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2009年5月24日日曜日

Athena Ensemble / Elgar Complete Works for Wind Quintet

これまでにもクラシックと呼ばれるジャンルの音楽の話を書いていて、しばしば好みはピアノ独奏と弦楽合奏を中心とした室内楽としてきました。

オーケストラはどうも好きになれず、ジャズならむしろ大歓迎の管楽器がうるさいくらいで、合唱になるとどうにもついていけない。

そんなかなり偏見に満ちた音楽三昧を楽しんでいるわけですが、いゃぁ、まだまだ初心者だということを痛感しました。まだまだ、知らない世界があったことが最近わかり、ちょっとマイブームになっているのです。

それはハルモニームジークと呼ばれるものです。これは簡単に言うと木管楽器を中心とした小編成のアンサンブル。バイオリンやチェロなどの弦楽器は基本的には使われません。

大編成になると、今で言うブラスバンド、吹奏楽みたいなものですが、通常は五重奏程度のものが多く、室内楽の一つと言えます。フルート、オーボエ、クラリネット、ホルン、ファゴットの編成が一般的で、ホルンだけは金管楽器です。

弦楽合奏ではバイオリン、ヴィオラ、チェロの組み合わせで基本的な音質は一緒ですが、ハルモニームジークでは、それぞれの音質が異なり、その独特の響きが楽しい。

実は、こういう音楽はかなり昔から好きだったと言うことを思い出しました。1977年のアメリカ映画でウォーレン・ビューティが主演した「天国から来たチャンビオン」というのがありまして、この音楽を担当したのが、当時クロスオーバーと呼ばれた音楽で売り出したデイブ・グルーシンでした。

この映画の音楽がまさに木管楽器を使ったほのぼのとしたもので、この映画の雰囲気にまさにぴったしだったのです。自分の好きな映画のベスト5くらいまでに入れてもいいくらいの評価なんですが、そこまで個人的な高評価の理由の一つがこの音楽でした。

さて、モーツァルトやベートーヴェンのような名だたる大作曲家の作品の中にも、この手のものが含まれています。また同時代のダンツィという、木管五重奏曲だけで名が残っている人もいます。このあたりの紹介はまた別の機会ということにします。

今回おすすめするのはエルガー。エルガー(1857-1934)は比較的新しい時代のイギリスの作曲家で、有名なのは威風堂々行進曲やエニグマ変奏曲、あるいはチェロ協奏曲といつたオーケストラ作品。かなりマニアックな感じがしますが、比較的若い頃に木管楽器編成の音楽をいくつも書いていて、このCDではそれらをほとんど網羅しています。

全体的に明るい曲調で、中にはけっこうユーモアも感じられる楽しい曲もあり、そのまま映画音楽に使っても違和感が無いと思います。グルーシンは映画音楽の仕事で、かなり影響を受けているのでないでしょうか。

いつものHMVで購入しましたが、比較的入荷に時間がかかりそうな表示になっていましたが、すぐに入ってきました。まったく聴いたことがないのに買うのも勇気がいりますが、このアルバムではちょっとずつの試聴が可能になっていています。こういうところは、自分のような通販命の客にとっては大変ありがたいところです。