出すことができました。戻ってボブを責めますが、ボブはこれでいよいよ訓練は終了だと言うのです。
ニキータには、「ジョセフィーヌ」というコード・ネームが与えられ、マリーと言う名の看護師として町での生活を始めます。ニキータはマルコ(ジャン=ユーグ・アングラード)という青年と知り合い、同棲を始めます。その生活の中にも、ときどきボブから仕事の連絡が入り、ニキータは暗殺の仕事をこなすのですが、しだいにこの仕事を続ける気持ちが揺らいでいきます。そこへ、ソビエト大使館に潜入して極秘情報を奪取するという大きな仕事が持ち込まれてくるのでした。
女として素養を教える教官役で、大女優ジャンヌ・モローが少しだけ登場したり、ベッソン作品の常連ジャン・レノも顔を出しています。主役のアンヌ・バリノーは、当時ベッソン監督と結婚していました。
フランス映画というと、独特の陰のある人物が主役で小難しい雰囲気があるという印象がありますが、この映画では昔のフィルム・ノワール的な人物が登場しますが、20世紀末のモダンな感覚が見事に融合していて高い評価をえました。
最初は暴れまくって暴言を吐きまくるニキータが、少しづつ毒気が抜けていくところが面白いのですが、どこかで怒りを抑えられない性分は変わらない。しかし、マルコとの間に愛情が芽生えたことで、人としての弱さが垣間見えるようになっていくところが見所になっています。
この映画の大ヒットにより、その後アメリカでリメイク作が作られたり、連続テレビドラマになったりして、継続的に話題になっています。
